「2億って日本人の平均生涯年収なんで…」

2019年、ゴールデンボンバーの鬼龍院翔はテレビ番組でそう話し、2億を目指してきた理由と、それがようやく貯まったことを明かしていました。

そして2026年10月23日、フジテレビ系『ぽかぽか』に出た鬼龍院翔は、「貯金が2億を超えた」という話を振られて「ありました」と答えています。

それでいて、住んでいるのはいまも9畳のワンルーム。

理由を聞かれて返ってきたのは、「仕事がなくなったらどうしよう」という一言でした。

2020年の年末には、貧乏時代の料理だというもやしチャーハンを、わざわざ配信で作って食べていた人でもあります。

ネットには「堅実ですごい」という声のほかに、「あれだけ売れて2億しかないの?」という声も並びました。

ただ、この2億と9畳の部屋は、本人が7年前に話していた〈仕事を失った日〉の計算と、そのままつながっているんですよね。

今回は、鬼龍院翔が貯金2億でも9畳ワンルームに住む理由を、本人がこれまで話してきた言葉からわかりやすく解説していきたいと思います。


「2億しか」は7年前の数字

まず引っかかるのは、「十数年活躍しまくってて2億しか貯金無いのか…」という声ですよね。

紅白に何度も出て、「女々しくて」があれだけ歌われたのだから、もっとあるはずだと思うのも無理はありません。

ところが、『ぽかぽか』でのやりとりを細かく見ていくと、少し話が違ってきます。

MCのハライチ澤部佑の振りは「2億を超えたっていう話がありましたよね?」で、鬼龍院翔の答えは「ありました。何年か前にポロっと…」でした。

認めたのは、昔そういう話をしたという点まで。

いまの残高をあらためて口にしたわけではありません。

 

その「何年か前」にあたるのが、2019年に放送されたTBS系『有田哲平と高嶋ちさ子の人生イロイロ超会議』で、この回で鬼龍院翔は「やっと2億貯まったんで…」とつぶやき、スタジオを驚かせたと報じられています。

つまり、ネットで回っている2億は、7年前の時点の数字ということ。

そのあとどれだけ増えたのかは、本人も番組も言っていません。

 

お金の入り方について、鬼龍院翔はバンドの全曲の作詞・作曲を手がけていて、2025年10月の『ぽかぽか』では「カラオケ印税で勝手に入ってくるんで」と話していました。

テレビ出演の告知に、自分で「カラオケ51週連続1位」「JASRAC賞金賞受賞」と書き足して、笑いを取ったこともあります。

一方で、2016年に日本テレビ系『おしゃれイズム』へ出たときには、お金について「貯まっていく一方、そして税金で出て行く一方ですね」とこぼしていたほどです。

どんな形で収入を受け取っているのかは外からは分かりませんが、個人の所得税は稼ぐほど税率が上がり、いちばん高いところでは所得税45%に住民税10%が重なる仕組みになっています。

貯金は、稼いだお金から税金と暮らしの費用を引いて、最後に残ったぶん。

「2億しか」と感じるのは、売れていた姿の大きさが先に目に入るからでしょう。

 

2億は仕事がなくなる日の計算

では、鬼龍院翔はなぜ2億という数字を目指していたのでしょうか。

2019年の番組では老後の人生設計の話になり、平成ノブシコブシ吉村崇から「将来のこと考えてないですか?」と振られています。

鬼龍院翔はまず「2億貯まったら無鉄砲に生きようと思ってて」と答え、そのうえでこう続けました。

「いきなりこの仕事がなくなっても、高円寺あたりのワンルームでじっとしていれば生きていけるのかなって計算したんですよ」

2億は、仕事がゼロになっても一生暮らしていけるかを測る物差しとして、自分で決めた数字。

しかもその計算の中に、すでに「ワンルーム」という言葉が入っていました。

 

「やっと2億貯まった」と打ち明けたあとには、「自由にノビノビ生きられるんだなぁとは思うんですけど、別にあんまり変わんないですね」とも話しています。

吉村崇が「“2億貯まった”というのが強すぎて、何にも入ってこないですね」と返して、スタジオは笑いに包まれたとのこと。

そして今回の『ぽかぽか』で出てきたのが、「もしかしたら今、仕事がなくなったらどうしようという気持ちなんで…」「一応貯めとかなきゃなって」という言葉でした。

7年前の「いきなりこの仕事がなくなっても」と、ほとんど同じ言い回しです。

2億あっても不安が消えない、と受け取った人もいたようですが、仕事がなくなる日の心配は、2億が貯まる前から計算の出発点でした。

2024年6月には、こんなひと言も投稿しています。

仕事が止まった日の落ち着かなさを、本人がそのまま書いた一行です。


タワマンを出て戻ったワンルーム

では、9畳のワンルームは、ケチだから選んだ部屋なのでしょうか。

今回の『ぽかぽか』での話では、以前はタワーマンションに住んでいたそうです。

出ていった理由は「家出るまでに時間かかりすぎて、嫌になっちゃって」とのことで、いまの部屋は「快適ですよ」と満足している様子でした。

2019年の番組もテーマが「せっかちすぎる芸能人」で、ライブのアンコールでは観客の声が上がって3秒でステージに戻る、と話していた人ですから、玄関を出るまでの長さが嫌になったのもうなずけます。

 

2025年10月に『ぽかぽか』へ出たときには、9畳のワンルームについて「(大きい部屋は)必要がない」「お金が貯まる、貯まる」と語っていました。

横からメンバーの喜矢武豊が「一番ケチですから」「スタッフさんにもまったくおごらない」と暴露し、歌広場淳が「バンド内の不和ってこうやってはじまるんですよね」とツッコむ一幕もあったとのこと。

2023年には、ニコ生の告知で、初めて住んだ部屋もワンルームだったと明かしています。

足立区小台の、5万5,000円のワンルームアパートだったそうです。

 

タワマンを出た理由はせっかちさでしたが、行き着いた部屋は、7年前の計算に出てきた暮らしと同じ形をしています。

結果として、仕事がなくなった日の暮らしに、いまもう住んでいることになるんですよね。

仕事が減る日が来ても、部屋も暮らし方も変える必要がありません。

ワンルームで暮らせるから、2億で一生ぶんが足りるという計算です。

 

正月の日雇いバイトと小さなNISA

9畳の部屋と同じ考え方は、働き方やお金の扱い方にも、10年以上前から出ています。

2011年のクリスマスイブ、仕事が休みになった日に短期のアルバイトを入れることを思いつき、それ以来、正月に日雇いバイトをするのが鬼龍院翔の恒例になっていました。

2016年1月のブログで本人が挙げた理由のひとつが、「感覚ズレたくない」という言葉です。

同じ年の『おしゃれイズム』でも、「浮き世離れしたくない」という理由で、ときどきアルバイトをしていると話し、お金の使い道をGACKTに相談したら1000万円の時計を勧められて断った、という話も披露していました。

2020年には、ファンにおすすめの品を募った投稿のお礼で、自分のことを「普段あまり物欲の無い僕」と書いています。

2025年10月の『ぽかぽか』でも、観客から「資産運用しっかりしてるっぽい」という声が寄せられると、鬼龍院翔は「×」の札を上げたそうです。

今回の『ぽかぽか』では、共演者から投資について聞かれて、NISAは「すっごい小さい額。大きい額動かすの怖くて」と答えていました。

共演者からは「満額入れたほうがいい」と助言が飛び、鬼龍院翔はタジタジだったとのこと。

 

ネットには、「収入の波が大きい仕事ほど、稼げた時に生活水準を上げないのが一番の守り」という声もありました。

物欲が無く、大きな額を動かすのも怖い、という慎重さは、9畳の部屋とひと続きのものです。

鬼龍院翔の「仕事がなくなったらどうしよう」は、弱気な口ぐせに見えて、7年前から同じ計算を続けている人のいつもの確認なのかもしれません。

2億はまねできなくても、いちばん困った日の暮らしを先に決めておくやり方なら、少しまねできそうですね。