今年の5月に放送されたバラエティの3分間が、いまになって別の意味で読み直されています。

嵐の相葉雅紀が、timeleszのメンバーと1対1で話した場面です。

ネットでは、そのときの言葉が「人を見る目がすごい」という話としてぐるぐる回っていて。

 

「猪俣以外」「いちばん僕に興味なさそうだった」。

そこに、嵐で1人だけ最後まで菊池風磨に連絡先を教えなかった、という話まで並んで、相葉雅紀は最初から全部見抜いていた、という形にまとまりつつあります。

たしかに、並べると出来すぎに見えますよね。

ただ、放送の中身を順番にたどると、少し違う景色が出てくるんです。

今回は、相葉雅紀の「猪俣以外」発言が、なぜ人を見る目がすごいという話になったのか、その本当の理由を、放送と報道からわかりやすく解説していきたいと思います。


掘り返されているのは5月29日の放送

話の出どころは、2026年5月29日にフジテレビ系で放送された『タイムレスマン』です。

timeleszの冠番組で、この回はスペシャルゲストに相葉雅紀を迎えていました。

嵐が活動を終える5月31日の、2日前の放送。

メンバー8人全員とバラエティで一緒になるのは、この日が初めてだったそうです。

企画は「サシトーク」と呼ばれるもので、メンバーがそれぞれ「相葉先輩と話してみたいテーマ」をフリップに書き、相葉雅紀が気になるものから順に選んで、書いた本人と別室で2人きりで話す、という決まりでした。

1人あたりの持ち時間は3分間。

収録の都合で、後半のメンバーは1〜2分に縮んでいたと報じられています。

その最後の1枠が、timeleszのメンバーの猪俣周杜容疑者でした。

 

猪俣周杜容疑者は2026年9月19日に、知人女性への傷害の疑いで逮捕され、翌20日に送検されています。

「容疑者」というのは、疑いをかけられて捜査を受けている段階の呼び方で、有罪が決まった人を指す言葉ではありません。

本人は容疑を否認していて、事務所は謹慎と活動休止を発表しました。

この逮捕のあとで、春の3分間がもう一度掘り返されることに。

 

SmartFLASHは、ネットに「相葉ちゃん芸能界長いだけあって鋭いし勘が鋭い」「相葉くん、やっぱり人を見る目が鋭すぎる」といった声が上がっていると伝えました。

週刊女性PRIMEも、相葉雅紀の言葉が「全く響いてない」という見出しで、同じ場面を取り上げていて。

そして記事になったことで、放送を見ていなかった人のところにも、場面の一部だけが届くようになりました。


フリップは名前を伏せたまま選ばれていた

まず、言葉そのものは、本当に出ていたことが分かっています。

SmartFLASHと週刊女性PRIMEによると、猪俣周杜容疑者のテーマは「夜食を食べたり作るものは?」というものでした。

ほかのメンバーは、嵐として長く活動してきた相葉雅紀だからこそ聞きたいテーマを並べていて、そのなかでひとつだけ夜食の話だったとのこと。

たとえば、こんなテーマがありました。

  • グループでのけんか
  • グループのバランスの取り方
  • やっぱり嵐だなと思う瞬間(メンバーの寺西拓人)
  • 失敗したときに誰に相談するか(メンバーの篠塚大輝)

たしかに並べると、夜食はひとつだけ浮いて見えますね。

 

相葉雅紀はこれを最後に選び、「いちばん、僕に興味なさそうだった」と冗談まじりに言っています。

トークはあまり盛り上がらず、最後は「みんな、話しやすかった。猪俣くん以外」とまとめた、と報じられました。

週刊女性PRIMEは、この締めの一言を「といった趣旨のコメント」と書いていて、一字一句の再現ではないことを断っています。

SmartFLASHも、やんわりと苦言を呈していたのでは、と「考える人もいたようです」という書き方にとどめていました。

本人が何を思っていたかは、どの記事にも書かれていないんです。

ところが、この企画の選び方には、ひとつ決まりがありました。

オリコンの番組紹介には、フリップは無記名だったと書かれています。

相葉雅紀はテーマの中身だけを見て、相手を知らないまま指名していく。

ぶっつけ本番のフリートーク企画だったそうです。

 

つまり、夜食のフリップを最後に回した時点で、相葉雅紀はそれを誰が書いたのか知りませんでした。

「猪俣を見抜いて後回しにした」という読み方は、ここで一度つまずきます。

後回しになったのは人ではなく、夜食というテーマのほうだったんです。

しかも最後の枠は、収録の都合で時間が短くなっていた側にあたります。

 

「僕に興味なさそう」という言葉も、書いた人の顔を見る前に、テーマの字面から出たツッコミとして読むのが自然でしょう。

先輩と話せる貴重な3分に夜食の相談を持ってきた後輩に、笑いながら一本取った場面。

画面の中では、そういう温度のやりとりでした。


放送の夜は金言と呼ばれていた

では、その短い時間で相葉雅紀は何を話したのでしょうか。

週刊女性PRIMEによると、猪俣周杜容疑者は、深夜にカップラーメンのようなカロリーの高いものを食べてしまうと打ち明けて、アイドルとして何を食べればいいのかを聞いています。

相葉雅紀は自分の食生活を話したうえで、「お腹減ったときは我慢する?」と聞かれ、こう答えました。

「そういうことも我慢できないんだったら、いろんなこと我慢できない。自分の中でルールを決めて厳しくやると、他のこともうまく回っていく」

突き放すどころか、夜食の質問を、自分を律する話へ広げて返しているんですよね。

 

放送された夜のネットには、この場面を喜ぶ声が並んでいました。

「プロ意識の塊みたいな金言をもらえてよかった」という受け止めもあれば、太るから夜食をやめるという話ではないところに感心している人もいます。

自分の手元のチョコを見て反省している人までいて、笑いながら感心する、そんな受け止め方でした。

いまは、相葉雅紀の言葉に猪俣周杜容疑者が「なるほど」と何度も返していた点まで、ネットで取り上げられています。

逮捕を知ったあとで聞くと、同じ「なるほど」も、響いていない返事のように聞こえてしまうもの。

 

しかも、2人はこの放送の前にも一度会っていました。

2025年11月9日放送の、相葉雅紀がMCを務めるテレビ朝日系『相葉マナブ』で、猪俣周杜容疑者は松島聡と一緒にゲストに呼ばれています。

オリコンによれば、このときが相葉雅紀とは初対面で、番組のなかでアイドルとして大事にしていることを相葉雅紀が助言し、猪俣周杜容疑者は大いに感銘を受けていたそうです。

松茸がなかなか見つからないと、相葉雅紀は「聡ちゃんと猪俣くんは“持ってない”ということで…」とダメ出しをして、2人が慌てて落ち葉をめくり直す場面もあったとのこと。

夜食のフリップに一本取ったのと、同じ種類の笑いでした。

 

番組が出した出演者コメントで、相葉雅紀は「猪俣くんとは今回が初めましてで、とてもお会いしたかったのでうれしかったです」と話しています。

猪俣周杜容疑者も「相葉さんにお会いできて、本当に心からうれしかったです」と返していました。

つまり相葉雅紀は、初めて会った日に助言をして、春の放送でも真面目な答えを返しています。

「最初から見抜いて距離を取っていた」という話とは、ずいぶん向きが違いますよね。


連絡先を聞けずにいたのは菊池風磨だった

もうひとつの「連絡先を教えなかった」という話も、元をたどると主語が入れ替わっています。

この話は、嵐のメンバーと親しい菊池風磨が「嵐で相葉だけ連絡先を知らない」と明かしたところから広まったものです。

二宮和也らと続けていたYouTubeの『ジャにのちゃんねる』で話したのが始まりとされていて、嵐のファンでもある菊池風磨が、自分からは聞けずにいる、という笑い話として受け止められてきました。

 

その後、2024年9月29日には、菊池風磨が『相葉マナブ』に初めてゲストで呼ばれています。

梨の収穫をしながら、二宮和也の微妙なボケ方を相葉雅紀に相談する、という和やかな回でした。

2024年12月の『FNS歌謡祭』では、相葉雅紀から、当時はやっていた菊池風磨の言い回しをまねて本人をいじる場面まであったそうです。

今年5月の『タイムレスマン』の放送日にも、ネットには「風磨が相葉さんの連絡先だけ知らないの何度でも味する」という声が上がっていたほど。

放送のたびにファンが「連絡先は交換できたのか」を気にしていたのは、むしろ2人の距離が縮まるのを楽しみにしていたからでした。

 

教えなかった話ではなく、聞けずにいた側の話。

だから同じ事実でも、主語を入れ替えるだけで、笑い話が「見抜いていた証拠」に変わってしまいます。

5月29日の『タイムレスマン』でも、相葉雅紀が嵐の5人の話をしたとき、別室で聞いていた菊池風磨は「とてつもなくいい話だな」と感動していたとスポーツ報知が伝えました。

 

菊池風磨はいま、猪俣周杜容疑者の件で、オーディションで新メンバーを選んだ側として責任を問われ、昔の番組でのいじりまで掘り返されている最中です。

そこへ、連絡先の笑い話まで「相葉雅紀は見抜いていた」の話に加えられてしまいました。

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相葉雅紀の名前を借りないでという声

この話が広がるにつれて、相葉雅紀のファンからは戸惑う声も出ています。

「この騒動に相葉雅紀の名を出すなとあれほど」「関係ないからほんま」。

相葉雅紀を褒める形をとってはいても、実際にはほかの誰かを落とすために名前が使われている、と感じている人がいるんですね。

その気持ちは、よくわかります。

 

一方で、「相葉くんの人を見る目はすごい」と言いたくなる人の気持ちにも、うなずけるところはあるはず。

逮捕というショックな出来事のあとで、少しでも筋の通った話を探したくなるのは自然なことですし、相葉雅紀の言葉がそのとき頭に浮かんだのも無理はないでしょう。

それでも、放送をたどって見えてくる相葉雅紀の姿は、見抜く人というより、見抜いたとしても突き放さない人でした。

夜食の相談に一本取ってから、ちゃんと答えを返す。

初対面の後輩に助言をして、連絡先を聞けずにいる後輩からの二宮和也のボケ方の相談にも番組で乗る。

名前を伏せたフリップを、名前を知っていたかのように読み替えると、その姿がいちばん見えなくなってしまう。

 

猪俣周杜容疑者の件は、これから検察の判断が出るまで、まだ何も決まっていません。

あの3分間を思い出すときは、夜食の答えのところまで、ちゃんと聞いておきたいところです。

人を見る目がすごいと言われる本当の理由は、笑いながらでも最後まで話を聞いてしまう、あの間合いなのかもしれませんね。