映画ちいかわの「応援上映」に行ってみたいけれど、客席で声を出すのはちょっと恥ずかしい。

そう迷っている声が、いまネットで目につきます。

きっかけは、応援上映に行ってきた人たちの報告でした。

客席は大人ばかりで、セリフも歌も丸暗記している人がそろっていたそうです。

掛け声に拍手、合唱にペンライトと、まるでライブ会場のような夜だったとのこと。

楽しそう、行ってみたい、という声が並んだ一方で、まったく逆の反応も出ていました。

「応援上映だけは共感性羞恥で死にかける」

声を出すのが苦手な人は、そもそも行ってはいけない回なのでしょうか。

しかも10月2日に開かれる第2回の応援上映は、チケットの発売が9月25日の0時から。

今回は、声を出すのが恥ずかしい人でも応援上映に行っていいのかを、公式の決まりからわかりやすく解説していきたいと思います。


5回目の人が集まる夜の上映

応援上映というのは、上映中に声を出したり、ペンライトを振ったりしてよい特別な回のことです。

ふだんの映画館では、上映中のおしゃべりはマナー違反ですよね。

ところが映画ちいかわでは、その逆をやってよい回が公式に用意されました。

発表は2026年8月24日で、映画の大ヒットを記念して2種類の応援上映が決まったとのこと。

1回目の「なんとかなれーッ!発声可能応援上映」は、9月11日の金曜19時から開かれています。

2つ目の「自動制御ペンライト演出付き応援上映」は、9月23日の祝日の夜7時からでした。

どちらも全国5都道府県7劇場で、同じ時刻に一斉に始まる回です。

 

自動制御ペンライトというのは、映画の音に反応して、キャラクターの登場や活躍に合わせて色が勝手に変わっていくペンライトのこと。

行った人からは「めちゃくちゃ綺麗だった」「点滅もするのすごい」という感想も上がっていました。

 

話題になったのは、その9月23日の回に行った人たちの報告です。

ネットには、この日が5回目の鑑賞だったという人の話も流れてきました。

何度も通っている人が多ければ、セリフも歌も頭に入っていて、掛け声の息もそろってくる。

中でもいちばん受けていたのは「今から回想入ります」という掛け声だったそうです。

回想シーンが始まる直前に、客席から先回りして知らせてしまう。

想像しただけで笑ってしまいますよね。

ただ、その同じ光景を思い浮かべただけで、背中がむずむずしてくる人もいるようです。


公式が決めたのはNGと例だけ

では、応援上映なら何をしてもいいのでしょうか。

公式サイトが2026年9月4日に出した「応援上映の楽しみ方」というページに、決まりがまとめてあります。

公式のXには、同じ日に「心得ムービー」という動画も出ていました。

はっきりNGとされているのは、次の3つ。

  • クラッカーや笛などの鳴り物を使う
  • 立ち上がって応援する
  • 周りの人の迷惑になる

注意事項にはもう少し細かい項目も並んでいて、応援グッズは肩より上に掲げずに胸の高さにとどめること、公序良俗に反する発言、つまり人を傷つけるようなひどい言葉を叫ばないこと、上映中の撮影や録音をしないこと、などが書かれています。

帽子やカチューシャは後ろの人の視界をふさがないように、という注意もありました。

コスプレでの参加もできますが、劇場やまわりの施設での着替えは控えるように、という決まり。

お客さん同士で連絡先の交換を無理に迫るのもやめてほしい、と書かれています。

スタッフの声かけに従わなければ退場になり、その場合チケット代は返ってきません。

迷惑な行為があまりに多ければ、上映そのものを中止することもある、とまで書いてありました。

あわせて、ネタバレには気をつけてほしい、というお願いも入っています。

 

どう応援するかの部分は、全部が「例」として並んでいる形。

  • 登場するキャラクターの名前を呼ぶ
  • 危険なシーンが出てきたら知らせてあげる
  • 歌のシーンで一緒に歌う、合いの手を入れる、手拍子をする
  • 「今日の日はさようなら」をみんなで合唱する
  • クライマックスでみんなで「なんとかなれー!」と叫ぶ

さらに、事前にサントラを聞いて予習してくるのもおすすめだそうです。

ペンライトの色も、目安が画像で示されています。

そして最後は「思い思いの楽しみ方でぜひご覧ください!」の一文で結んでありました。

 

公式は、してはいけないことは細かく決めてあるのに、何を叫ぶかは決めていません。

つまり、例はいくつも並んでいても、このセリフをこの場面で、という台本までは無いんです。

だから客席では、公式の例にない掛け声が次々に生まれます。

ネットにも「映画内の声が少ない分応援上映面白そう」という声がありました。

スクリーンの側が静かなぶん、客席の声が入り込むすき間も大きいのかもしれません。

 

「今から回想入ります」も、そうして生まれたひとつです。

うまくはまれば、会場じゅうが笑いに包まれる。

ただ、同じ回にいた人からは、笑わせようとする掛け声がきつかったという声も出ていました。

前回の応援上映にも面白くない大喜利のような掛け声があった、と書いている人もいます。

 

公式が空けておいた場所を、その日の客が自分の声で埋めていく。

応援上映は、声を出す人のための回に見えて、何を言うかを客に預けている回なんですよね。

ウケるかすべるかがその場で決まってしまうのも、この作りから来ていると思います。


叫びたい一言だけ叫べばいい

共感性羞恥というのは、誰かが恥ずかしい思いをしている場面を見て、自分まで恥ずかしくなってしまう感覚のことです。

応援上映が苦手だという人は、自分が叫ぶことより、大人たちが声をそろえている客席そのものを思い浮かべて身がすくむのかもしれません。

身がすくむという感じ方は、ごくふつうのものだと思います。

楽しそうだと言っている人でさえ、「声出すのはちいちゃんみたく勇気いるけど」と前置きしていました。

 

では、苦手な人は行かないほうがいいのでしょうか。

公式の注意事項には、たしかにこう書いてあります。

「静かに作品を鑑賞されたい方には不向きな上映となります」

静かに観たい人に向いていない、という断りは入っています。

それでも、声を出さなければ入れないとは、どこにも書かれていません。

声を出さずにペンライトを振っているだけでも、その夜の客のひとり。

 

実際、行った人の報告にも、そういう客の姿が出てきます。

積極的に声は上げないけれど、掛け声にクスクス笑ったり、全員で大きな声を出すところだけ小さな声で合わせたり、うれしそうにペンライトを振ったりしている人が近くに何人かいた、という話です。

ネットには、こんな声もありました。

声をそろえるのは苦手でも、この一言だけは言いたい。

全部に参加しなくていいと分かれば、応援上映の入り口はぐっと低くなります。

 

応援上映は何回か観た人向けなのか、と迷っている人もいました。

初回なので声なしの回を選びたい、という声もあります。

公式が書いているのは、ネタバレに配慮してほしいことと、サントラで予習してくるとよいことの2つだけで、何回目から来るようにとは書いていません。

話の筋を知らないまま大勢の声の中で観るより、一度ふつうの回で観てから行くほうが落ち着いて楽しめる、というのは確かにありそうです。

 

子どもを連れて行きたい、という声も見かけました。

ふだんの回ではしゃべりたいのを我慢して、2回とも頑張って観ていた娘を、応援上映に連れて行ってあげたいというのです。

小さい子にとっては、声を出していい映画館というだけで、ちょっとしたごほうびかもしれません。

ただし10月2日の回は夜7時からなので、終わる時刻は上映スケジュールで確かめておくと安心です。

 

反対に、友達と小声で感想を話しながら観たいけれど、大きな声はいやだという人もいます。

小声ならいいという中くらいの回は、いまのところ用意されていません。

大きな声がどうしても苦手なら、ふつうの回を選ぶのがいちばん確実です。


次は10月2日の夜7時から

応援上映の第2回は、2026年9月17日に発表されました。

声を出せる通常版の2回目は、10月2日の金曜19時から始まります。

会場は8都道府県12劇場に広がり、前回は無かった仙台・渋谷・横浜・なんば・広島が加わりました。

  • 北海道:TOHOシネマズすすきの
  • 宮城:TOHOシネマズ仙台
  • 東京:TOHOシネマズ日比谷/新宿/池袋/渋谷
  • 神奈川:T・ジョイ横浜
  • 愛知:TOHOシネマズ名古屋栄
  • 大阪:TOHOシネマズ梅田/なんば
  • 広島:広島バルト11
  • 福岡:TOHOシネマズ天神

チケットは9月25日の0時、つまり9月24日の24時から、それぞれの劇場のホームページで売り出されます。

会員向けの先行販売の対象にはなっていないので、全員が同じ時刻からのよーいドン。

だから、取るつもりなら、ふだん使っている劇場のサイトやアプリに、前もってログインしておくと慌てずに済みます。

 

ペンライト演出付きの2回目は、10月16日の金曜19時と、17日の土曜・18日の日曜の16時からで、3日間続けての開催とのこと。

なお、こちらは前回と同じ5都道府県7劇場で、チケットは10月9日の0時に売り出されます。

自動制御ペンライトは公式のリンクから前もって買えるほか、当日に劇場でも売られますが、数にはかぎりがあると書かれていました。

もちろん、持っていなくても入場できて、市販のペンライトを持ち込むこともできます。

音に合わせて色が変わっているあいだは、手元のボタンで色を切り替えることはできません。

本体を激しく振ったり、持ち手の裏の通気口をふさいだりすると、うまく反応しないこともあるそうです。

ひとつ気をつけたいのは、光の点滅が続く演出が入っていること。

光に敏感な人は、行く前に頭に入れておいてくださいね。

 

初めて行くなら、公式の例の中から、自分でも言えそうな一言をひとつだけ決めておくと気が楽になります。

キャラクターの名前を呼ぶ、昆布に巻かれる場面で「いーやーだ」と声を出す、最後に「なんとかなれー」と叫ぶ。

どれも公式がすすめている掛け声なので、周りとも声がそろいやすいはずです。

サントラを聞いて予習しておけば、歌の場面で置いていかれる心配も減ります。

 

客席の大喜利がウケるかすべるかは、その日に集まった客しだいで、行ってみるまで分かりません。

それでも、黙ってペンライトを振っている人も、隣でクスクス笑っている人も、同じ回の客として同じ席に座っています。

叫びたい一言がひとつ見つかったら、10月2日の夜は、それを持って映画館へ出かけてみてくださいね。