2026年2月、政界に激震が走りました。
高市早苗首相が自民党の衆院議員315人全員に、1人あたり約3万4000円(税込)のカタログギフトを配っていたというのです。
総額にして約950万円から1070万円。
「え、それって買収じゃないの?」と思った方も多いのではないでしょうか。
ところが高市首相は国会で「法令上問題ない」と堂々と答弁しています。
違法じゃないのに、なぜこれほど批判されているのか。
そこには「法律と倫理のあいだ」という、なんとも厄介な問題が横たわっているわけです。
物価高で家計がカツカツの私たちからすれば、1000万円近いギフト配布なんて別世界の話に聞こえます。
でも政治家の世界では「永田町の慣習」として当たり前のことらしい。
この感覚のズレこそが、今回の問題の本質なのかもしれません。
2026年2月26日朝現在、Xでは批判投稿が急増中。
「嘘吐き高市早苗」というハッシュタグが広がり、庶民感覚のずれを指摘する声が目立っています。
今回は、このカタログギフト問題について、何が起きたのか、なぜ批判されているのか、そしてギフトの中身まで、徹底的に掘り下げていきたいと思います。
目次
高市早苗のカタログギフト配布の概要
高市早苗が1人3万円、計315人に配ったカタログギフトがこれ❗️
松阪牛、山形牛もあるよ❗️ pic.twitter.com/JoaK2f10Es
— 勇気🇯🇵🎌 (@iloveyoulove777) February 25, 2026
まずは事実関係を整理しておきましょう。
2026年2月24日、文春オンラインが報じた。
高市早苗首相の事務所が、2025年10月の衆議院選挙で当選した自民党の衆院議員315人に対して、カタログギフトを配布していたというのです。
配布されたのは2026年2月中旬のこと。
国会内の議員事務所に直接届けられ、なかには高市氏の実弟である政策秘書が手渡しで届けたケースもあったようです。
ギフトには「御祝 高市早苗」と書かれた熨斗(のし)紙がつけられていました。
金額は1人あたり約3万4000円(税込)。
315人分ですから、総額は約950万円から1070万円になります。
これだけの金額を一度に配るとなると、当然「お金はどこから出たの?」という疑問が湧いてきますよね。
高市首相の説明によると、原資は彼女が支部長を務める「奈良県第二選挙区支部」の政治資金から支出したとのこと。
政党交付金は使っていないと、自身のXアカウントでも釈明しています。
目的については「厳しい選挙を勝ち抜いた当選への労いと、今後の活動支援」だと説明しました。
翌25日の参議院本会議では、立憲民主党の田名部匡代幹事長がこの問題を追及。
高市首相は「法令上問題ないと認識している」と繰り返し答弁しました。
テレビ中継では、木原稔官房長官が高市首相に耳打ちする場面も映し出され、緊迫した空気。
あの映像を覚えている方もいるのではないでしょうか。
ここで思い出しておきたいのが、2025年3月に発覚した石破茂前首相の商品券配布問題です。
石破氏は新人議員15人に10万円相当の商品券を配り、批判を浴びました。
あのときは「政治資金規正法違反の疑いがある」とまで言われ、石破氏は謝罪に追い込まれています。
ところが高市氏の場合、規模は石破氏の6倍以上にもかかわらず「法的に問題なし」とされているのです。
この違いはどこにあるのか。
それが、今回の問題を理解するうえでの重要なポイントになってきます。
自民党内の反応も分かれているようです。
ベテラン議員からは「永田町では昔からある慣習だ。お中元やお歳暮と何が違うのか」という擁護の声が上がる一方、若手議員のなかには「受け取りを拒否すべきだったのでは」と困惑する声もあるとか。
ギフトを受け取った議員の一人は文春の取材に対し、「石破商品券問題を思い出して、正直気まずかった」と本音を漏らしていました。
野党は当然ながら攻勢を強めています。
中道改革連合の小川淳也代表は「ギフトばらまきは古い自民体質の象徴だ」と批判。
今後の予算委員会でもこの問題が追及される見通しです。
高市早苗のギフトは違法?批判される理由5選
では、なぜ高市氏のカタログギフトは「違法ではない」とされているのでしょうか。
そして、違法でないのになぜこれほど批判されているのか。
この2つの疑問に答えていきましょう。
政治資金規正法という法律があります。
この法律の第21条の2項では、個人から公職の候補者への金銭や有価証券(商品券なども含む)の寄付を禁止しています。
石破氏の商品券が問題になったのは、まさにこの規定に引っかかる可能性があったからなのです。
しかし、カタログギフトは「物品」であり、金銭でも有価証券でもありません。
しかも高市氏は個人としてではなく、政党支部を経由して配布したと主張しています。
政党支部から議員個人への寄付は、法律上認められているのです。
つまり「法の網をすり抜けた」と言えばいいでしょうか。
弁護士の辻野篤郎氏も「政党支部経由で、かつ金銭・有価証券以外の物品であれば、規制の対象外になる」と解説しています。
法律の条文だけを見れば、確かにセーフなのです。
でも、だからといって「じゃあ問題ないね」とはならないのが世間の感覚というもの。
高市首相が国会で「法令上問題ない」と繰り返せば繰り返すほど、かえって反発が強まっていったように見えます。
Yahoo!ニュースのコメント欄では「誠実さが足りない」という指摘に60%以上の支持が集まりました。
法律は最低限のルールに過ぎません。
「違法じゃなければ何をやってもいい」という態度が、政治家への信頼を損なわせているのではないでしょうか。
専門家からも厳しい指摘が相次いでいます。
日本大学の岩井奉信名誉教授は「法律の抜け道を使っているだけで、贈答文化の弊害が見える」と批判。
法政大学の白鳥浩教授も「支部名義で送るべきだったのに、個人名を使ったのは問題がある」と疑問を呈しています。
では具体的に、何が批判されているのか。
主な理由を5つに整理してみました。
①物価高で苦しむ庶民感覚とのズレ
2026年現在、私たちの生活はどうでしょうか。
スーパーに行けば、卵も野菜も肉も、軒並み値上がりしています。
消費者物価指数は前年比3%超の上昇。
給料は上がらないのに物価だけが上がり続け、家計のやりくりに頭を悩ませている人は少なくないはずです。
そんななか、総額約950万円から1070万円のカタログギフト配布というニュースを聞いて、どう感じるでしょうか。
一般的なお祝いの相場を考えてみましょう。
結婚祝いでも1万円から3万円程度、内祝いなら5000円くらいが相場です。
つまり3万円超のカタログギフトというのは、かなり高額な部類に入ります。
それを315人分、ポンと配れてしまう感覚。
これが「庶民感覚とのズレ」として批判されているのです。
法政大学の白鳥教授は「政治資金の7割は税金由来の政党交付金だ。たとえ今回の原資が交付金でなくても、国民が政治家の金銭感覚に敏感になるのは当然のこと」と指摘しています。
Xでも「石破はセーフで高市はアウトという整合性のなさより、そもそも庶民の神経を逆なでしている」という投稿が共感を集めていました。
コメンテーターの玉川徹氏も「物価高が続いているこの時期に、よくもまあ」と呆れた様子でコメント。
正直、この感覚のズレには私も驚かされました。
②「のし」に名前を出す売名行為
今回の問題で、多くの人が引っかかったのが「のし紙」の存在ではないでしょうか。
高市首相は「政党支部から寄付した」と説明しています。
でも、ギフトについていたのし紙には「御祝 高市早苗」と個人名が書かれていました。
支部名ではなく、個人名なのです。
これって、ちょっとおかしくないですか?
「支部のお金で買ったけど、贈り主は私です」というメッセージにも見えます。
実際、Xでは「のしに高市早苗と書いて支部からの贈り物? それって結局、個人の売名行為では」という指摘が目立ちました。
文春オンラインの取材では、今回のギフト配布が「高市チルドレン」を増やすための党内基盤固めではないかという分析もされています。
衆院選で初当選した議員は66人。
彼らに恩を売っておけば、今後の党内政治で有利に働くかもしれない。
そんな打算が透けて見えると批判されているのです。
岩井教授も「個人名義で配布するのは、支部経由という建前を台無しにしている」と手厳しい評価。
弁護士の紀藤正樹氏に至っては「こうした虚礼はやめるべきだ」とバッサリ切り捨てました。
③過去の不祥事から反省が見えない点
高市首相にとって、「政治と金」の問題はこれが初めてではありません。
2025年12月には、奈良県第二選挙区支部が寄付の上限額(1000万円)を超える献金を受けていたことが発覚しました。
このとき高市氏は「支部への献金であって、高市個人への献金ではない」と釈明していたのです。
ところが今回は、支部のお金を使って個人名でギフトを配っている。
「あれ? 支部と個人は別物じゃなかったの?」というツッコミが入るのは当然でしょう。
過去には統一教会関連団体に挨拶状を送っていた問題や、総務省の内部文書をめぐる疑惑も取り沙汰されてきました。
そのたびに「説明不足だ」「誠実さが足りない」と批判されてきた経緯があります。
中道改革連合の小川淳也代表は「古い自民党の体質がまったく変わっていない証拠だ」と指摘。
Yahoo!のコメント欄でも「懲りない人たちだ」という嘆きの声が多く見られました。
一度失った信頼を取り戻すのは容易ではないのに、また同じような問題を起こしてしまう。
この繰り返しに、国民は疲れ果てているのかもしれません。
④「法律の隙間」を突く不誠実な姿勢
今回の問題の核心は、ここにあると言ってもいいでしょう。
石破氏の商品券は「有価証券」に該当する可能性があり、問題視されました。
では、カタログギフトはどうか。
カタログギフトは厳密には「物品」であり、有価証券には当たりません。
だから法律上はセーフ。
これが高市陣営の理屈です。
でも、ちょっと待ってください。
カタログギフトって、実質的には商品券とほとんど変わらないのではないでしょうか。
好きな商品を選べるわけですから、現金に近い性質を持っています。
法政大学の白鳥教授も「有価証券に近い換金性がある」と指摘しているとおりです。
岩井教授は「グレーゾーンを突いているだけで、国民から見れば金銭的価値は変わらない」と述べています。
法律の条文を形式的にクリアしていても、その精神や趣旨を踏みにじっているのではないか。
そんな疑念が、不誠実さへの批判につながっているのです。
維新の会の吉村洋文代表も「合法かもしれないが、だからといって説明責任がなくなるわけではない」とコメント。
法律を守っていれば何でも許されるわけではない、という当たり前のことを、改めて問われている局面だと言えるでしょう。
⑤説明が「法令上問題ない」の一点張り
国会での高市首相の答弁を見ていて、もどかしく感じた人は多かったのではないでしょうか。
「法令上問題ないと認識している」
この一点張りなのです。
立憲民主党の田名部幹事長は「総額はいくらなのか、原資は何なのか、目的は何なのか、きちんと説明してほしい」と迫りました。
でも、明確な回答は得られませんでした。
「問題ない」と言うだけでは、説明になっていません。
なぜ問題ないのか、原資の詳細はどうなっているのか、企業献金が混じっていないのか。
こうした疑問に一つひとつ答えてこそ、説明責任を果たしたことになるはずです。
尾崎正直官房副長官は「国民の理解が得られるよう、丁寧に説明を重ねていく」と述べましたが、具体的な追加説明はまだありません。
Xでは「支部名がないのに支部からの寄付? 説明が破綻している」という厳しい声も上がっています。
高市首相はXで「政党交付金は一切使用せず」と追加釈明したものの、原資の詳細は依然として不明。
これがさらに不信を招いている状況です。
紀藤弁護士は「こうした問題が起きるたびに『合法だから問題ない』で終わらせるのではなく、法改正で明確に禁止すべきだ」と提言しています。
政治家の側に自浄作用が期待できないのであれば、ルールそのものを変えるしかないのかもしれません。
高市早苗のカタログギフトの中身は?
ここまで問題の背景や批判の理由を見てきましたが、実際に配られたカタログギフトの中身も気になるところです。
報道によると、配布されたのは近鉄百貨店のカタログギフト。
1冊あたりの価格は約3万4000円(税込)とされています。
朝日新聞の取材でこの金額が確認されました。
では、このカタログで何が選べるのか。
報じられている品物をいくつか挙げてみましょう。
まず目を引くのは「大きな露天風呂付きペア宿泊券」。
高級旅館での宿泊体験ができるというものです。
2026年現在、宿泊費は前年比で10%以上値上がりしていますから、3万円相当の宿泊券はかなりの贅沢品と言えるでしょう。
次に「とらふぐ料理セット」。
ふぐといえば高級食材の代名詞。
てっさやてっちりが家庭で楽しめるセットのようです。
フグの価格も高騰が続いており、庶民にはなかなか手が出ない品物になっています。
そして「牛ヒレ肉味噌漬け」。
プレミアムな和牛のヒレ肉を特製味噌で漬け込んだ逸品です。
牛肉の価格は前年比で15%以上上昇しており、スーパーで国産牛を買うのもためらわれる昨今、牛ヒレとなればなおさら高嶺の花。
他にも、高級フルーツの詰め合わせや、ワイン、調理器具など、多岐にわたる品物がラインナップされているとのこと。
どれを選んでも「ちょっとした贅沢」を味わえる内容になっているようです。
さて、3万4000円という金額を改めて考えてみましょう。
一般的なカタログギフトの相場を調べてみると、楽天市場などでは平均1万円前後。
3万円超のカタログギフトは、上位10%に入る高額商品です。
結婚式の引き出物でも、3万円のカタログギフトを贈ることは珍しいでしょう。
これを315人分、一気に配る。
庶民感覚からすれば「異次元の話」に聞こえても無理はありません。
Yahoo!のコメント欄では「高級牛や宿泊券が選べるなんて、物価高で買えない私たちからすれば夢の話だ」という声が寄せられていました。
YouTubeでは報道各社の解説動画がアップされ、ギフトの中身がビジュアル化されて紹介されています。
視聴者のコメントには「贅沢すぎる」「こんなの見せられても腹が立つだけ」といった反応が並んでいました。
もう一つ気になるのは、カタログギフトの「換金性」の問題です。
商品券であれば、金券ショップで現金化することも可能です。
カタログギフトは直接換金することは難しいものの、選んだ商品を売却すれば間接的に現金化できないこともありません。
白鳥教授が「有価証券に近い換金性がある」と指摘しているのは、このためでしょう。
法律では「金銭・有価証券」の寄付を禁じていますが、実質的に金銭に近い性質を持つ物品はグレーゾーンに置かれています。
今回の問題をきっかけに、この抜け道を塞ぐ法改正を求める声も出てきているようです。
結局のところ、高市首相のカタログギフト配布は「違法ではないが、倫理的には疑問が残る」というのが現時点での評価と言えそうです。
法律は万能ではありません。
すべての行為を禁止したり許可したりすることはできないのです。
だからこそ、法律に書かれていない部分は、政治家自身のモラルや判断に委ねられることになります。
「法令上問題ない」という説明は、法律論としては正しいのかもしれません。
でも、それだけでは国民の納得は得られないでしょう。
なぜなら私たちは、政治家に対して法律を守ること以上のものを期待しているからです。
物価高で苦しむ国民がいる。
政治と金の問題が次々と発覚している。
そんな状況で、約950万円から1070万円のギフトを配るという判断が適切だったのかどうか。
この問いに対する答えは、皆さん一人ひとりの判断にお任せしたいと思います。
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