ドラマ

長野利彦が別班だった伏線は?シーズン1の怪しいシーンを全部見直したい!

引用元:ナタリー

まさかの長野専務が別班でした!

『VIVANT』で長野利彦の正体が別班だと判明したことで、シーズン1の見え方が一気に変わりました。

丸菱商事の専務として登場し、誤送金事件では乃木憂助を厳しく追及。

さらに、太田梨歩との不倫や過去の薬物使用まで明かされ、「仕事はできるが私生活は少々残念なおじさん」という印象を残した人物です。

ところが、別班だったと分かったあとに見返すと、その残念さすら怪しく見えてきます。

防衛大学校を卒業したあとの空白期間。

太田との秘密の連絡。

毎回違うネットカフェを使う慎重さ。

そして、乃木やザイールに対する妙に鋭い反応。

長野が怪しく見えなかったのではなく、怪しさを別の理由で説明されていた。

そこが、この伏線の怖いところなんです。

 

長野利彦の正体を知ると印象が逆転する

シーズン1の長野は、別班の工作員というより、会社の事情に振り回される管理職として描かれていました。

乃木を追及する姿は厳しいものの、誤送金事件を考えれば、専務として不自然な対応ではありません。

太田との関係が発覚したあとは、さらに印象が崩れます。

公安に呼び出された理由も国家機密ではなく、不倫。

過去の空白について聞かれれば、薬物に手を出して更生施設へ入っていたと告白します。

秘密組織の一員とは思えないほど、格好がつかない説明ばかりでした。

 

しかし、これは長野を疑わせないための仕掛けだった可能性があります。

人は、分からない空白があると疑います。

一方で、恥ずかしくても具体的な理由を聞かされると、「そこまで話すなら本当なのだろう」と感じやすいものです。

薬物、不倫、匿名メール。

どれも十分に怪しいのに、別班とは別方向へ視線をそらす材料になっていました。

しかも、それを演じていたのが小日向文世です。

気弱さも不気味さも、どちらも成立してしまう。

シーズン1では「情けない秘密を抱えた専務」に見えた表情が、正体を知ったあとでは「どこまで計算しているのか分からない工作員の顔」に変わります。

いや、見事に隠されていましたね。

 

空白の2年と薬物更生施設は偽装だった?

長野の経歴で最も分かりやすく怪しいのが、防衛大学校卒業後にある約2年間の空白です。

長野本人は公安の取り調べで、薬物を断つために大分県の更生施設へ入所していたと説明しました。

公安側の確認でも、不審な点は見つからなかったとされています。

ただ、別班だったと判明したあとでは、この説明をそのまま受け取るのは難しくなります。

 

防衛大卒業後に残された2年間の空白

長野は1981年4月に防衛大学校へ入学し、1985年3月に卒業。

ところが、一橋大学大学院へ入学するのは1987年4月です。

この間にあるのが、約2年間の空白。

防衛大卒業という経歴だけでも、自衛隊や安全保障に関わる道を連想させます。

その直後に履歴が途切れているとなれば、放送当時から「別班の訓練期間ではないか」「秘密任務に就いていたのではないか」と疑われたのも無理はありません。

さらに、この時期が乃木の幼少期と重なることから、長野と乃木の過去を結びつける考察も生まれました。

戦場ジャーナリストの飯田と同一人物ではないかという説です。

この点は劇中で確定した情報ではありません。

ただし、長野の空白が単なる経歴の抜けではなく、視聴者に意識させるために置かれていた可能性は高そうです。

別班という正体を知った今では、何もなかった2年間より、公に書けない何かがあった2年間と見る方が自然でしょう。

 

野崎の裏取りを通過したカバーストーリー

長野は空白期間について、防衛大の厳しい訓練から気持ちを紛らわせるために薬物へ手を出し、それを断つために更生施設へ入ったと説明しました。

大学院への進学後も、施設へ通い続けていたと話しています。

ここまで具体的なら、普通は信じてしまいますよね。

しかも、公安側の確認では目立った不審点が見つからなかったとされています。

 

しかし、この確認には新庄が関わっていた可能性があり、新庄が後に裏切り者だったと判明したことを考えると、公安が正式に問題なしと確定したとまでは言い切れません。

それでも、別班は表向きの経歴や身分を隠して活動する組織です。

長野が長年活動してきたベテランであれば、調査を受けても崩れない履歴が用意されていても不思議ではありません。

むしろ、適度に傷のある経歴の方が本物らしく見えます。

完璧な人物は疑われますが、過去の失敗を自分から告白する人物は、どこか正直に感じられるからです。

 

薬物の話が事実だったのか、別班としての活動を隠すカバーストーリーだったのかは、現時点では断定できません。

ただ、正体が判明したあとでは、あの告白自体が取り調べを切り抜ける演技に見えてきます。

恥ずかしい過去をさらしてまで、本当に隠したかったもの。

それが、別班としての経歴だったのかもしれません。

 

太田梨歩との関係は本当に不倫だけだった?

長野と太田梨歩の関係は、シーズン1では不倫として処理されていました。

太田は丸菱商事の財務部に勤める一方、伝説のハッカー「ブルーウォーカー」という裏の顔を持っています。

長野は彼女と関係を持ち、匿名のメールアドレスから連絡を取っていました。

これだけなら、会社役員と部下の不倫です。

ところが、長野が別班だったと分かると、「なぜ相手が太田だったのか」という疑問が残ります。

 

「守ってもらうため」という太田梨歩の言葉

太田は黒須から長野との関係について尋ねられた際、最初は、いざというときに守ってもらうためだったと話しています。

この言葉は、当初は立場の弱い社員が会社役員との関係を利用したようにも聞こえました。

しかし、太田は一般的な会社員ではありません。

高度なハッキング能力を持ち、テントや別班に関わる情報戦でも重要な役割を担える人物です。

長野がその能力を把握していたとすれば、二人の関係は単なる男女関係だけでは説明しきれません。

 

太田を監視するため。

必要なときに保護するため。

あるいは、別班が利用できる協力者として近くに置くため。

そうした目的が含まれていた可能性も考えられます。

もちろん、劇中では長野が別班の任務として太田へ接近したとは明言されていません。

不倫自体が完全な偽装だったとも断定できないでしょう。

人間関係と任務が重なっていた可能性もあります。

ただ、別班の人間が伝説的ハッカーと偶然に不倫していた、と片づけるには少し出来すぎています。

偶然にしては、相手の能力が高すぎるんですよね。

 

失踪した太田梨歩へメールを送り続けた理由

太田が山本に拉致されて連絡が取れなくなると、長野は何度もメールを送り続けていました。

シーズン1では、不倫相手を心配する男性の行動として見ることができます。

ただ、その焦り方は「連絡が来なくて寂しい」というより、太田の身に何か起きたことを警戒していたようにも見えました。

太田は、丸菱商事の誤送金事件の核心に近づける人物です。

さらに、ブルーウォーカーとしての能力を考えれば、敵に確保された場合の危険性は大きい。

情報を引き出される可能性もあれば、逆に能力を利用される恐れもあります。

長野が太田を別班に関係する重要人物として見ていたなら、突然の失踪に神経をとがらせるのは当然です。

 

あのメール連打は、恋人を心配していたのか。

それとも、協力者の安全と情報漏えいを警戒していたのか。

おそらく、どちらか一つではなかったのでしょう。

不倫という私的な関係を見せることで、任務上のつながりまで隠せる。

長野にとっては、ずいぶん都合のいい関係でもあります。

 

fox.777に隠れていた別班らしい行動

長野が太田との連絡に使っていたのが、「fox.777」という名前のメールアドレスです。

公安が太田になりすまして呼び出したところ、姿を現したのは長野本人でした。

この場面だけ見れば、匿名メールを使っていた不倫相手が特定された展開です。

しかし、長野のメールの送り方には、一般的な不倫の証拠隠し以上の慎重さがありました。

 

毎回違うネットカフェを使った不自然さ

長野は、太田へのメールを毎回異なるネットカフェから送っていました。

自宅や会社の端末は使わず、送信場所も固定しない。

IPアドレスから居場所や利用者を特定されることを避ける行動です。

不倫が会社に知られないよう警戒していた、と考えることもできます。

ただ、毎回ネットカフェを変えるほど徹底するでしょうか。

普通の秘密の交際というより、追跡されることを前提に動いています。

正体判明後に見ると、これは別班として身についた習慣だった可能性があります。

 

痕跡を残さない。

同じ場所を繰り返し使わない。

私生活でも身元につながる線を作らない。

長野にとっては、不倫のために特別な技術を使ったのではなく、普段どおりに連絡を取っただけだったのかもしれません。

当時は「ずいぶん用心深い不倫だな」で終わりました。

今見ると、用心深いのではありません。

訓練されていたのです。

 

jmailとモニター説が注目された理由

「fox.777」には、いくつかの意味が隠されているのではないかと考察されてきました。

「fox」が海上保安庁の情報部門に関係する通称を連想させること。

さらに、「777」という数字が作品内の伏線と関係しているのではないかという見方です。

また、長野のメールと、ノコルが受け取っていたモニター関連のメールに同じ「jmail」というドメインが使われていたため、長野は日本側のモニターではないかという説も浮上しました。

 

この考察自体が正しかったとは限りません。

同じドメインが決定的な証拠になるわけでもないでしょう。

ただ、長野のメールアドレスが単なる連絡先以上の意味を持つように作られていた可能性はあります。

別班だと判明した今となっては、「fox」という名前も妙に似合います。

表では穏やかな会社役員。

裏では相手の動きを探り、自分の痕跡は残さない。

長野は、目立たずに周囲を観察する人物でした。

まさに、獲物を見つめる狐のような立ち位置です。

 

料亭と公安取り調べに出ていた長野利彦の本性

長野の別班らしさが特に見えやすいのが、乃木を料亭へ呼び出した場面と、公安の取り調べを受けた場面です。

どちらも、その時点では会社役員としての行動に見えます。

しかし、正体を知ったあとでは、相手から情報を引き出しながら、自分の情報は渡さない場面に見えてきます。

 

ザイールの名前に反応した料亭シーン

長野は乃木を料亭へ呼び出し、バルカで何が起きたのかを詳しく尋ねました。

誤送金事件の当事者に事情を聞くのは、専務として不自然ではありません。

ただ、その質問は会社の損失確認というより、現地で接触した人物や組織を探る内容に近いものでした。

特に、乃木がザイールの名前を出したとき、長野の反応が変わります。

Fも長野に対して警戒を示していました。

乃木の中にいるFは、相手の言葉や態度に潜む危険を敏感に察知します。

そのFが怪しいと感じたのなら、長野の質問には会社上層部としての関心以上のものがあったのでしょう。

 

長野は乃木を叱るために呼んだのではなく、バルカで何を見て、誰と接触したのかを確認していた。

そう考えると、料亭という場所も意味深です。

周囲の目を避けながら、一対一で相手の話を聞ける場所。

食事の席に見せかけた事情聴取だったのかもしれません。

 

「我々と同業では?」と疑われた取り調べ

公安の取り調べでは、野崎が長野の経歴に目をつけました。

防衛大学校卒業後の空白。

説明のつかない期間。

そして、慎重すぎるメールの送り方。

野崎は長野に対し、自分たちと同業ではないかという趣旨の探りを入れます。

この時点で、公安は長野の正体へかなり近づいていたことになります。

それでも、長野は崩れません。

薬物と更生施設という、本人にとって不名誉な話を差し出し、疑いの方向を変えました。

ここが、長野の怖さなんです。

 

嘘をつく人物は、立派に見せようとしがちです。

ところが長野は、自分を小さく見せる情報を使いました。

過去に薬物へ逃げた弱い人間。

若い女性と不倫する立場のある男性。

そう見られた方が、国家のために秘密任務を行う工作員だと思われずに済みます。

長野の最大のカバーストーリーは、立派な人物を演じることではなく、少し情けない人物に見せることだった。

だからこそ、視聴者も公安も、その裏にある本当の顔を見落としたのでしょう。

 

シーズン1で描かれた長野の怪しい行動は、正体判明後に突然生まれたものではありません。

空白の2年も、太田との関係も、fox.777も、料亭での質問も、最初から画面の中にありました。

ただ、それぞれに別の説明が与えられていたのです。

薬物だった。

不倫だった。

会社の調査だった。

一つずつ見れば、それなりに納得できる。

しかし、別班という答えを知ったあとですべてをつなげると、別の人物像が浮かび上がります。

丸菱商事の専務という立場に潜み、ハッカーと接触し、乃木の動きを探り、公安の追及までかわしていたベテラン工作員。

「伏線がなかった」のではありません。

あまりにも人間くさい失敗の中に隠されていたから、伏線だと気づけなかったのです。

error: Content is protected !!