コムドットやまとが『盗撮』に警告|去年は晒さないと言っていた件

自分の親と一緒にいるところを遠くから撮ってきたカップルへ、人気YouTuberグループ・コムドットのリーダー、やまとがこう書きました。
「もし親の顔をSNS出した場合2人の写真を全国に公開します」
Instagramのストーリーズ(24時間で消える投稿)に出したものとされ、いまは画面の写しがネットで広まっています。
ネットの反応を拾っていくと、親を撮られた怒りに寄り添う声よりも、「その2人の写真を持っているなら、やまとも撮っているのでは」というツッコミが多く並んでいました。
引っかかった人が多いのには、もうひとつ事情があります。
去年の秋、やまとは盗撮してきた学生の学生証を控えて学校に報告すると話し、こちらも大きな話題になりました。
コムドット やまと
外ロケ中に学生にカメラを向けられブチギレ
学生証を控えた、盗撮を学校に報告すると発言— ᴋ_ᴍᴀʀᴜ_ᴅᴀᴜ_ʙᴀʙʏ (@k_maru_dau_baby) 2025年11月13日
そのとき本人は、相手を晒すことはしないと話していたんです。
今回は、去年と今回で何が変わったのか、そして「お前も盗撮では」というツッコミをどう見ればいいのかを、わかりやすく解説していきたいと思います。
親といるところを撮られたという訴え
出回っている画面の文章は短く、前半にはこう書かれていました。
「とある場所で親と撮影をしているのですが、盗撮が多すぎて気持ち悪いです」
「景色撮るみたいな顔してこっち側にカメラ向けてるの分かるし、今回は親もいるので徹底的に叩き潰してます」
このあと、遠くから撮ってきたカップルの2人へ、という呼びかけが続いて、「全国に公開します」の一文で終わっていました。
どこで、どんな撮影だったのかは書かれていません。
動画なのか写真なのか、親もカメラの前に立っていたのかも、この文からは分からないままです。
景色を撮るふりをしながら、レンズの向きだけはこちらへ。
旅行先や人の多い場所でそんな場面に出くわしたことがある人なら、あの居心地の悪さは想像がつきますよね。
しかも今回は、カメラの先に本人だけでなく親がいました。
人前に出る仕事を選んだのはやまと本人で、親は有名人でもなんでもない一般の人です。
ネットでも「流石に親まで撮るのはキモすぎますね」「親の顔まで盗撮されたらキレるのはわかる」と、そこには理解を示す声が出ています。
家族まで撮られる被害は、ほかの人気YouTuberも訴えていて、10月13日には登録者数920万人のフィッシャーズのリーダー、シルクロードが、実家のまわりで写真を撮っていく人がいると動画で警告していました。
「有名税だから」に反発
フィッシャーズ・シルクロード、実家周辺の盗撮・つきまといに警告・実家脇の通路や敷地内をうろつく人物がいた
・母親が明かりを点けると、その人物はあわてて逃走
・表札を撮影していく人物、何度も行き来して写真を撮る人物も… pic.twitter.com/NHXF1kxY6u— ユーチュラ-YouTubeランキング (@ytranking) 2026年10月14日
動画では「怖いものは怖い、嫌なものは嫌、気分悪いものは気分悪いっていう権利もある」とも話していたそうです。
親を撮られて嫌だという気持ちそのものは、まっすぐなものだと思います。
「晒したりはしない」と言った去年の動画
では、去年の秋に何があったのでしょうか。
2025年11月11日、コムドットは「【釣りなし】4年ぶりにやまとが盗撮にブチギレました」という動画を公開しています。
【釣りなし】4年ぶりにやまとが盗撮にブチギレましたhttps://t.co/yFHAULE8IS
とあるロケの最中に盗撮されてしまったやまとがブチギレるシーンの一部始終をカメラに収めたので後悔します。 pic.twitter.com/SdcbKewxqa— コムドット (@Comyoutuber2) 2025年11月11日
J-CASTニュースによると、動画のもとになったのは、やまと以外のメンバー4人が2チームに分かれて、公園を歩くやまとにバレないよう盗撮して枚数を競う、という遊びの企画だったそうです。
その撮影の最中に、本物の通行人がやまとへカメラを向けてきて、こちらは遊びではすまなかった、という流れでした。
相手は学生で、やまとは「学生証だけ控えさせてもらって『それ学校に言うんで』っていうふうに言いました」と明かしています。
そのうえで話したのが、次の言葉です。
「僕、大人なんでその子を晒したりとかそういうことはしないけど、ここからもそういうことをやる人に対してはガンガン学校とか会社とかには報告します」
同じ動画では、盗撮について「本当に嫌い。(盗撮を)する人のことを本当に人として下に見てるかな」とも言っていて、「盗撮ぐらいいいやん」「有名税だろ」といった言い分には「ロジック通ってなさ過ぎてきしょい」と返していました。
盗撮には本気で怒るけれど、相手を晒すことはしない、という構え。
去年のやまとは、怒ることと晒すことのあいだに、自分で線を引いていました。
今回の「2人の写真を全国に公開します」は、去年の自分が引いたその線を越える一文。
親がいたぶん、怒りが強くなったのかもしれません。
それでも去年の動画を覚えている人ほど、そこで引っかかったんだと思います。
「お前も盗撮では」は当たっているのか
ネットには「お前もカップル盗撮してるってことじゃん笑」「同じ穴の狢ってことか」という声が並びました。
「盗撮嫌だってのは当然の感覚だと思うけど、そのカップルの写真を公開できるってことはやまと側も盗撮やんかとは思う。」と、気持ちには理解を示しつつ首をかしげる人もいます。
ただ、本人の文には、2人の写真をどうやって手に入れたのかは書かれていません。
「徹底的に叩き潰してます」が、その場で注意したという意味なのか、撮り返したという意味なのかも、読み取れないままです。
撮ったかどうかは、外からは確かめようがありません。
では、法律の目で見るとどうなのでしょうか。
そもそも法律でいう盗撮は、ふだんの会話で使う盗撮よりかなり狭い言葉です。
2023年7月にできた撮影罪(性的姿態等撮影罪)が対象にしているのは、性的な部位や下着などをこっそり撮る行為で、離れたところから人の顔を撮ること自体は入っていません。
各地の迷惑防止条例も、中心にあるのは同じように下着などの撮影です。
ただ、知らない人の顔を勝手に撮っても自由なのかというと、そうとも言い切れません。
この疑問は今回の件の前からネットにあって、「肖像権って消滅したんでしたっけ?」と首をかしげる人もいました。
いろんな人が、一般人を勝手に撮影してネットにアップしてるけど、肖像権って消滅したんでしたっけ?
— ささみ (@i_love_reiwa) 2026年8月12日
肖像権は裁判の積み重ねで形になってきた権利で、よく引かれるのが2005年11月10日の最高裁の判決です。
判決は、人には「みだりに自己の容ぼう,姿態を撮影されない」利益がある、と認めました。
撮影が違法になるかどうかは、撮られた人の社会的地位や、撮った場所、目的、撮り方などを合わせて考える、とされています。
同じ判決には、人は「自己の容ぼう等を撮影された写真をみだりに公表されない人格的利益も有する」という一文も入っていて、撮られることと、撮られた写真を世に出されることは、判決の中でも別々に書かれているんですね。
しかもやまと自身、去年の動画では盗撮を許す事務所を「タレントの肖像権も守れないような、そんなへぼ事務所辞めちまえばいいんだよ」と責めていて、肖像権という言葉を自分から使っていました。
そして、親も、遠くから撮っていたカップルも、有名人ではない一般の人という点は同じです。
そのうえで、はっきりしているのは、写真を出すと書いた一文でした。
多くの人が引っかかったのも、撮る場面より、その一文です。
なお「これは強要罪では」という声もありましたが、罪になるかどうかは言葉と事情を合わせて決まることなので、ここでは判定しません。
全国だけじゃない写真の持っていき先
撮ってきた相手を見つけたとき、その写真や証拠をどこへ持っていくか。
まず、去年のやまとが選んだのは学校で、今後は会社にも報告すると話していました。
コムドットやまと盗撮した学生の学生証控えて学校に報告するってすごいな..報告された学校側はどんな対応するんだろ。 pic.twitter.com/CiTYM5BPGB
— そらまめ (@rakkkkkkkoo) 2025年11月14日
撮った人を叱る役目のある場所へ、話を届けるやり方。
シルクロードの場合は警察で、「見つけた瞬間に速攻、その証拠を持って提出しに行きます。どこかは分かるでしょう?」と話していたそうです。
どちらも、撮った本人のことを知っている人や、事情を聞く手順を持っている人のところへ持っていく形でした。
ところが全国に出すとなると、写真を見るのは、撮った2人のことを何も知らない大勢の人になります。
ネットには「インカメラで自分達撮ってただけかもしれんやん?」という声もありました。
その声のとおり、遠くからカメラを向けていた2人が、本当に親を撮っていたのかは、外からは確かめようがありません。
学校や警察なら事情を聞く手順がありますが、いちど全国に出た顔は、あとから間違いと分かっても引っ込められないんです。
とはいえ、今回の文には「もし親の顔をSNS出した場合」という条件が付いています。
親の顔を出さなければ写真も出さない、という約束の形です。
この記事を書いている10月18日の時点では、2人の写真が実際に出されたという話は見当たりません。
親を守るための警告として書いた、と読むこともできるでしょう。
もし自分の写った写真を勝手に投稿されたときは、XにもInstagramにも、プライバシーの侵害として削除を求める報告の窓口が用意されています。
親を守りたいという気持ちは、きっと多くの人に伝わっているはずです。
それでも、去年のやまとが自分で引いた「晒したりはしない」の線が、親を撮られた日にも残っていてほしかった、と思ってしまいますよね。
