2026年9月27日の『世界の果てまでイッテQ!』、舞台はイタリアのピサ。

ヘルメットに仮面をつけた人物が、「マグネット仮面です」と名乗り出ました。

正体は、タレントのベッキー。

10年ぶりのイッテQ出演でした。

食事の席でベッキーが涙をこぼすと、隣のお笑い芸人・宮川大輔まで、タオルをかぶって泣き出してしまいます。

なぜか宮川まで泣いている、とネットでは笑いまじりに話題になりました。

ただ、あの涙には、ちゃんと理由があったんです。

今回は、ベッキーがなぜ10年も出られなかったのか、そして宮川大輔が号泣した理由を、初めて知る人にも伝わるようにわかりやすく解説していきたいと思います。


ピサに現れたマグネット仮面の正体

この日はスペシャル放送で、メンバーがたすきをつなぎながら世界遺産を巡る「世界遺産駅伝」という企画でした。

イタリアのピサで宮川大輔から、番組MCで「ウッチャンナンチャン」の内村光良へたすきが渡されると、内村が「紹介したい人がいる」と言い、ヘルメットに仮面姿の人物が現れたそうです。

「マグネット仮面です」と名乗っても、宮川は「隠れてないやん、ええ~~!うそやん!」と即座に見破りました。

 

仮面の意味を知ると、この場面はぐっと味わい深くなります。

2009年、内村・宮川・ベッキーの3人は、この番組で「イッテQ!マグネット同好会」を結成していたとのこと。

しかもイタリアは、その同好会の思い出の地なんだとか。

内村はベッキーを「マグネット同好会の思い出の中で生きている妖精なんです」と紹介したと報じられています。

昔の同好会の思い出をそのまま使って、本人を番組へ迎え入れる演出でした。

番組がこの再会をどれだけ丁寧に用意していたかが伝わってきますね。

 

3人はピサとフィレンツェを見学し、美術館では仮面が許可されなかったため、ベッキーは素顔に戻りました。

内村は「やっぱり、この3人だなと思いました」と話していたそうです。

そして、ロケ(スタジオの外での撮影)終わりのレストランでは、同好会にかけた「マグネット同窓会」が開かれました。

 

宮川に「ドキドキはしてた?」と聞かれたベッキーは、「日本からドキドキはしていました」と答えています。

迎えた内村も「だからあんまり寝ていないの。寝られなかったのもあるけど、いろいろ考えるのよ、久しぶりだなと思って」と打ち明けていたとか。

迎える側まで眠れなかったというのが、なんだか微笑ましいところです。

内村が「途中、“内村さん”ってスッとフラットに呼んでくれたのが良かったですよ。懐かしかったね」と言った瞬間、ベッキーは涙をこらえきれなくなったとのこと。

レギュラーだったころと同じ調子で、構えずに呼ばれたことが、内村にはうれしかったようです。

内村は「違う違う、なんで?そういうのじゃない」と慌てますが、横の宮川も号泣。

タオルをかぶりながら「俺が泣いてもいいじゃないですか」と泣き続けたそうで、なんとも宮川らしい一幕でした。


ベッキーが10年も出られなかったわけ

放送を見て、「そもそも何で10年も出られなかったの?」と首をかしげた人もいたはずです。

10年前のことなので、細かい経緯までは覚えていなくて当然ですよね。

ベッキーは番組の初期からのレギュラーでした。

ところが2016年1月、既婚だったロックバンドのボーカルとの交際が週刊誌で報じられ、1月30日から芸能活動を休業します。

同じ年の5月13日、『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』で騒動を謝罪し、およそ3か月半でテレビには戻ってきました。

その後は2018年に結婚し、いまは2人の子どもの母。

ほかの番組やドラマには出ていて、日本テレビのドラマ『大病院占拠』にも2023年に出演していたと報じられています。

それでも、イッテQだけは戻りませんでした。

 

気になるその理由ですが、番組も局も、出なかったわけを表で説明したことは見当たりません。

週刊誌の記事では、家族で見る日曜夜の番組なので、不倫という騒動の中身からして戻るハードルが高い、と見る芸能記者の声が紹介されていました。

あくまで外からの推測で、答え合わせはされていないもの。

同じように番組を離れた元NEWSの手越祐也の場合、きっかけはコロナ禍の緊急事態宣言中の飲み会でした。

手越は2024年からロケに出るようになり、2026年4月にはスタジオにも戻りましたが、そのときには「手越は戻って来れたけどベッキーは戻って来れないのよねえ」という声まで出ていたそうです。

 

そのあいだも、戻ってくる日を待っていた人は、ずっといました。

2016年5月の時点で、すでに「イッテQ復帰も近いのでは!?」という投稿が出ていたほど。

2019年11月には、番組が生放送をすると知った人が、その理由を予想した投稿にこんな一行も。

本命でも大穴でもなく、「対抗」。

「対抗」は競馬の予想で使う言葉で、本命の次に来そうな2番手のこと。

来てもおかしくないのに、なかなか来ない存在。

その微妙な位置に、ベッキーは長く置かれていました。


宮川大輔が1年半前にかけた一言

では、なぜ今回だったのでしょうか。

それを解くかぎは、同窓会の席でベッキー本人が明かした話の中に。

1年半ほど前、ベッキーは宮川と別の番組で共演したそうで、そのとき本番前に「ちょっとベッキー来て」と呼ばれました。

行ってみると、宮川はこう言ったといいます。

「内村さんと俺は、ベッキーがイッテQ!に出ること諦めてへんから」

「諦めてへん」は、関西の言葉で「諦めていない」。

番組に戻れる見込みがまだ何もない時期に、宮川は先に、待っていると伝えていました。

 

ベッキーはこの言葉を、お守りのように持っていたと話しています。

そして「本当に皆さんのおかげで今回出られた」と頭を下げました。

この話を聞くと、宮川の涙の意味がはっきりしますよね。

あれは、久しぶりの再会に感動した涙というより、1年半前に自分が口にした約束が本当になった瞬間の涙だったのだと思います。

「なぜか」どころか、いちばん泣いていい人が泣いていたんです。

 

もうひとつ見逃せないのは、宮川の言葉が「内村さんと俺は」と2人を主語にしていたこと。

そして放送では、その内村が自分で「紹介したい人がいる」と言って、ベッキーを呼び込んでいます。

約束の言葉に名前があった2人が、そろって迎える側に立っていました。

 

放送のあと、ベッキー本人もこう伝えています。

最後に添えられたのは、磁石と仮面の絵文字でした。

マグネット仮面として帰ってきた日を、本人も大事にしているのが伝わってきますね。

見逃した人向けには、無料の動画配信サービス「TVer」で見逃し配信があると、ベッキーのスタッフのアカウントが案内していました。


手越祐也のときも宮川は泣いていた

宮川は、前にもまったく同じように泣いています。

2024年10月13日の放送で、元NEWSの手越祐也がおよそ4年ぶりにイッテQへ戻ってきたときも、宮川は号泣していました。

手越は2020年に活動を自粛して所属事務所を離れ、番組からも姿を消していた人です。

 

その復帰回の舞台も、イタリアでした。

内村と宮川が大きな虫取り網で手越を「捕獲」し、ハグを交わした瞬間、宮川は感極まって男泣きしたと報じられています。

当時の報道には「おかえり」と声をかけられると「なぜか宮川が号泣した」と書かれていて、今回とまったく同じ言われ方をしていました。

手越が「ただいま、大輔さん」と言うと、宮川は「おかえり。ありがとう、ありがとう……みんなやで」と返したそうです。

手越自身も「『イッテQ!』という番組と、出演者の皆さん、スタッフの皆さんは家族だと僕はずっと思ってて」と話していました。

 

しかもこの回にも、前もって交わした約束が。

手越によると、宮川がタイの祭りの企画で訪れていたとき、プライベートで滞在していた手越とバンコクで顔を合わせたとのこと。

そこで宮川は「次、手越くんと会うときははっぴを着て、内村さんとともに3人で『わっしょい』って言って手越くんを必ず俺は迎えに行くから」と伝えていたといいます。

ここでも「内村さんとともに」と、内村の名前が入っていました。

並べてみると、2つの復帰は驚くほど同じ形。

  • 舞台はどちらもイタリア
  • 迎えたのは内村と宮川の2人
  • その前に宮川が本人へ、内村と2人で迎えるつもりだと伝えていた
  • 帰ってきた瞬間、宮川が泣いた

帰ってきた日は2回とも、待っていると伝えていた人が、その言葉どおりに迎えた日でした。


テレビの復帰は誰が決めるのか

騒動のあとで芸能人がテレビに戻るとき、つい「世間が許したから戻れた」と受け取りがちですよね。

でも、イッテQの2つの例を見るかぎり、実際の動き方は少し違いそうです。

手越の復帰が予告された翌日の2024年9月30日、日本テレビの社長は定例会見で「本人と番組担当者が話をして当時のことについて反省もされていたことも確認した上で、久しぶりにまず1回出演していただくことにした」と説明しました。

社長が挙げた決め手は、本人と番組担当者の話し合い。

そして「まず1回」という言い方からは、いきなり元の席へ戻さず、少しずつ扉を開けていく考え方が読み取れるはずです。

実際、手越は2025年9月の放送でも中国・桂林で鵜飼いのロケに挑み、2026年4月12日の放送でようやく約6年ぶりにスタジオへ戻っています。

 

そのスタジオ復帰の回で、手越は宮川から「2代目お祭り男」として指名されました。

スタジオへの扉を開けたのも、やはり宮川。

今回のベッキーはロケでの出演で、局としての説明はまだ見当たりません。

 

もちろん、戻ってきたことを素直に喜べない人もいるはずです。

ネットには「相手の奥さんが可哀想すぎた」という声もありましたし、そう感じるのも自然なことだと思います。

逆に、こんな問いを投げかけた人もいました。

画面の外から、どちらかに決着をつける必要はないのでしょう。

10年を埋めたのは、世間の許しより先に、隣の席を空けて待っていた2人だったのだと思います。

次にスタジオの扉が開く日が来るのか、共に楽しみに待ちたいところですね。