寺田心の「落ち着きのなさ」が、ネットでちょっとした騒ぎになっています。

2026年10月21日の夜に始まった日本テレビの新番組『THE FLOOR』で、得意ジャンルの「料理」をかけてSnow Manの阿部亮平と一対一で戦い、19秒差で敗れて脱落しました。

話題になっているのは、答えているあいだの寺田心の姿。

体が小さく前後に揺れて、首の角度もくるくる変わる。

勝負の流れが変わったのは、料理の対決なのに、寺田心がやかんの画像でぴたりと止まったときでした。

「あれだけ料理が得意だと言っていたのに、なぜ?」と首をかしげた人も、きっと多いはず。

今回は、THE FLOORの料理対決で寺田心に何が起きていたのかについて、わかりやすく解説していきたいと思います。

やかんで止まった19秒差の料理対決

THE FLOORは、芸能人やアスリートなど大勢の挑戦者がそれぞれ「誰にも負けない得意ジャンル」を1つずつ持ち寄り、マス目に区切られた大きな床の上で陣地を奪い合う番組です。

もとはオランダで始まり、アメリカやフランスなど各国で作られてきた番組の日本版とのこと。

対決のやり方はとてもシンプルで、画面に映る画像の名前を、ふたりが交互に答えていくだけ。

持ち時間はそれぞれ45秒あり、時計が減っていくのは自分が答える番のときだけです。

正解すれば相手の番に移り、わからないときは「パス」と言えますが、パスをすると次の画像に替わるまでに3秒かかり、その間も自分の時計は減り続けます。

挑む側が隣の相手を指名し、受けて立つ側の得意ジャンルで戦うのが決まりで、先に時計がゼロになったほうが負けて脱落、というルールです。

 

寺田心の対決は、阿部亮平が挑み、寺田心が受けて立つ形。

包丁、フライパン、ケチャップと、序盤の2人はほとんど同じ速さで答えていて、画面の数字もほぼ横並びのまま進んでいきました。

ところが、空気が変わったのは、ステンレスのやかんが映ったときです。

寺田心は少し考えてから「パス」と口にして、その間に時計は38秒から31秒まで減っています。

そのあともキッチンスケールの画像で同じように止まり、最後はすり鉢が映ったところで、寺田心の時計がゼロになりました。

阿部亮平の時計は19秒残っていて、阿部亮平にとってはこの日3つ目の勝利だったそうです。

 

答えを待つあいだも体を揺らしていた寺田心の姿に、ネットでは「落ち着きない」という声が次々に上がりました。

「寺田心くん大丈夫か。。。?何か動き不自然やねんけど体調悪いんかな」と、心配する人もいます。

動きに病名をあてはめる声もありましたが、テレビに映った数分間から決められることではありません。

 

料理は本人が選んだ得意ジャンルだった

意外かもしれませんが、「料理」というお題は、寺田心が自分で選んで持ち込んだ得意分野なんです。

番組の公式アカウントも、放送のひと月前から「得意分野:料理」として寺田心を紹介していました。

しかも、この看板にはちゃんと裏づけがあります。

2023年12月27日、寺田心はNHK『あさイチ』の料理コーナー「みんな!ゴハンだよ」に講師として出演し、最年少の講師と紹介されていました。

当時は中学3年生の15歳で、出演は本人が「出たい」と頼んで実現したものだったそうです。

そのときに作ったのは、祖母がよく作ってくれたという鹿児島の銘菓・かるかん。

その前の年には、料理教室に通って「料理とケーキを作る講師ができるような資格」をとった、と本人が話しています。

料理が好きで、人に教えるところまで積み上げてきた人なんですね。

自分の看板で挑まれるので、負ければ「得意なはずなのに」と言われてしまう立場。

阿部亮平が挑んできたのは、寺田心がいちばん負けたくない料理の土俵だったんです。

計量器と答えても止まらない時計

キッチンスケールの画像が映ったとき、寺田心は「計量器」と2回答えていました。

意味としては間違っていないのですが、画面に出た正解は「キッチンスケール(はかり)」です。

番組が用意した呼び名とは違ったため答えは認められず、時計は止まらないまま、寺田心はパスを選んでいます。

ここでも時計は24秒から17秒まで、7秒減っていました。

つまり、はかりが何なのかは、寺田心にもちゃんとわかっていたんです。

つまずいたのは料理の知識ではなく、番組が用意した呼び名が、その瞬間に口から出てこなかったところでした。

一方で、やかんの場面で寺田心の頭に何が浮かんでいたのかは、画面からはわかりません。

 

台所の見慣れた道具ほど、いざ名前を言おうとすると出てこないもの。

誰でも一度は「あれ、あれ、ほら」と、台所の道具の名前が出てこなかった経験があるのではないでしょうか。

ふだんの会話ならそれで通じますが、目の前に大きな画面があり、自分の番だけ数字が減っていき、すぐ横に相手が立っているTHE FLOORでは通じません。

しかもこの番組には机も手元のボタンもなく、2人は床の上に立ったまま答えます。

手を置く場所も体を預ける場所もないので、緊張したときの体の動きが、そのままカメラに映ってしまう作り。

ふつうのクイズ番組なら机の下に隠れる手や足の動きも、ここでは全部見えてしまいます。

 

対戦前に胸を叩いていた阿部亮平

この日の阿部亮平は、羽鳥慎一とのオリンピック競技の対決から勝ち上がってきていて、寺田心は3人目の相手でした。

同じ条件でも、阿部亮平は落ち着いて見えた、という声も出ています。

ただ、その阿部亮平も、緊張していなかったわけではないようです。

ファンのなかには、「寺田心さんとの対戦前に心臓トントンしてて」と、阿部亮平が対戦の前に胸を叩いていた様子を書いた人もいました。

落ち着いて見えた側も、見ていたファンには緊張が伝わっていたんです。

緊張が体のどこに、いつ出るかは、人によって違うのかもしれません。

 

3歳から芸能の仕事を続けてきた寺田心も、いまは18歳。

カメラの前には慣れているはずなのに、と思う人もいるでしょう。

実は寺田心自身、人前で評価される場面の緊張について、この夏に話していました。

THE FLOORの2か月ほど前、2026年8月15日に、寺田心は高校生の大会「全国高校生メンズフィジークチャンピオンシップ2026」に出場しています。

筋トレを始めて1年くらいで20キロ増やして臨んだ大会でしたが、ピックアップ審査で落選し、決勝審査には進めなかったとのことです。

そのとき本人は、デイリースポーツの取材にこう話していました。

「仕事とは違う緊張感があって。ランウェイとかは楽しめるんですけど、緊張しすぎて震えが止まらなくてやばいって感じでした」

ステージに立つと「頭真っ白でした」とも明かしていたそうです。

それでも落選のあとには「何かに1年継続できる力って大事なこと。そこに意味があると思う」と、前を向いて話していました。

 

お芝居やモデルの仕事なら楽しめるのに、自分そのものが審査される場所では震えてしまう。

THE FLOORも、寺田心本人として立ち、自分で得意だと言った料理で勝ち負けが決まる場所でした。

ネットにも「演技をするのと素の自分で出るのでは違うだろうしな」と書いている人がいます。

あの揺れがそのせいだったのかどうかは、本人にしかわかりません。

それでも8月の言葉を知ったうえで見返すと、やかんの前で止まった寺田心の姿は、頭が真っ白になっていた18歳の姿にも見えてきます。

「落ち着きない」と書いた人も、体調を心配した人も、見ていたのは画面の同じ揺れでした。

落ち着きなく見えたあの揺れは、得意な料理で負けられない場所に立った18歳の緊張だったのかもしれませんね。