オーディションの審査会場で、現役のメンバーがマイクを持ち、候補生にひとこと尋ねます。

「モブノデレラってわかりますか?」

自分が入りたいと願って応募したグループの、去年の表題曲です。

放送を見た人の書き込みによると、この審査では、そのグループの曲の歌詞が分からない候補生がいたとのこと。

尋ねた側の櫻井ももは、そのあとカメラの前で「少し傷ついてしまった」と打ち明けています。

≠ME(ノットイコールミー)の新メンバーオーディションに密着した番組『≠ME 名無しのシンデレラ』第3話の一場面です。

 

ネットでは「代表曲なのに知らないのは論外」という声が上がっています。

そしてこの回、櫻井ももは「その時は新メンバーを入れないです」とまで口にしていました。

ところが同じ回の放送では、「新メンバー加入後 初のコンサート」として、12月24日のライブ開催まで発表されているんです。

今回は、この食い違いと、「入れないです」がどこまで本気なのかを、番組と公式の発表から、わかりやすく解説していきたいと思います。


「モブノデレラってわかりますか?」と聞いた櫻井もも

2026年10月19日の深夜、フジテレビの関東ローカルで『≠ME 名無しのシンデレラ』第3話「寄り添うキモチ」が放送されました。

≠MEは指原莉乃がプロデュースするアイドルグループで、この番組は、グループにとって初めての新メンバーオーディションを、2次審査から合格が決まる瞬間まで追いかけるドキュメンタリー番組。

応募できたのは満12歳から満24歳の女性で、芸能経験は問わず、芸能事務所に所属していない人に限る、という条件です。

番組の公式サイトによると、全国3か所で開かれた2次審査から、約160人の候補生が次の段階へ進みました。

第3話で描かれたのは、そのあと4日間に分けて行われた3次審査。

ここには現役のメンバー自身が、審査する側として加わっています。

 

番組の映像で、櫻井ももが候補生たちに「モブノデレラってわかりますか?」と問いかけたあと、カメラの前で語ったのは次の言葉でした。

  • 「私たちは自分たちに誇りを持って活動している」
  • 「それにリスペクトを持ってくれる子じゃないと受け入れられない」
  • 「ファンの皆さんもそれは一緒だと思う」
  • 「少し傷ついてしまった」
  • 「それを感じてしまったのがすごく悔しくて」

最後の「それ」は、グループへの敬意が感じられなかったことを指しているのでしょう。

自分の気持ちとして「傷ついた」「悔しい」と話していて、相手を名指しで責める言葉は出てきません。

 

ネットには、櫻井ももの言葉にうなずく声が並んでいます。

「歌詞はね、入れとかないと。」という短いひとことの人もいれば、「これぐらいはっきり言ってくれた方が良い」と受け止める人もいました。

3次審査まで来て代表曲の歌詞が分からないとなれば、そう言いたくなる気持ちは、とても自然なものですよね。

 

モブノデレラは名前の無い役の歌

では、モブノデレラとはどんな曲なのでしょうか。

2025年4月30日に発売された≠MEの10枚目のシングル「モブノデレラ/神様の言うとーり!」の表題曲で、センターは冨田菜々風が務めています。

タイトルは、すべての曲の作詞を手がける指原莉乃がつくった言葉です。

ぴあ音楽の紹介によると、物語の最後に報われるシンデレラではなく、役名の無い「モブ」として生きる私、という意味が込められているとのこと。

≠MEの表題曲としては初めての、悲しく切ないミディアムバラードだったそうです。

センターの冨田菜々風も発売のときに、この曲を通して「その素敵な物語の影にはそれぞれいろいろな思いを抱えた人たちがいる」ことに気づかされた、と語っています。

 

ネットでは、別の曲「まほろば」と並べて、この曲を≠MEの代表曲に数える声も出ていました。

番組のタイトル『名無しのシンデレラ』と、この曲が描く「役名の無いモブ」は、言葉のうえでもよく似ています。

番組がこの曲から名前を取ったと、公式が説明しているわけではありません。

それでも≠MEにとってモブノデレラは、選ばれなかった側の気持ちを歌った、グループの大事な1曲です。

そのグループに入ろうとする審査の場で、この曲の歌詞が分からない候補生がいた。

櫻井ももが「少し傷ついた」と言ったのも、無理はないと思えてきます。


「入れない」選択肢は最初からメンバーの手に

見ていた人を驚かせたのは、そのあとのやりとりでした。

番組から「もし最後まで現れなかったら?」と聞かれた櫻井ももは、「その時は新メンバーを入れないです」と答えています。

これを見て「新メンバー入れないっていう選択肢残ってるの?!w」と驚いた人もいました。

 

デイリースポーツによると、オーディションの開催が発表された2026年6月26日、指原莉乃はグループのサイトで公開された動画の中で、メンバーに提案したときのことを「一人でもやりたくない気持ちの子がいるんだったらやらないよって話はした」と振り返っています。

同じ動画では「≠MEは≠MEのまま死んでほしかった」と強い言葉で本音を明かしたうえで、アイドルを続けたい子が1日でも長く続けられる環境をつくるのが自分の役目だ、と考えを変えたことも話していたとのこと。

メンバーの落合希来里も、その発表のときに「本当に真剣に≠MEに向き合ってくれる子ではないと、嫌だなって思います」と語っていました。

櫻井ももの「入れないです」は、発表の日にメンバーが口にしていたことと、まっすぐつながっています。

 

そもそもこのオーディションは、番組の公式サイトが第1話の紹介に書いているとおり、「東京ドームに立ちたい」という夢を叶えるために、メンバーが葛藤の末に開催を決めたものです。

夢のために開いたオーディションでも、メンバーは「入れない」という答えを手放していません。

ファンの側にも、新しいメンバーをすんなり迎えきれない気持ちがあって、ネットには「新メンバーいらん」とまで書く人もいました。

櫻井ももが「ファンの皆さんもそれは一緒だと思う」と付け加えたのは、その気持ちも知っているからでしょう。

本気かどうかで言えば、発表の日から、指原莉乃もメンバーも同じことを言い続けています。

そして番組の後半の発表には、こんな声も上がっていました。

同じ夜に発表された12月24日のコンサート

第3話の放送では、2026年12月24日にTOYOTA ARENA TOKYOで「≠ME GRAND CONCERT」を開くというお知らせも流れています。

画面に出た告知には、「新メンバー加入後 初のコンサートを開催」という一文が添えられていました。

放送中、日付が変わった10月20日の1時56分からは、ファンクラブ会員向けのチケット受付も始まっています。

ところが≠MEの公式サイトに出たお知らせは、日時も会場もチケットの種類も細かく書いてあるのに、「新メンバー」という言葉が一度も出てきません。

 

同じ12月24日をめぐって、3つの言い方が並んでいます。

  • 番組のテロップ=「新メンバー加入後 初のコンサート」
  • 公式サイトのお知らせ=「新メンバー」の言葉なし
  • 番組の中の櫻井もも=「その時は新メンバーを入れないです」

審査の結果が出る前に、テロップだけが一歩先を歩いているようにも見えますね。

12月24日に新しいメンバーが立っているのか、いまのメンバーだけで立つのかは、まだ誰にも分かりません。

番組は全11回の予定で、次の第4話は10月26日の深夜に放送の予定です。

「代表曲くらい知っていてほしい」と感じた人は、櫻井ももと同じ気持ちでこの審査を見ています。

12月24日のステージに何人で立つことになるのか、ファンと一緒に見届けたいところですね。