お名前.comデスクトップクラウドへの不正アクセスで、GMOインターネットグループは2026年10月24日、利用者への5,000円のお見舞金と、不正な取引で出た損失の補償を発表しました。

FXの自動売買に使われていたサーバーが狙われ、利用者の取引口座で身に覚えのない取引が起きていた件です。

発表はネットで「神対応」と受け止められていますが、口座を動かされた人にとっては、それで気持ちが収まる話でもありません。

利用している人たちからは「もう関わりたく無いから全部のサービス解約したいです」「解約したいのに、繋がらないから解約できない」という声も上がっています。

ただ、見舞金の対象の書き方をよく読むと、急いで解約すると5,000円から外れるかもしれないんです。

今回は、GMOの見舞金と補償の中身と、解約したい人が先に知っておきたいことを、わかりやすく解説していきたいと思います。

解約したいのに電話がつながらない

口座を勝手に動かされたサービスに、毎月お金を払い続けるのは気持ちが悪いですよね。

もう関わりたくないと思うのは、ごく当たり前の感覚だと思います。

しかも電話の窓口は、最初のお知らせでは平日の昼間だけ。

23日からは土日・祝日も含めて24時間受け付けるようになりましたが、24日の昼になっても、電話がつながらないという声が出ていました。

つながらない電話を何度もかけ直すだけで、くたくたになってしまう。

ただ、急いで解約する前に知っておきたいことが3つあります。

まず、このサービスにはもともと最低利用期間があること。

公式のよくある質問には、利用を始めた翌月から数えて3か月を最低利用期間とし、そのあいだの解約は指定できず、払った料金も返金しない、と書かれています。

騒ぎのさなかに解約の手続きをしたら、あと3か月分払うように言われた、という声もありました。

次に、解約したらどうなるのかが、まだ発表されていないこと。

今回のお知らせは、乗り換えを希望しない人の契約と利用料金の扱いを、10月30日(金)23時59分までにメールで知らせる、と書いています。

しかも、サーバーが止まっていた期間の料金がどうなるのかも、いまのところ書かれていません。

そして3つ目が、お見舞金の対象が「本サービスを現在ご利用されているすべてのお客様」となっていること。

その「現在」がいつの時点を指すのかは、どこにも書かれていません。

急いで解約した人がお見舞金の対象に入るのかどうかは、いまの発表からは読み取れないんです。

解約の扱いがまだ発表されていない以上、いま電話がつながっても、はっきりした答えはもらいにくいでしょう。

解約するかどうかは、10月30日のメールを読んでから決めても遅くはなさそうです。

 

でも、もう解約している人も他人事ではありません。

損失の補償の項目には、いまの利用者に限るという書き方は見当たりませんでした。

とはいえ、解約した人も対象になるとはっきり書いてあるわけでもありません。

昔使っていただけの人も、口座のパスワードを変えておくに越したことはないでしょう。

 

サーバーの中のデータがそのまま戻ってくるのか、と気にしている人もいました。

今回のお知らせによると、GMOは不正アクセスを受けたいまの仕組みを、そのまま再開しないと決めています。

代わりに、別の基盤で動くサービスへの乗り換えを案内し、乗り換えたあとは6か月間無料になるとのこと。

本人の同意なしに移すことはない、とも書かれていました。

ただ、いまのサーバーの中に残っているデータがどうなるのかは、まだ書かれていません。

無料の6か月が過ぎたあとに何にいくらかかるのかも申し込む前に案内するそうなので、乗り換える前に確かめておきたいところです。

 

見舞金5,000円と補償は別のお金

お見舞金をもらったら、もう何も言えなくなるのでは、と身構えた人もいると思います。

ネットにも「見舞金受け取ると、今後被害を受けても却下される可能性がある」という声がありました。

今回のお知らせに書かれているお金はふた通りあって、出る条件がまったく違います。

まずお見舞金は、このサービスを現在利用しているすべての人に、金銭的な被害があってもなくても一律5,000円。

受け取りの手続きや支払いの時期は、10月30日(金)23時59分までに、登録しているメールアドレスへ知らせるとのことです。

もうひとつが、不正な取引で出た損失の補償。

対象になるのは、今回の不正アクセスが原因の取引だとGMOが調べたうえで認めたもので、実際に出てしまった損失(売買の差損や手数料など)に限られます。

市場の値動きによる損失、取引で得られたはずの利益、そのほかの間接的な損害は対象に入らないと書かれていました。

そのうえでお知らせは、お見舞金は迷惑と不安をかけたことに対するもので、損失の補償とは別に支払う、とはっきり分けて書いてあるんです。

受け取ったら補償がなくなる、という書き方はどこにもありません。

 

ネットには「証券会社で補填された人は二重で貰えるのかな」という声もありました。

これにも答えがあって、補償を申し込む前に、利用者が取引所など(お知らせは、証券会社やFX会社をこう呼んでいます)へ事情を説明し、取引の取り消しや返金を相談する手順になっています。

取引所から返ってきた分を差し引いて、残りをGMOが払う形。

取引所が返金に応じない場合も、GMOが払うとしています。

両方から同じ損失を受け取ったときは、その分の返還を求めることがあるそうです。

申請のやり方や必要な書類、受付の期間と支払いの時期は、11月6日(金)までに公式サイトとメールで案内されることになっています。

お見舞金を受け取ったあとの扱いが気になる方は、同じ10月にお見舞金を決めたタイムズカーの件も参考になるので、読んでみてくださいね。

タイムズカー見舞金3000円は安すぎ?受け取ったら終わりなのかタイムズカーの情報漏えいで、パーク24が決めたお見舞金は1人3000円でした。 2026年10月23日の発表で、現金か金券のどちらかで...

お名前.comなのにFXの口座が動いた理由

そもそも、ドメインの会社でなぜFXの口座が動くのか、と首をかしげた人もいたのではないでしょうか。

お名前.comデスクトップクラウドは、ドメインの登録とは別のサービスで、ネット上にあるWindowsのパソコンを借りる形のものです。

FXの自動売買ソフト(MT4やMT5という取引ツールが定番です)を一日中動かしておくために使う人が多く、自宅のパソコンを切っても取引が止まらないのが売りでした。

そのパソコンの中には、自動売買のソフトと一緒に、証券会社やFX会社の口座へログインするための情報も入っています。

 

これまでのお知らせによると、経緯は次のとおり。

  • 10月19日、利用者からの問い合わせを受けて調査を始める
  • 10月20日、不正なプログラムが置かれているのを確認し、新しい申し込みとコントロールパネルを止める
  • 10月21日、全プランのサーバーを順番に止めて、最初のお知らせを出す
  • 10月22日、警察に相談し、第2報を出す
  • 10月23日、第3報を出す
  • 10月24日、第4報で見舞金と補償を発表する

最初のお知らせでは、影響の可能性があるサーバーは26,739件で、預かっている個人情報の漏えいは確認されていない、という書き方でした。

そしてその後のお知らせも、この件数は対象になりうるサーバーの数で、不正アクセスや情報の持ち出しが確認された件数ではない、と断っています。

それが今回のお知らせでは、サーバーに不正にアクセスされ、利用者の情報が外へ持ち出された事実を確認した、という書き方に変わりました。

一部の利用者からは、取引口座で身に覚えのない取引があったという報告も届いているとのこと。

ネットには、口座から55万円がなくなったという投稿も出ています。

 

しかもGMOは、攻撃者とみられる相手から金銭を要求されていて、応じなければ情報を公開すると脅されていたそうです。

GMOは要求には応じないと決め、相手が「情報」と称するものを出してきても事実と違う内容が混じるおそれがある、と注意を呼びかけています。

攻撃者を名乗る側が出している被害額などの数字も、GMOが確かめたものではありません。

あわせてGMOは、国が攻撃者の拠点を突き止めて無力化する「能動的サイバー防御」を、この件で使ってほしいと政府に求めた、とも書かれていました。

 

パスワードを変えても止まらない取引

解約したい気持ちのいちばん奥にあるのは、これ以上お金を取られたくない、という不安だと思います。

ところが、その不安を減らす手立ては、お名前.comの解約手続きの中にはありません。

サーバーはもう止まったまま。

取られた可能性があるのは、証券会社やFX会社の口座にログインするための情報です。

GMOが至急やってほしいとお願いしているのは、次のことでした。

  • FXの取引に使っていない端末(スマホや別のパソコン)から、口座と取引ツールのパスワードを変える
  • ログインしたままの接続(セッション)を全部切る。自分で切れなければ証券会社の窓口に頼む
  • 取引の履歴と残高を確かめ、身に覚えのない取引があれば、まず証券会社へ連絡する
  • 二段階認証が使えるなら設定する
  • 同じパスワードをほかのサービスでも使っていたら、そちらも変える

この中でいちばんわかりにくいのが、セッションを切るという話でしょう。

FXの自動売買をしている人のあいだでも、パスワードを変えたのになぜ止まらないのか、と首をかしげる声が出ていました。

お知らせには、パスワードを変えたあとも、証券会社のサーバーの仕組みによっては前からの接続がしばらくつながったままで、第三者が取引を続けられる場合がある、と書かれています。

玄関の鍵を替えても、すでに家の中にいる人は出ていかないのと同じで、その人を外へ出すのがセッションを切る作業です。

自分で切り方がわからなければ、証券会社の窓口に全部のセッションを切ってもらうよう頼めばよい、とGMOは案内しています。

 

もう1つ、身に覚えのない取引の画面は、消さずに保存しておきましょう。

補償の対象かどうかは、GMOが取引の記録やアクセスの記録をもとに確かめる仕組みで、利用者は取引の日時や内容、損失額がわかる情報を出すことになっています。

本人確認の書類や、MT4・MT5の閲覧専用パスワード(取引はできず、口座を見るだけのパスワード)を出してもらうことがある、とも書かれていました。

そのかわりGMOは、補償の手続きで、それ以外のパスワードや暗証番号を聞くことはないと書いています。

「補償の手続きはこちら」というメールが、いちばん本物らしく見えてしまう時期です。

なので、補償や返金をうたう不審な連絡や、攻撃者を名乗る相手からのメールは、リンクも添付ファイルも開かずに、返信もしないでおきましょう。

もう関わりたくないという気持ちは、そのままで構いません。

先に動かすのは解約のボタンより、証券会社のパスワードとセッションのほう、ということですね。

 

この記事で参考にした情報

  • GMOインターネットグループ/GMOインターネット「お名前.com デスクトップクラウドサービスに対するサイバー攻撃について(第4報)」2026年10月24日
  • 同「不正アクセスに関するお詫びとお知らせ」第1報(10月21日)・第2報(10月22日)・第3報(10月23日)
  • お名前.com デスクトップクラウド公式サイト「よくある質問」(最低利用期間)