2026年4月、SNSのタイムラインを賑わせたのが「プロせどらーが塗料の薄め液を大量に買い占めて転売している」という話題でした。
「15分で15,000円」「月利50万円」といった派手な数字が並ぶサムネイルが、目を引きます。
ただ、よく中身を見てみると、塗装業者さんや模型愛好家が本当に困っているシンナー類を、ホームセンターの「お一人様一点限り」をかいくぐって買い占めていたわけです。
これは、単なるネット炎上では片付けられない問題ではないでしょうか?
中東情勢の緊迫でナフサが足りなくなり、塗料が手に入らない職人さんがいる。
その横で「儲かるからラッキー」と動画を撮っている人がいる。
この構図に違和感を覚えた方も多かったはずです。
今回は、この騒動の背景と、本当に必要な備蓄の考え方について整理していきます。
目次
ナフサ不足下の塗料転売炎上
そもそも「ナフサ」という言葉、聞き慣れない方が多いかもしれません。
原油から取れる軽い油の成分のことで、プラスチックや塗料、シンナー類の原材料になっています。
私たちの暮らしの裏側で、いわば縁の下の力持ちとして働いている存在なのです。
2026年に入ってから、中東情勢が一気に緊迫感を増しました。
ホルムズ海峡という石油タンカーが行き交う海路が、2月末頃から事実上の封鎖状態に陥り、影響が顕在化していきます。
日本はナフサの約4割を中東から輸入していて、国内生産分も原油の多くが中東産のため、全体の約8割が影響を受ける構造です。
3月下旬以降、塗料用シンナーの値上がりや出荷制限が相次ぎ、ホームセンターの棚から商品がスッと消えていきました。
一部地域では仕入れ値が100%、つまり倍になったという報告もあり、塗装業界には大きな打撃となります。
そんなタイミングで投稿されたのが、登録者数約8,450人の女性YouTuberによる動画でした。
これは超えてはいけないラインを超えてる。
インフラを支えてる業者に迷惑をかけるような仕入れは絶対にやらない。 pic.twitter.com/I48XEKgwMr
— うっち〜 (@utcheeee_s15) April 28, 2026
ホームセンターで個数制限がかかっているペイントうすめ液を、複数店舗を回って大量に仕入れ、メルカリやAmazonで転売する手法を解説していたといいます。
「1リットルあたり1,097円で仕入れて3,520円で売る、利益1,407円」というふうに、まるで料理レシピのように具体的な数字が並んでいました。
政府は4月下旬時点でも「国内に必要な量は確保している」という発言を続けています。
一方で、現場の塗装業者からは「全然改善していない」という声が上がり続けており、その温度差は埋まっていません。
茨城ではシンナーが100リットル以上盗まれる事件まで起きており、資源の奪い合いに近い空気が漂い始めていました。
その渦中に投下された動画は、結果として大きな炎上を招くこととなったわけです。
せどりと悪質な買い占めの違い
ここで気をつけたいのが「せどり=悪」という単純な話ではない、という点でしょう。
正しい知識がないと、すべての物販ビジネスを敵視してしまいかねません。
言葉の整理から、丁寧に進めていきます。
通常のせどりがやっていること
せどりとは、市場の価格差を利用して利益を出す合法的な物販ビジネスのことを指します。
地方のお店で売れ残っている本やおもちゃを買い、需要のある都市部のユーザーに届ける。
廃盤商品をコレクターに繋ぐといった、流通の隙間を埋める働きがあるわけです。
メルカリやAmazonといった大手プラットフォームでも、基本的には認められている活動になります。
地域格差や情報格差を埋めるという意味では、社会的な意義もある仕事と言えるのではないでしょうか?
「眠っているモノを必要な人に届ける」というのが、本来のせどりの姿。
これだけなら、誰も怒る理由はありません。
今回の騒動が叩かれた本当の理由
ところが、今回問題視されたのは根本的に性質が異なります。
ナフサ不足という社会的危機の真っ只中で、ホームセンターが「お一人様一点限り」と分配しようとしていた商品に、わざわざ複数店舗を回って独占的に手をつけたわけです。
塗装業者が仕事に使うはずだった薄め液、模型愛好家が趣味で使うはずだった溶剤。
そうした「実需」をブロックして自分の懐に入れる行為は、せどりというより危機悪用型の買い占めと呼ぶほうが実態に近いのではないでしょうか?
経済学の世界では、需給がカツカツの状況で投機的な動きが入ると、価格が異常に吊り上がり品薄がさらに加速する悪循環が起きると言われています。
過去の震災時にトイレットペーパーや水が消えた現象と、構造としては同じです。
「ビジネスだから」「合法だから」という言葉では覆い隠せない、社会的倫理の問題が突きつけられた騒動と言えるでしょう。
SNSやヤフコメで「これはせどりじゃない、ただの買い占め転売だ」という声が広がったのも、自然な反応だったのかもしれません。
パニックを防ぐ正しい備蓄の考え方
こうした騒動を見ていると「自分も今のうちに買っておかなきゃ」と焦りが生まれそうになります。
その気持ちこそ、買い占めを加速させて品薄を悪化させる燃料になってしまうのです。
冷静な備え方を、ここで確認していきましょう。
ローリングストックという考え方
そこで注目されているのが「ローリングストック」という備え方になります。
難しそうな言葉ですが、要は「いつも食べているものをちょっと多めに買い、古いものから消費し、減ったぶんを補充する」というシンプルな仕組みです。
普段カップ麺を5個買っているなら、次から7個買ってみる。
1個食べたら次の買い物で1個追加する、という地味な習慣を続けるイメージでしょうか。
内閣府や防災専門家も推奨しているやり方で、賞味期限切れを防げるうえ、いざという時にも食べ慣れた味のものが食べられて、心理的負担が大きく減るとされています。
「備蓄=非常用の特別なもの」と考えると気が重くなりますが、「いつもの買い物の延長」と捉えれば、無理なく続けられる発想なのです。
水と電気を節約する視点
今回のナフサ不足で痛感されたのが、燃料や電力を前提にした備蓄の脆さでした。
カセットコンロのガスボンベも石油製品ですし、お湯を沸かすにも電気が要ります。
だからこそ「水も火も電気もほぼ使わずに食べられるもの」を中心に揃えておくと、停電や断水が起きても対応しやすくなるわけです。
南海トラフ地震のような大規模災害では、ライフライン復旧に1週間以上かかるエリアも想定されています。
この視点は、持っておいて損はないのではないでしょうか?
水は1人1日3リットル×3日分が最低ライン、というのが防災の基本。
そのうえで、お湯を注ぐだけ、開けるだけで食べられる食料を、家族が飽きないよう少しずつ揃えていく方針が現実的でしょう。
水と火を使わない食料備蓄の選び方
ここからは、楽天市場でも評価の高い、実際に活用されているアイテムを紹介していきます。
「全部揃えなければ」と気負わず、必要に応じて取り入れる視点で見ていただければと思います。
お米
お米は日本の食卓の中心。
主食が確保されているという事実は、心理的な安定にも繋がる重要な要素です。
長期保存米
山田屋本店 備蓄王 20kg。
5年常温保存ができる「冬眠米」と呼ばれるタイプで、炭酸ガスを封入した特殊な包装で虫やカビを寄せ付けない仕組みです。
無洗米のため「お米を研ぐための水」が不要となり、節水という意味で機能性が高いとされています。
付属の炊飯袋を使えば、お湯の中で30分茹でるだけでご飯が炊けるため、ガスや電気の節約にも繋がる構造です。
レビューでは「安心感がある」「日常使いできる品質」といった声が並んでいます。
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米保存袋
イロイロ 米 保存袋。
普段使いのお米を長持ちさせるための、遮光・密閉できるアルミ袋になります。
チャック付きで真空に近い状態にでき、虫やカビから長期間お米を守る設計です。
スリムに収納できるため、ローリングストックを始める初心者にも扱いやすいアイテムでしょう。
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非常食・保存食
非常食は「マズくても我慢して食べるもの」というイメージを持たれがちです。
近年の備蓄食は品質が大きく向上しており、その印象は変わりつつあります。
缶詰パン
まもるんパン 24缶ケース。
添加物不使用でマタニティフード認定を受けている、2年保存可能な缶詰パンです。
火も水も使わず、フタを開ければそのまま食べられ、しっとりふわふわの食感が特徴とされています。
「非常食とは思えない」「子どもが食べる」というレビューが目立ち、避難生活時の選択肢として活用されている商品です。
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味噌汁
アマノフーズ いつものみそ汁 7種類42食セット。
お湯さえあればすぐに完成する、定番のフリーズドライ味噌汁になります。
野菜の具材も豊富で、流通が乱れた時期でも栄養バランスを保ちやすい構成です。
「日常的に使える味」という評価もあり、ローリングストックに組み込みやすい商品と言えるでしょう。
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雑炊・リゾット
アマノフーズ 雑炊・リゾット 11種22食セット。
お湯を注ぐだけで本格的な雑炊やリゾットが完成するセットで、ご飯の満足感がしっかり得られる仕様です。
非常時に温かい食事が摂れるかどうかは、気力維持に直結する要素になります。
味のバリエーションが豊富で、長期備蓄に向く構成です。
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非常食セット
アルファー食品 非常食セット 18食。
国産米を使ったアレルギー対応のアルファ米セットで、水でも戻せる仕様になっています。
電気もガスも止まった状況でも、確実に食事が摂れる安心感のある商品です。
コンパクトに収まるため、非常用持ち出し袋のベースとしても使われています。
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ソナエラボ 非常食セット。
尾西食品のアルファ米やひだまりパンが入った、7日分相当の充実セット。
賞味期限の明細表が付属しており、管理がしやすい設計です。
火も水も不要なメニューが多く、家族世帯での活用が見られます。
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タンパク源
主食だけでは栄養が偏るため、タンパク源の備蓄も並行して考えたい部分です。
サバ缶
古今東北 やっこいさば味噌煮 190g。
八戸港で水揚げされた生さばを使った国産缶詰で、開けてすぐ食べられる仕様になります。
「味の評価が高い」「普段のおかずにも使える」というレビューが集まっており、備蓄食の枠を超えた評価を得ている商品です。
DHAやEPAといった良質な脂も摂取でき、生鮮食品が手に入りにくい時期に役立つ栄養源と言えるでしょう。
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肉缶
ニッスイ 牛焼肉缶 16缶。
プルトップで開けやすい、焼肉風味の牛肉缶になります。
味付けが濃いめでご飯が進む仕様で、非常時でも「肉を食べた」という満足感が得られる構成です。
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HOKO 牛肉大和煮缶 8缶。
国内製造で、柔らかく煮込まれた牛肉大和煮の缶詰。
火を使わずそのまま食べられるため、燃料が貴重な状況でもタンパク源として機能します。
プルトップ式で缶切りが不要な点も、非常時に有利な特徴でしょう。
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おでん缶
天狗缶詰 こてんぐ おでん缶 牛すじ大根入り 280g。
秋葉原の自販機で知られる、おでんの缶詰になります。
具材が豊富で汁まで飲めるため、水が貴重な状況下での水分・塩分補給にも対応可能です。
「非常時でも温かいおでんが食べられる」というレビューが多く、備蓄の選択肢として定着している商品です。
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停電と断水に備えるインフラ対策
食料が揃ったら、次に意識したいのがライフライン関連でしょう。
特にマンション住まいの場合、電気が止まった瞬間にポンプが動かなくなり、上の階では水もトイレも使えなくなるケースがあります。
「オール電化だから大丈夫」と考えていた方ほど、見直しが必要なポイントかもしれません。
電源確保
ポータブル電源
EcoFlow RIVER 2 Pro。
リン酸鉄リチウム電池を採用し、約10年使える長寿命が特徴の製品です。
70分での急速充電に対応しており、停電時に冷蔵庫やスマホ、最低限の照明を維持する用途で活用されています。
レビュー件数も多く「長寿命」という評価が並ぶ、防災対策の中核を担う一台。
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Anker Solix C1000 Gen 2。
世界最速クラスの54分急速充電に対応した大容量モデルになります。
長期間の停電が想定される南海トラフ地震のような状況でも、生活水準を維持しやすい仕様です。
アプリでの遠隔操作などの機能も備えており、車中泊やキャンプでの利用も見られます。
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水の確保
携帯浄水器
Greeshow GS-2809
GS-2801
Tradex 携帯浄水器。
水道や浄水施設が停止した際、河川や雨水を飲料水に変換する携帯浄水器です。
電動と手動の両方に対応していたり、ソーラー充電に対応していたりと、状況に応じた使い分けが可能とされています。
テレビ番組でも防災必須アイテムとして紹介され、注目度が上がっているジャンル。
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衛生面
簡易トイレ
ナフサ不足で水道・下水処理が停止しやすい中、水不要で即使用可能な携帯トイレ。
折りたたみ軽量で収納しやすく、耐荷重100kgで大人も安心。
凝固剤付きで臭い・液漏れを抑え、排便袋処理が簡単。
南海トラフ長期避難時や在宅避難の衛生危機を防ぎ、プライバシー確保に最適。
2サイズ展開で家族対応も◎。
口コミ:
- 「組み立て簡単」
- 「臭いがほとんどしない」
- 「防災リュックに必須」
と高評価。耐久性と携帯性を褒める声多数。
非常時に「これがあって助かった」との実体験レビューも
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凝固剤
本体とセットで長期間ストック可能(15年保存)。
抗菌・消臭効果が高く、ナフサ危機による水不足時でも衛生を維持。
1回分ずつ小分けで無駄なく使用でき、排便袋と組み合わせれば処理が簡単。
南海トラフ後のトイレ問題(下水詰まり・水道停止)を解決する必須アイテム。
車中泊や避難所でも活躍。
口コミ:
- 「臭い対策抜群」
- 「長期保存で安心」
- 「コスパ良い」
と絶賛。
回数展開(10回〜120回)で家族サイズを選べると好評。
備蓄初心者にも「これだけでトイレ問題解決」との声
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一人用トイレテント
簡易トイレと組み合わせ必須のプライバシーテント。
組立簡単・コンパクト軽量で持ち運びやすく、外から開けられないファスナーで安全。
ナフサ不足+災害時の屋外避難や在宅時プライバシー確保に。
キャンプ・車中泊兼用で日常使いも可能。南海トラフ避難生活のストレス軽減に直結。
口コミ:
- 「テント内で安心して使える」
- 「軽くて丈夫」
- 「プライバシーが守られる」
と高評価。防災グッズとして「これがあればトイレが怖くない」との声多数
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携帯ウォシュレット
TOTO製の携帯型ウォシュレット。
水道停止時もボトル水で洗浄可能。
ナフサ不足による衛生環境悪化や南海トラフ後の感染症リスクを大幅低減。
コンパクトで非常持ち出し袋に入り、日常のおしりケアにも。
ゆうパケット当日出荷で入手しやすい。
口コミ:
- 「旅行・災害両方で便利」
- 「清潔感が全然違う」
- 「TOTO品質で安心」
と好評。
水不要に近い使用感を褒める声が多い。
備蓄の穴埋めアイテムとしてリピート推奨。
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防災セット
safety-plus 防災セット。
基本の防災グッズが一式揃ったセットで、家族単位の備蓄の出発点として活用されています。
「これ1つでスタートできる」という手軽さから、初心者層に支持されるカテゴリー。
女性向けケア
monoroots 女性向け全身ケアセット。
水が使えない環境でも全身の清潔を保つための、女性向けケアセットになります。
断水時の口腔ケアや体の清拭は、感染症予防の観点でも重要視される部分です。
無水歯磨き
orcoa-shop 無水歯磨きセット。
水を使わずに口腔ケアができるアイテムで、断水時のストレス軽減に対応します。
口腔内が不衛生になると感染症のリスクが上がるため、特に高齢者がいる家庭で意識される部分でしょう。
普段の旅行用としても使える点は、ローリングストックに馴染みやすい特徴です。
ペット用品
ペット用防災リュック
osamet ペット用防災リュック。
ペットを飼う家庭向けの防災リュックとケア用品のセットになります。
長期の在宅避難や同行避難の際、ペットの衛生管理は飼い主の責任とされる部分です。
ペットシートや防臭袋もセットで備えれば、避難所で周囲に配慮しながら過ごす環境が整います。
防犯・健康・眼鏡
防犯ブザー
starfocus 防犯ブザー。
停電や混乱時には、治安の乱れも懸念される要素になります。
軽量で持ち運びやすい防犯ブザーは、子どもや女性の安全対策として活用されているアイテム。
経口補水液
PSJ 経口補水液(粉末)。
夏場の停電や避難時に懸念される、脱水や熱中症への対策アイテムです。
粉末タイプであれば必要な時に水に溶かして使え、保管スペースも抑えられる仕様になります。
携帯用老眼鏡
kaiteki-ohen 携帯用老眼鏡。
普段使いのメガネが壊れたり、避難時に持ち出せなかった場合の予備として位置づけられるアイテム。
高齢者がいる家庭では、薬の説明書を読む場面など、地味ながら重要な役割を果たす備品でしょう。
まとめ
今回の塗料転売炎上は、現代社会への問題提起として受け止められる出来事でした。
「儲かるなら何をしてもいい」という発想が、巡り巡って地域の塗装業者や、公共インフラの工事まで止めかねない構造。
買い占め転売は、想像以上に身近で、想像以上に社会的影響が大きい行為と言えるのではないでしょうか?
とはいえ、不安に飲み込まれてパニック買いに走れば、結果的に同じ問題を再生産してしまいます。
平時の今こそ、いつもの買い物にちょっとプラスして、静かに備える。
そんなローリングストックの習慣が、家族と社会の両方を守る現実的な選択肢になるはずです。
資源の安定供給という前提が揺らぎ始めた今、一人ひとりの行動が問われる時代に入っているのかもしれません。
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