VIVANTで別班員を連れ去っていく、眉のないスキンヘッドのあの悪役は誰なのか。

放送のたびに気になって、思わず調べた人も多いのではないでしょうか。

第2シーズンの初回から、お笑いコンビ・ドンデコルテの渡辺銀次ではないかという声が相次いだほどですが、演じているのは別の俳優でした。

 

10月4日の第19話で凄まじい拷問の場面を演じたあとには、本人のもとに「お前もうテレビでんな」というメッセージまで届いたそうで、本人の返事も含めて話題を集めたばかり。

今回は、あのスキンヘッドの悪役を演じている俳優がどんな人なのか、これまでの出演作や素顔、そして届いた声への返事まで、わかりやすくまとめていきたいと思います。

黒須を連れ去った眉なしの男

あの男の正体は、リンリンという俳優。

演じているのは、周浩然(シュウ・ハオラン)という男です。

第2シーズンで別班員を次々と拉致した、中国の諜報組織「シンシー」の工作員で、拉致の実行犯たちの中心にいる人物として描かれています。

別班というのは、主人公の乃木憂助(堺雅人)も属している、自衛隊の非公認の諜報組織のこと。

第2シーズンは、テロ組織テントをめぐる任務に関わった別班員5人が何者かにさらわれ、別々の国へ運ばれるところから始まりました。

初めて画面に出てきたのは、2026年7月26日に放送された第2シーズンの初回、第11話。

柔道女子48キロ級のパリ五輪金メダリスト・角田夏実がサプライズで登場して話題になった空港の場面で、黒須(松坂桃李)を襲った集団の中に、あの眉なしの顔がありました。

強烈な見た目に、角田夏実に気づかなかったという声まで出たほど。

ただ、この時点では役名は伏せられたままでした。

 

リンリンの名前は、放送の1週間前の7月19日に、新しいキャスト14人のひとりとして発表されていたそうです。

その発表では、「まだ役名や出演シーンは明かせませんがみなさん重要な役どころです」と、名前だけが並べられていたとのこと。

放送前の7月20日の密着番組『「VIVANT」堺雅人の挑戦に完全密着』では、松坂桃李が注目の新キャストとして「リンリンですね」と名前を挙げ、二宮和也も「しゅうさん」という役の名前を口にしていました。

見ている側が「周」という名前と顔を結びつけられるまで、少し時間がかかった格好です。

本人がXで初めてつぶやいたのは、初回の放送から3日後のことでした。

「今まで見るだけだった」という一言からも、それまでSNSで名前を売ってきた人ではなかったことが伝わってきます。

名前でも顔でも別人に間違えられた

リンリンという名前を聞いて、まったく別の人を思い浮かべた人も少なくありませんでした。

モーニング娘。の8期メンバーだった中国出身のリンリンと、解散したBiSHのリンリン(現在の名義はMISATO ANDO)の2人。

報道によると、キャスト発表の段階では、どちらかがVIVANTに出ると思っていた人もいたようです。

放送後には、「リンリンってどんな可愛い子かしら?と思ってたんだけど強面眉なしスキンヘッドの黒須を拉致ったアンニャローだった!」という声まで紹介されていました。

 

そして名前に続いて、顔でも別の人に間違えられています。

第11話の放送中から、あのスキンヘッドの男はお笑いコンビ・ドンデコルテの渡辺銀次ではないか、という投稿が相次いだそうです。

渡辺銀次は2025年のM-1グランプリで準優勝したコンビの一人で、VIVANTのサイドストーリー『ドラム―VIVANT THE ORIGIN STORY―』にザウル役で出演しています。

本編にも出てきたと思った人がいたのも、無理はない流れでした。

ところが第11話のクレジットに、渡辺銀次の名前はありません。

さらに、放送のあとに出たネットニュースの中には、このスキンヘッドの男を話題にしながら、演じた俳優の名前を書いていないものもあったといいます。

名前を聞けば別の人が浮かび、顔を見れば別の人に見えて、記事を読んでも名前が出てこない状態でした。

初回の放送からしばらくのあいだ、リンリンはずっと〈誰か別の人〉として見られていたんです。

それでも9月に入るころには、本人のInstagramまでのぞきに行く視聴者も出てくるようになりました。

宮崎生まれで中国語も話す43歳

では、リンリン本人はどんな人なのでしょうか。

本人のXのプロフィールには、宮崎出身、身長180cm、拠点は東京と中国、と書かれています。

話せる言葉は日本語と中国語がネイティブで、英語も話せるとのこと。

年齢は43歳と報じられていて、プロフィールには「現在フリーランス」とも書かれています。

報道では、中国の映像作品に数多く出演してきて、近年は日本でも活躍の場を広げている俳優として紹介されていました。

日本語と中国語の両方を話せるところは、中国の組織の工作員という役柄とも重なって見えます。

 

日本の作品で見覚えがあるとすれば、NHKのドラマでしょう。

2024年の大河ドラマ『光る君へ』では、主人公のまひろ(吉高由里子)が訪れた越前に滞在していた宋の商人・羌世昌(チャン・シーチャン)を演じていました。

2025年には、NHKのドラマ『東京サラダボウル』にも出演しています。

映画情報サイトの映画.comの出演作の一覧には、2020年公開の映画『キスカム! COME ON, KISS ME AGAIN!』も載っていました。

VIVANTの放送後には、「大河にも出てたの!?」と驚く声が広がったそうです。

同じ人だと気づかなかったのも当然で、光る君へのときは髪も眉もひげもある姿でした。

 

Instagramを始めたのは2026年の6月からだそうで、そこに載せた1枚が、思わぬ形で話題になったこともあります。

写っているのは、宮崎県都城市の霧島酒造がつくる焼酎「白霧島」。

本人は宮崎出身なので、ふるさとのお酒を載せただけかもしれません。

それでも、悪役の投稿ひとつで「白」の字から別班のスパイ説まで出てくるあたりが、考察好きの多いVIVANTらしいところですね。

頭は本当に剃っていた

あのスキンヘッドは、かつらでも特殊メイクでもありません。

本人は放送前に、この1年は髪を剃ってスキンヘッドにしていたと明かしています。

知り合いにかつらではないのかと聞かれることもあったそうで、「自分ではあるものを減らすことはできるから、そこは全然リアルに剃りましたと」と書いていました。

続けて「ただ伸ばすのは時間かかるもので…」とも。

一緒に載せた、髪もひげもある写真については、ひげは「本物の毛を使って丁寧に仕上げていただいたもの」と説明していました。

そして、いまはもう髪が伸びているそうです。

 

10月6日の投稿には、TBSに置かれたVIVANTのモニュメントにサインをしに行ったときの話が出てきます。

「髪が伸びていて誰にも気づいてもらえなかった」とのこと。

画面ではあれほど目立つ顔なのに、髪が伸びただけで、目の前にいても誰にも気づかれなかったわけで。

ここでもまた、本人が本人として見られていません。

ネットでは、その落差を面白がる声も上がっています。

8月3日のInstagramでは、初回の反響について「まだ僕は無名ですし、(記者は)『誰なんだろう?』と思って書かれたのかもしれません」とつづっていました。

同じ投稿には、「ある程度はあるかもと思っていましたが、まさか初回からとは!」という驚きと、「VIVANT様々です」という一言も添えられています。

名前の載っていない記事にも、記事にしてもらえたこと自体がありがたいと書き、「実際にすぐに僕のことも追記して下さいましたし」と、直してくれた媒体へのお礼まで書いているんです。

そのうえで「このまま退場して”悪役会議室”行き候補生なのか…」と、自分の役の行く末までネタにしていました。

悪役会議室というのは、TBSラジオとYouTubeで放送されているVIVANTの関連番組のこと。

声に出して笑える形で、自分の立ち位置を見せてくれる人なんですよね。

お前もうテレビでんなと届いたDM

その人柄が、いちばんよく出たのが、10月の投稿。

10月4日の第19話では、周浩然たちが別班員の和田貢(平山祐介)に凄惨な拷問を加える場面が描かれました。

シンシーが別班員から何を聞き出そうとしているのかは、こちらで整理しています。

VIVANTの拷問が地獄すぎる…シンシーは別班員から何を聞き出したいのか日曜劇場『VIVANT』第19話の冒頭に出た、「本日の放送には、一部に暴力的描写を含む表現があります」という注意書き。 その言葉どおり...

放送のあと、リンリンのもとには多くのメッセージが届いたそうです。

10月6日のInstagramで、本人はその一部を自分で公開しました。

書き出しは「お前らだいぶオレにムカついているみたいだな 本当にたくさんのメッセージが届いているぞ」と、周浩然そのままの口ぶりです。

「VIVANTの演技最高です」「俺もシンシーに入れてください」という応援がある一方で、こうした言葉も並んでいました。

  • 「絶対許さないからな」
  • 「最悪だね」
  • 「お前もうテレビでんな」

最後の一言には、「最後のとかオレ様でも少しこたえるけどな」と書いています。

それでも、周浩然の口ぶりのまま「だがな、役者冥利に尽きるよ」と続け、「全部ひっくるめて、ありがとう」と返していました。

ベジータがいたからカカロットが輝き、ジョーカーが凄まじかったからダークナイトは傑作になった、という例えまで添えて、「オレ様はゴーイングヴィランウェイだ」と宣言しています。

そのすぐあとに「ちょっと何言ってるかわからないが貴様らはせいぜい奪還組を応援してやるんだな」と自分でツッコミを入れているあたりに、隠しきれない人のよさがにじんでいました。

Xにも、同じ調子の短い一言を残しています。

ここで少し立ち止まって考えたいのが、この怒りの届き先です。

周浩然という男には、DMを送れる窓口がありません。

画面の中の悪役に腹を立てた気持ちは、行き場をなくすと、演じた俳優本人のアカウントへ向かってしまうもの。

名前を間違えられ、顔を間違えられ、髪が伸びたら気づかれなかった人が、最後には役そのものと取り違えられた形です。

役と本人の差を、光る君へのときの写真と並べて見せた人もいます。

コメント欄には、「ドラマの役柄が悪いだけでリンリンさん誹謗中傷するのはおかしくね?」という声も寄せられていました。

「視聴者を本当に腹立たせるほどの悪役演技ができるというのは凄い事」と書いた人もいます。

 

腹が立ったこと自体は、悪役がうまくいっている証拠なので、まったくおかしくありません。

ただ、その腹立ちを向ける相手は画面の中の周浩然で、宮崎出身の43歳の俳優ではないんです。

本人はInstagramの投稿の最後を、「次回放送まで、その怒りの火を消すな」と締めていました。

怒るなら、画面の中の周浩然に向かって、思いきり怒ってほしいということなのでしょう。

次の日曜、眉のないあの男が画面に映ったら、その名前がリンリンだと思い出しながら観るのも楽しいところですね。