2026年9月9日の夜から、「ラストコール」という言葉が検索の上のほうに並んでいます。

Xのトレンドにも出ましたが、そこに付いている説明は「詳細不明」。

一緒に打たれているのが「すふたん」という名前です。

ところが、この件について報道は10日になっても1本も出ていません

いま読める記録らしい記録は、7月15日に広まった投稿のほうだけ

今回はその7月の投稿に何が書いてあったのかを、はじめて見る人にも伝わるようにわかりやすく解説していきたいと思います。


すふたんとは誰だったのか

まず、舞台になっている番組から。

「LAST CALL(ラストコール)」は、2026年1月4日にYouTubeで配信が始まったキャバ嬢のオーディション番組です。

MCを務めるのは起業家の溝口勇児とローランドで、審査員には現役・レジェンドのトップキャバ嬢18名が並びます。

毎週日曜21時の配信で、5月末に出た番組側の発表によれば、開始から約4か月で関連動画を含む累計10億回再生を突破したとのこと。

そのときのチャンネル登録者数は、およそ49万人でした。

 

番組には、立場のちがう2種類の女性が出てきます。

審査する側のトップキャバ嬢が「クイーン」。

トップキャバ嬢を目指して挑戦する側が「シンデレラ」です。

 

大事なのは、挑戦する側が事務所に所属するタレントではないところ。

公式の募集はいまも出ていて、「今の自分を変えたいと願う、すべての皆様にチャンスがあります」「完璧である必要はありません」と書かれています。

つまり応募してくるのは、テレビに出る訓練を受けた人ではなく、その言葉に手を挙げたふつうの人たち。

すふたんも、その1人でした。

出演が決まって、収録に向かった。

ところが10時間以上待たされたうえ、撮影そのものがキャンセルされたと本人が明かしています。

 

ここで先にひとつ。

「すふたん」は本名ではなく、ネットで使っている呼び名です。

報道が1本も出ていないので、この人の肩書きすら確定していないところ。

9日の夜に何があったのかも、外からは確かめられません。


7月15日に広まった暴露の中身

その撮影のキャンセルを受けて、すふたんが番組の裏側を話しました。

それをまとめて広めたのが、暴露系と呼ばれるアカウントです。

7月15日の午前に投稿されて、かなりの数の人が読みました。

 

出ていたのは、こんな内容です。

  • 撮影に10時間以上待たされたうえでドタキャンされた
  • 謝罪として運営が呼んだタクシーの支払いを途中でキャンセルされ、自腹になった
  • 当日のスピーチで、憧れの相手として挙げた名前を別の人に変えられた
  • ローランドのセリフが事前に細かく決められていた

読んでいて引っかかるのは、最後の1つ。

番組の顔になっている人の言葉が、あらかじめ用意されていたことになります。

挑戦する側が台本なしで人生を語るその横で、審査する側の言葉は決められていました。

オーディション番組としては、けっこう重い話でして。

 

スピーチを変えられたという話も、細かいようで軽くありません。

自分が憧れだと言った相手の名前が、当日になって別の人に差し替えられた。

名前を出された側にも、出せなかった側にも、後から何かが残ります。

 

ただ、ここに書いてあるのは、あくまですふたん側から見た説明です

番組の運営がこれに答えた話は、いまのところ見当たりません


6月28日にも謝罪があった

実は7月の暴露より前に、この番組は一度、大きく謝っています

 

2026年6月28日、東京・トヨタアリーナで「LAST CALL COLLECTION 2026」という大型イベントがありました。

オープニングを前に、溝口勇児がひとりでステージに立ちます。

「皆さんにまず最初に、大切なことをお伝えしなければなりません。本日のクイーン(出演キャバ嬢)たちのランウェイを全て中止にさせていただきます」

出典:サンスポ(2026年6月28日配信)

会場からは「え?」「なんで?」という声が上がったそうです。

中止の理由として溝口勇児が挙げたのが、次の一文でした。

「現在、某暴露系アカウントから『ランウェイを歩いたクイーンを暴露する』と脅しの連絡が個人やSNSに投稿されています」

出典:サンスポ(2026年6月28日配信)

脅されているのは番組ではなく、ステージに立つ女性たちのほうだ、と言っている形です。

開催の前にはすでに4人の出演辞退者が発表されていて、そのうえで「恐怖を感じて来れなくなってしまったクイーンもいます」と明かしています。

ランウェイの中止が決まったのは、本番の1時間前でした。

 

溝口勇児は7分にわたって謝り、来場した人もしなかった人も含めて、チケット代を全額返金すると発表します。

「私の至らなさによって、皆さんの気持ちを踏みにじる結果になってしまった」と、2度頭を下げたとのこと。

最後は「大きなコンテンツが飛んでしまいましたが、最後までぜひ楽しんでください」と会場に呼びかけて、本編へ入っていきました。

 

覚えておきたいのは、このとき名前が伏せられていた「某暴露系アカウント」のほうです。


9日の夜に流れた4行のこと

そして9月9日の夜。

「予告」と付いた4行が流れました。

 

中身をここで書き写すことはしません。

書き写さないほうがいい理由は、厚生労働省のページにはっきり書いてあります。

 

反応はきれいに割れました。

「マジか」「ひどい」と、そのまま受け取った人がいます。

「根拠見るまで噂と捉えよう」「またぱちこいてんのか」と、頭から疑った人もいました。

そして目についたのが「誰のこと?濁さないで教えて」という書き込み。

読んだ人の多くは、何が起きたのかも、誰の話なのかも掴めていないということ。

 

そこへ、別の種類の書き込みが混ざってきます。

「動画消されてましたね。保存した方いますか?」

消えたものを、誰かが持っていないかと探す声。

Xのトレンドに載ったときの説明も「詳細不明」のままで、何が起きたのかは書かれていませんでした。

トレンドに載るほど見られているのに、確かめられたことは一行も足されていかない状態です。

 

一方、番組の公式アカウントは、この日の21時すぎに新しい回の告知を出しています。

騒ぎのおよそ1時間後です。

とはいえ配信は毎週決まった時間なので、前もって予約してあった投稿だと考えるほうが自然でしょう。

そして10日になっても、番組からも溝口勇児からも、この件への言及はありません


暴露も予告も同じ場所から出ていた

日付の順に並べ直すと、こうなります。

  • 6月28日、溝口勇児が「某暴露系アカウントから脅されている」と説明してランウェイを中止した
  • 7月15日、すふたんの話を広めたのも、暴露系のアカウントだった
  • 9月9日、「予告」の4行を出したのも、同じアカウントだった

つまり6月の終わりから今日まで、この番組をめぐって何かを言っているのは、ほぼその1か所だけなんです。

 

これが、7月の暴露がいま読み返されている本当の理由だと思います。

中身が予言みたいに当たっていたから、ではありません。

7月の投稿以外に、読めるものが無いからです。

 

大手が1本も書いておらず、番組の側も答えていないので、突き合わせる相手も反論も出てきません

これは、教室で片方の言い分しか聞かないまま話がまとまっていくのと同じ形。

言っていることが正しいかどうかではなく、ほかの声が入ってこないほうが効いています。

残っているのが1本しかなければ、その1本が正しく見えてくる。

これは書いた人が優れているという話ではなく、比べる相手がいないだけの話でして。

だから7月の投稿を読むときは、書いてあることと、書いていないことを分けておきたいところ。

書いてあるのは、すふたん側から見た現場の様子。

書いていないのは、運営の言い分と、9日の夜に本当は何があったのかです。


報道が1行も書かない理由

これだけ人が見ているのに、新聞もテレビも1行も書きません。

サボっているわけではないんです。

 

厚生労働省のサイトに「メディア関係者の方へ」というページがあって、そこに自殺報道ガイドラインと呼ばれるものが置かれています。

もとを作ったのは世界保健機関、つまりWHO。

日本語訳を出しているのは、いのち支える自殺対策推進センターという厚生労働大臣の指定法人です。

海外から降ってきた話ではなく、日本でも何度もお願いされてきています。

 

いちばん新しい2023年版には、「してはいけないこと」が8つ並んでいました。

  • トップニュースとして扱ったり、報道を漫然と繰り返したりしない
  • 自殺の手段を描写しない
  • 場所の詳細な情報を伝えない
  • センセーショナルな言葉やコンテンツを使用しない
  • 原因を単純化したり、一つの要因に決めつけたりしない
  • 見出しにセンセーショナルな言葉を使わない
  • 関連画像や動画、SNSリンクを使用しない
  • 遺書の詳細を報じない

1つ目が、そのまま答えになっています。

確認が取れていない段階で大きく扱わない、というのが最初の約束。

書かないのではなく、急いで書かないという決まりなんです。

 

そして読む側にいちばん効くのが、5つ目のほう。

原因を一つの要因に決めつけない、という一行です。

7月の投稿と9日の夜を線で結びたくなる気持ちは、たぶん誰にでも出てきます。

けれど、7月と9日の夜を結んでいい材料は、いまどこにも出ていません

 

この手引きには「するべきこと」も6つあって、その1番目に置かれているのが、助けを求める方法について正しい情報を提供すること。

禁止事項の集まりに見えて、いちばん先に書いてあるのは、どこへ相談すればいいかを載せなさいという一行でした。

 

この記事で名前も方法も出していないのは、上の8つを読んだからです。

生活の言葉に直すと、たぶんこの2つ。

  • 消えた動画を探しにいかない
  • 確かめないまま、そのまま流さない

それだけで、8つのうちの半分は守れます。

 

このニュースを見て、自分のほうがしんどくなった人のために番号を置いておきますね。

#いのちSOS(0120-061-338)は24時間つながります。

よりそいホットライン(0120-279-338)も24時間。

昼間なら、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)という窓口も。

どれも通話料はかかりません。

 

確かめたくなる気持ちそのものは、責められるようなものではないと思います。

ただ、いま手元にあるのは7月の投稿1本だけ。

そこに書いていないことまで読み取らないまま、続報を待ちたいところですね。

ラストコールの予告投稿が拡散…自殺報道ガイドラインをわかりやすく解説「これ誰のことなん」 2026年9月9日の夜、そう書き込む人が次々に現れました。 きっかけは、ネットに流れてきた4行の「予告」です。...