ヒロミの不倫疑惑はどこまで本当か|2009年の『不倫デート』報道を調べてみた

テレビでヒロミが松本伊代を「ママ」と呼び、夫婦そろって笑い合っている場面。
長年、芸能界を代表するおしどり夫婦として、すっかりおなじみの姿ですよね。
実は、最初に一目惚れしたのは松本伊代さんの方だった。
テレビで見かけたヒロミさんに惹かれ、自ら声をかけたことから始まった2人の恋。
あれから約33年。
今では芸能界を代表するおしどり夫婦に。出会った頃の初々しい2人から、家族4人で笑い合う現在まで。… pic.twitter.com/YF5eKnx2AN
— TAXI (@TAXI_56390208) 2026年10月21日
ところがいま、ネットでは、ヒロミが昔カーヴィーダンスのコーチと不倫していた、という話が広がっています。
「これほんと?」「あれって浮気してたっけ?」と、首をかしげる声も一緒に並びました。
当時の記事を覚えている人もいれば、初めて聞いて驚いている人もいて、受け止め方はばらばらです。
今回は、ヒロミとカーヴィーダンスの樫木裕実をめぐる不倫疑惑がどこまで本当なのか、当時の報道を日付の順に並べて調べてみました。
愛妻家ヒロミに浮上した不倫の噂
いきなり「不倫していた」と言われると、やっぱり驚きますよね。
いまネットで語られている話は、だいたいこんな筋書きになっています。
- ヒロミが、カーヴィーダンスで売れていたコーチと不倫していた
- そのころ松本伊代の様子がおかしくなった
- ヒロミはそのコーチと「離縁」し、コーチは一気に売れなくなった
- そのあと、ヒロミは愛妻家としてテレビに出るようになった
ここに出てくる「コーチ」は、くびれを作るエクササイズ「カーヴィーダンス」を考案した、トレーナーの樫木裕実のことです。
関連書籍が460万部以上売れ、一時はダイエットの話題でテレビに引っ張りだこでした。
この筋書きへの反応も、ひとつではありません。
「否定コメントあるけど、当時噂になってたで!」と記憶を足す人がいれば、「知り合いでもないのに、よくそんな堂々といえたもんだね?」と眉をひそめる人もいました。
「不倫疑惑報道はあったけど証拠とか写真とかは何もなくてのちにヒロミが否定してなかったっけ?」と、記憶をたぐり寄せている人も。
なかには、筋書きに出てくる「離縁」という言葉に「『離縁』とは養子縁組によって生じた法律上の親子関係を解消することですよ。」と、言葉の使い方へツッコミを入れている人までいました。
昔の話を覚えている人がいるのも、おしどり夫婦の姿に引っかかりを覚える人がいるのも、どちらも本当のこと。
疑いの目で見たくなるのも、無理はありません。
ただ、この4行の筋書きのうち、当時の報道が不倫と結びつけているのは、1行目と3行目の一部だけなんです。
写真つきで報じられた送り迎えと食事
いちばん古い出どころは、2009年の女性誌でした。
その誌面はネットでは読めないため、のちに内容を紹介した女性自身(2012年9月)と内外タイムスの記事からたどっていきます。
それによると、2009年6月25日号の女性セブンが、ヒロミと、ヒロミが経営するジムのインストラクターとの「不倫デート」を報じていたそうです。
ヒロミが車で彼女を自宅へ送り届ける姿や、夜の食事の様子が、写真つきで載っていたとのこと。
その時点の記事では、相手の女性は「A子」さんと名前が伏せられていました。
そして3年後、その「A子」は樫木裕実だったと書いたのが、2012年9月の女性自身です。
女性セブンは小学館、女性自身は光文社の週刊誌で、名前を伏せた記事と名指しした記事は、出している出版社からして別々でした。
名前は、3年たってから、別の会社の記事で足されたもの。
同じ記事には「樫木さんはヒロミに溺愛されていました」という芸能関係者の話も載っていて、この年の8月に樫木がヒロミのスタジオから独立したのは関係を清算するためでもあったのでは、という推測まで、名前の出ない関係者の言葉として添えられています。
写真つきの報道があったのは事実で、ネットの「当時噂になってた」という記憶は、作り話ではありません。
「証拠とか写真とかは何もなくて」という記憶とは少し違い、写真は誌面に載っていたと伝えられています。
一方で、女性自身が相手を名指しした根拠は、名前の出ていない芸能関係者の話です。
ヒロミと樫木裕実のどちらかが、この報道について関係を認めたという発言は、調べた範囲では見当たりませんでした。
逆に、ネットで記憶されている「のちにヒロミが否定した」という記事も、見つけることはできていません。
車で送る写真や食事の写真が何を意味していたのかは、写っている本人たちにしか分からないままです。
独立と印税とスタジオ閉鎖は別の話
筋書きでは、不倫のあとに「離縁」と「売れなくなった」が続いていました。
ところが日付を並べると、そのあいだには不倫とは別の騒動がいくつも挟まっています。
樫木裕実がヒロミのスタジオから独立したのは、2012年8月のこと。
理由は「方向性の違い」と報じられていて、同じ年の12月には東京・中目黒に自分のスタジオ「カーヴィーグランド」を開いています。
このスタジオの経営を担っていたのは、ヒロミではなく、別の女性オーナーでした。
ところが、オープンからわずか1年ほどの2013年10月28日、樫木はブログでこのスタジオを12月9日で閉じると報告します。
当時の報道では、オーナーとのあいだで約50人のスタッフの扱いをめぐって、双方が弁護士を立てて話し合っていると伝えられました。
樫木本人は「一部マスコミや雑誌などで書かれたりしてることは事実無根であり、深く傷つきました」と反論しています。
ここで揉めていた相手はオーナーの女性で、ヒロミの名前は出てきません。
この騒ぎに、もうひとつ火種が加わったのが10月31日。
樫木と親しい神田うのが、フジテレビ系の情報番組「ノンストップ!」で、樫木は前のスタジオとの契約で「累計460万部売れた印税は一切貰っていません」と話したんです。
ところがその夜、神田うのは自分のブログで「それは間違った発言でした」と訂正し、前のスタジオのオーナーだったヒロミに電話で謝ったことを明かしました。
翌11月1日、ヒロミもブログで、樫木には給料を毎月払い、印税のぶんも考えて「特別なボーナス」を出していたと説明しています。
本の出版やCMの権利も、退職のときに樫木の個人会社へ移したそうです。
ブログで説明することにした理由として、ヒロミは「噂話を真実だと思いTVなどで発言される方に多大なご迷惑をかけてしまうと考え」と書いています。
ネットには、神田うのがテレビで何か言ってあとで謝っていた、という記憶も残っていますが、謝った中身は印税についての発言でした。
2014年2月には、閉じたカーヴィーグランドの跡地でヒロミが新しいトレーニングジムを開いたと女性自身が報じていて、樫木の事務所は「樫木がヒロミさんのところに戻ることはありません」と答えています。
独立のときに一度だけ、関係の清算という関係者の推測が出たきりで、印税とスタジオ閉鎖の報道には、不倫の話は一度も出てきません。
消えたと言われた樫木裕実のいま
「あのカービィダンスの人まじ消えたよね」という声も、今回ありました。
たしかに、ブームのころのようにバラエティ番組の真ん中で見かける機会は、ぐっと減ったかもしれません。
それでも、樫木裕実は今も現役です。
2026年10月22日には、TBSの情報番組「ひるおび」のショッピングコーナー「キニナルチョイス」に出演していて、本人のXでもそのことを告知していました。
本日11時20分頃からTBSひるおびキニナルチョイスに私出演していますが
TBSのサイトがまだメンテナンス中なようでお電話でのご注文になりそうです。
よろしくお願いします。 pic.twitter.com/PXH2vHEevV— 樫木裕実 (@kashiki414) 2026年10月22日
所属するスタジオの告知によると、紹介したのは「ボディメイクシェイパーNEO」という商品です。
今回の騒ぎのなかにも「通販番組などで活躍しているようですよ」と書いている人がいて、その記憶はちゃんと今の姿と合っていました。
一方のヒロミについて、2014年の女性自身は、一時期は芸能活動よりも実業家として活躍していたが、最近はバラエティ番組への出演が急増している、と書いています。
同じ記事は、妻の松本伊代と夫婦で出演する番組も多く「主婦層の支持が上がっている」とも伝えていて、おしどり夫婦の顔はこのころから少しずつ定着していきました。
「愛妻家としてテレビに出るようになった」という記憶も、時期だけ見れば外れてはいないんです。
それでも、樫木の出番が減ったこととヒロミの出番が増えたことが、不倫のせいで一本の線につながっている、と書いた報道は見当たりません。
結局、不倫疑惑は本当なのか
では、ヒロミの不倫疑惑は本当なのでしょうか。
答えを先に書くと、写真つきの報道はあったものの、不倫だったと確かめられる材料は、いまも出ていません。
2009年の記事は「不倫デート」と書き、2012年の記事は相手を樫木裕実だと名指ししましたが、どちらの本人も関係を認めてはいませんし、否定したという記事も見当たらないまま。
白でも黒でもない、灰色のまま十数年がたっている話なんですよね。
そのうえで、ネットの筋書きを見直すと、残りの3行は少し事情が違います。
松本伊代の様子がおかしくなったという部分は、当時の報道のなかに見つけることができず。
「離縁」は、独立とスタジオ閉鎖と印税の騒動があとから一つにまとめられた形で、不倫と結びつけたのは、独立のときの関係者の推測1つだけでした。
「愛妻家としてテレビに出るようになった」は、時期こそ合っているものの、不倫と結びつけた報道はありません。
この件は、2009年の灰色の報道を芯にして、別々の年の出来事があとから巻きつき、一本の物語のように語られているんです。
覚えている断片は本物でも、記憶があとから、そのあいだの「なぜ」を埋めてしまうんですよね。
昔の芸能の噂を見かけて引っかかったときは、次の3つを見ておくと、だいぶ見通しがよくなります。
- それぞれの出来事が、いつ起きたのか
- それを言ったのは、記者か、名前の出ない関係者か、本人か
- 本人はその件について、何と言っているか
おしどり夫婦の姿に引っかかる気持ちも、昔の記事を覚えている記憶も本物で、ただ、その2つを結ぶ「だから」の部分だけは、まだ誰も確かめていないということですね。
