NIKKEマルウェア騒動|スマホ版は大丈夫?PC版との違いをわかりやすく解説

ゲームを始めるとき、ランチャーの画面にお知らせやバナーが並んでいるのを、なんとなく眺めてから起動ボタンを押していませんか。
2026年11月4日、『勝利の女神:NIKKE』の運営が、PC版ランチャーのファイルが第三者に改ざんされた可能性があると発表しました。
ネットでは11月3日の夜から、ランチャーを立ち上げただけで、パスワードを抜き取るプログラムが入り込むらしいという話が回りはじめていて。
遊んでいた人たちのあいだには、一気に不安が広がっています。
NIKKEを立ち上げたらマルウェアに感染するとか怖すぎる
— たぬきち (@Tanukichi_mingo) 2026年11月4日
なかでも多いのが、スマホ版で遊んでいる自分は大丈夫なのか、という声です。
先に答えを言うと、いまのところ報告はPC版のランチャーに限られていて、スマホ版とPC版ではやることが別というのが、いまの答え。
今回は、NIKKEのマルウェア騒動でスマホ版は大丈夫なのか、PC版とは何が違うのかを、わかりやすく解説していきたいと思います。
スマホ版は報告なし、PC版は別の端末で
まずは、自分がどれに当てはまるかだけ先に決めてしまいましょう。
- スマホのアプリだけで遊んでいる=いまのところ報告はPC版のランチャーに限られている
- PCのランチャーで遊んでいた=運営の続報が出るまで、ランチャーを開かない
- そのPCのブラウザにパスワードを覚えさせていた=大事なアカウントから、別の端末で変える
スマホのアプリだけで遊んでいる人は、いまのところ慌てて何かをする必要はなさそうです。
海外のゲーム情報サイトGame8も、スマホのAndroid版やiOS版が影響を受けた形跡は見つかっていない、と伝えています。
ただ、いちばん急ぎたいのは、PCで遊んでいて、そのPCのブラウザにパスワードを覚えさせていた人です。
この件を詳しく調べている海外の研究者の記録にも、パスワードの変更はランチャーを動かしたことのない端末からするように、と書かれていました。
入り込まれたかもしれないパソコンで新しいパスワードを打てば、それもまた見られてしまうかもしれません。
だからこそ、ここで頼りになるのが手元のスマホなんですよね。
メール、通販サイト、ネット銀行と、お金と連絡につながるものから順に、スマホで変えていくのが落ち着いた進め方でしょう。
家族で1台のパソコンを使っている家なら、ゲームをしない家族のアカウントもそのブラウザに入っているかもしれないので、一緒に変えておくと安心です。
ネットには対処法がたくさん流れていて、なかには正反対のことを言っているものまで混ざっていて、どれを信じればいいのか迷うところ。
k2f_chanウィルス(マルウェア)の件で誤解がありますが「NIKKEを通して」「Chromeブラウザに感染」するので、NIKKEだけアンインストールしても感染済みなら効果がありません
PC+NIKKE+Chromeの人は感染しているか確認を推奨しますhttps://t.co/22QvMfMwM3
— NIKKE wiki JP (@nikkewiki) 2026年11月4日
では、どうしてスマホ版とPC版で、ここまで話が分かれるのでしょうか。
PC版だけが受け取った書き換えられた中身
分かれ目は、書き換えられたものが置かれていた場所。
この件をいちばん詳しく調べているのは、MotherSphereと名乗る海外の研究者で、プログラムの公開サイト「GitHub」へ調査の記録をまとめています。
その記録によると、手が入っていたのは、運営の配信サーバーに置かれた4つのファイルだったそうです。
PCのランチャーを開くと並ぶお知らせやバナーの画面は、中に入っている小さなブラウザが、起動のたびに配信サーバーから部品を取り寄せて表示しているもの。
その取り寄せる部品に、外の怪しいサイトからプログラムを呼び込むコードが足されていたというんです。
新聞で言えば、配達される前の印刷の段階で、紙面に細工をされたようなもので、読む側には見分けようがありません。
スマホのアプリは、このPC用のランチャーを通って起動するわけではないので、同じ紙面は届いていない、という形です。
運営の公式Xも、改ざんの可能性があったのは「PCランチャー」だと書いています。
【お知らせ】
PCランチャーのスクリプトファイルが第三者によって改ざんされた可能性がある異常を確認しました。これを受け、11月4日02:30頃にクライアントの修正およびアップデートを実施しました。… pic.twitter.com/rJvs0BfS5g
— 【公式】勝利の女神:NIKKE – 4周年イベント開催中 (@NIKKE_japan) 2026年11月4日
ネットには、期限が切れたドメイン(ネット上の住所にあたるもの)を誰かが取り直して悪用したらしい、という説明も流れていました。
ところが研究者の記録では、呼び込み先のドメインは日本時間の2026年9月27日の午前に新しく登録されたもので、同じ日の午後には配信元の4つのファイルが書き換えられていたとのこと。
古いものを拾われた事故ではなく、その日のために用意されたドメインだったと読むのが自然ですよね。
なお、研究者の記録で、ほかのゲームまで同じことが起きたと確かめられたものは、いまのところ出ていません。
起動しても毎回は入ってこないプログラム
PCで遊んでいた人の中には、「ランチャーは何度も起動したけど、何も変なことは起きなかった」という人もいると思います。
でも、それで安心するのは少し早いかもしれません。
研究者の記録では、本体のプログラムが送られてくるのは一部の起動のときだけだったそうです。
記録に載っている1台のパソコンは、書き換えのあと19回ほど起動したうち、受け取っていたのは3回だけでした。
しかも、書き換えから実際に動き出すまでには間があって、パソコンの中で動いた報告はいちばん早いもので10月下旬。
Game8によると、4周年アップデートは10月29日で、それより前から、すでに動いていたパソコンがあったんです。
入り込んだプログラムは、外から遠隔で操作されるものでした。
ブラウザに保存されたパスワードを集めたり、画面を撮ったり、ファイルをのぞいたりする命令を受け付ける作りだったと解析されています。
ただし、実際に誰のパソコンから何が持ち出されたのかは、まだ分かっていません。
自分のパソコンで動いたかどうかは、ランチャーが残している記録ファイルで確かめられる、という手順も遊んでいる人たちのあいだで共有されはじめました。
NIKKEのランチャーの件ですがおそらく10/31~11/03の間でPCでNIKKEをプレイした人は要チェックです。 「k2f_chan」自体はあるかもしれませんがバックドア等の確認は出来ませんでした。
不安な場合はアンインストール、パスワード変更等を推奨します…!
以下リプ欄へ🐰
— 🐰ちとせ🐰 (@ALICE_wander__) 2026年11月3日
研究者の記録でも、NIKKEをインストールしたフォルダの中の「Launcher」→「intl_service」にある「debug.log」というファイルに、「k2f_chan」という文字が残っていることが、プログラムが動いた目印の1つとされています。
反対に、目印が見つからなかったとしても、それだけでパソコンがきれいだという証明にはならないと、同じ記録に書き添えられていました。
何も起きなかったように見えた起動も、たまたま受け取らなかった回だったのかもしれないんです。
修正のあとも古いファイルが配られていた
では、運営の「修正」は、PCで遊んでいた人にとってどこまでの意味を持つのでしょうか。
お知らせに書かれているのは、改ざんの可能性があったこと、11月4日の02:30頃に修正とアップデートをしたこと、影響の範囲は確認中で今後の対応は改めて知らせること、の3つです。
研究者の記録を見ると、書き換えられたファイルが配信サーバーできれいなものに差し替えられたのも、お知らせの時刻とほぼ同じころでした。
つまり、この修正で止められるのは、これから起動する人のところへ、新しく届くことです。
すでにパソコンの中へ入り込んでいたものまで自動で消えるわけではない、とGame8も研究者の記録をもとに伝えています。
もう1つ、引っかかる点も。
書き換えられたファイルの1つは、配信元では10月29日の未明に中身が元へ戻っていたのに、利用者へ配る途中の中継サーバーのうち2台は、そのあとも古いファイルを返し続けていたそうです。
研究者が確かめた日本時間11月4日の朝5時すぎ、つまり運営が修正したと書いた時刻よりあとでも、まだ書き換えられたほうが配られていたと記されています。
ゲームを消せば済むと思っている人へ、それだけでは足りないのではと呼びかける声も出ていました。
NIKKEの不正プログラムの件、PC版NIKKEのアンインストールを推奨してるアカウント多いけど、それだけだと対策は十分じゃないと思うんですよねぇ、
感染している場合、ランチャー起動せずとも情報窃取・遠隔操作可能に見えるから、鵜呑みにして2次被害3次被害にならないことを祈ろう— harv@NIKKE (@harv227394) 2026年11月3日
研究者の記録でも、Windowsのパソコンでは、Chromeを開くたびに一緒に読み込まれる隠しファイルを置かれることがあると報告されています。
そのファイルはChromeの側に置かれるので、ランチャーを閉じても、ゲームをアンインストールしても残ってしまう形。
お知らせの修正は嘘ではありませんが、直ったのは配る側で、受け取った側のパソコンのことは、まだ一言も書かれていないんですよね。
「なんも信じられん」と感じてしまうのは、無理もない話。
それでも今回書き換えられたのは配信元のファイルで、手元のスマホまで疑う理由は、いまのところ見つかっていません。
4周年のお祝いのさなかに届いた知らせですが、まずはスマホからできることを済ませて、続きのお知らせを共に待ちたいと思います。
