防災庁の食料備蓄の緊急要請|買い占めずに1週間分そろえる順番

※この記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれています。
2026年11月2日、発足したばかりの防災庁が、全国民に向けて「事前防災徹底のための緊急要請」を出しました。
中身は、水や食料を最低3日分、できれば1週間分家に置いておいてほしい、というもの。
ところが見出しに「緊急」という言葉が付いたこともあって、ネットでは「何が起きるの?」「理由を言って」という声と一緒に、いつも買っている安い水が棚から消えていたという声まで出ています。
🚨お知らせ🚨
明日11月2日に政府より「備蓄の緊急要請が出る予定がございます。しかしながらこちら、「何かが絶対起こるから早くしろ」という意味ではなく、当日に新たな省庁である防災庁が発足するのでそこからの案内とみられます。 pic.twitter.com/oXmUDFlTfw
— カヘルの地震予想 (@KaheruEQ) 2026年11月1日
備蓄するお金の余裕なんてない、という声も、買い占めが起きたらどうするの、という心配も、どちらももっともな気持ちですよね。
ただ、国の世論調査をのぞくと、家に食べ物があっても、それを食べる手前でつまずきそうな家が少なくありませんでした。
今回は、緊急要請の中身を確かめたうえで、店の棚を空にせずに食料を1週間分そろえる順番を、わかりやすくまとめていきたいと思います。
「緊急」の理由は地震の予知ではなかった
防災庁は、災害への備えから復旧・復興までを受け持つ国の新しい役所で、この日に発足しました。
同じ日に出た緊急要請は、都道府県知事あての通知と、各府省庁あての依頼もいっしょになっています。
国民向けは細野豪志防災大臣の名前で出され、家具の固定、水と食料と携帯用トイレの備蓄、ハザードマップの確認、非常持ち出し品、防災訓練が並んでいました。
食料について書かれているのは、この部分。
「大災害では、すぐに助けが来るとは限りません。最低3日間、できれば1週間分の水や食料を備蓄してください。」
では、なぜ「緊急」なのか。
細野大臣は発足の数日前、Xで「地震などの災害の予知情報が入っていることを契機とするものではありません」と書いて、防災庁の発足に合わせた事前防災のための要請だと説明していたそうです。
要請文が挙げている理由も、千島海溝地震や南海トラフ地震、富士山噴火などの「国難級の災害の発生が懸念されています」という一文と、「本日、防災庁を設置し」という一言だけでした。
この「緊急」は、新しい役所が最初の日に出した呼びかけにつけられた言葉なんです。
それならそうと、ニュースの見出しでも言ってくれればいいのに、と思いますよね。
「緊急」の言葉だけが先に流れてくれば、身構えてしまうのも無理はありません。
しかも、発足の初日に言うことが「各自で備えて」なのか、という引っかかりも残ります。
国民にその為のお金がないんだよ
全部、国や行政が支給しろよって話
#防災庁 #細野防災大臣 #国民を見ろ #金がないんだょ【全文掲載】全国民に「事前防災徹底のための緊急要請」 細野防災大臣 「水・食料、携帯用トイレ等の備蓄」など(FNNプライムオンライン) https://t.co/uLQ0yStFTG
— 矢﨑です@kcr125 (@da64wkcr125) 2026年11月2日
要請文はその点を「行政だけによる対応には限界があるため」と書いていて、大きな災害では国も自治体もすぐには手が回らないと、自分から認めた形です。
そのうえで、食料の段落の最後には、こんな一行が置いてありました。
「日頃、使っているものを多めに買っておき、使ったら補充する習慣を身に付けましょう。」
今週中にまとめて買いそろえて、とはどこにも書いていないんですよね。
それでもネットには、買い占めを心配する声がたくさん並んでいました。
米が1.5倍売れただけで棚が空いた2024年の夏
その心配には、ちゃんとした理由があります。
2024年の8月、南海トラフ地震臨時情報が出たあと、スーパーから米が消えたことを覚えている人も多いはずです。
農林水産省の白書によると、このときスーパーでの米の購買量が、前の年の約1.5倍まで増えて、店によっては品薄になりました。
当時の農林水産大臣は記者会見で、8月は1年でいちばん米の在庫が少なくなる時期で、そこへ臨時情報や地震・台風が重なって買い込みが起き、お盆休みで運ぶ人も止まっていた、と説明しています。
そして、「必要な量だけお米をお買い求めいただくなど、落ち着いた購買行動をお願いします」と呼びかけていました。
1.5倍は、ひとりひとりが何倍も買い込まなくても届いてしまう数字。
少しずつ多めに買う日が、みんな同じ週に重なっただけで、棚は空いてしまったんです。
だから、今週いっせいに1週間分を買いに走れば、今度は水や米で同じことが起きかねません。
「備蓄する人が増えるから、店頭から物が消える」
こういう声を見かけるようになりました。
でも、ちょっと待って。
備蓄している人は、何かニュースが出たから急に買い込んでいるわけじゃない。
少なくとも私は3月頃から、普段の買い物の中で少しずつ備えてきました。
買い占めと備蓄は違う。
— 備蓄サバイバー (@blessed1326725) 2026年11月1日
この人のように買う日が何か月にもばらけていれば、同じ量を備えても棚は空になりにくいはず。
要請文の「使ったら補充する」も、まさにこの買い方を指しています。
米と同じく、水もいまは棚を追いかけなくて大丈夫。
東京都水道局は、きれいでふたのできる容器に、水道水を口元までいっぱいに入れておく方法を案内していて、浄水器を通さなければ、常温で約3日、冷蔵庫なら約10日は持つそうです。
飲み水の3日分なら、蛇口からためておけます。
では、棚が落ち着くまでのあいだ、食料は何から足していけばいいのでしょうか。
手がかりは、防災庁が要請の結果を確かめるのに使う、国の世論調査の中にありました。
家に食料は6割あるのに温める火は3割
防災庁は、国民への要請がどれくらい進んだかを、「防災に関する世論調査」などで点検すると書いています。
その調査の最新版は、2025年の8月から9月にかけて、全国の1,707人が答えたもの。
家庭で3日分以上備蓄しているものを聞いたところ、飲料水は69.8%、食料品は59.8%でした。
ところが、ガスボンベのような食品を温める熱源を備えている人は27.7%しかいません。
40代に絞ると、食料品の54.7%に対して、熱源は20.7%まで下がります。
食べ物はあっても、それを温める火が無い家が多いということ。
農林水産省が出している大人1人の1週間分の例を見ると、この差の重さがわかってきます。
並んでいるのは、お米、パックご飯、カップ麺、乾麺と、水や火を使う主食が中心で、その横にカセットボンベ6本が書き込まれていました。
イギリス政府が出した3日分の備蓄リストも、保存食には冷蔵も調理もいらないものを選ぶよう書いています。
停電やガスの停止で困るのは、食べ物の量より、それを食べられる形にするところ。
各国政府が水と食糧の備蓄を国民に勧告してると妻が言うので、
(1) 水は大量に備蓄していること
(2) 魚の缶詰を床下に備蓄していること
(3) カセットボンベも床下に大量に備蓄していることを伝えたが、(2)についてはそんなものないと言う。俺ぜんぶ食ってしまったかも…。
— ヒロケン ⿻ (@hirokenpart2) 2026年11月1日
床下の缶詰をいつの間にか食べてしまっていたというのは笑ってしまいますが、食べながら回す、という意味ではいちばん正しい使い方かもしれません。
それに比べてボンベは、毎日使うものではないので、残りが少なくなっていても気づきにくいもの。
今週から何回かの買い物に分けると、足す順番はこうなります。
- 1回目:カセットボンベ
- 2回目:火も水も使わずに食べられる1食
- 3回目:野菜の代わりになるもの
- 4回目から:いつもの米と水を1つずつ多めに
1回目に足すなら、店の棚から消えやすい米や水より、ボンベが先です。
メーカーの表示では1本250グラム、3本組を2つ合わせた6本セットで、農林水産省の例でいえば大人1人の1週間分にあたります。
カセットコンロがまだ無い家は、防災庁の要請をトイレから順にそろえる形でまとめた記事で、選び方に触れました。
2回目に足したいのは、火も、自分で用意する水も使わずに食べられる1食。
ボンベがあっても、地震のすぐあとに台所でコンロを使うのは、ためらう場面もあるでしょう。
レスキューフーズの一食ボックスは、箱の中に発熱剤と発熱溶液、加熱袋が入っていて、火を使わずにカレーライスを温められるそうです。
販売ページの説明では、出来上がりまでおよそ20分から30分、ご飯の容器にカレーをかけてそのまま食べられるとのこと。
3回目は、野菜。
ご飯と缶詰とレトルトを並べていくと、野菜の入る場所がなかなかありません。
生の野菜は日持ちしないので、缶の野菜ジュースで足しておくのが手軽です。
開ければそのまま飲めるので、ふだんの朝に1本ずつ飲みながら回していけます。
4回目からの米と水は、店の棚が落ち着いてから、いつもの買い物で1袋・1箱ずつ多めに買い、食べたら買い足す形で1週間分まで増やしていけば十分です。
自分で用意できる家が用意しておく理由
とはいえ、1週間分なんて、お金の余裕がないとそろえられないと感じる人もいるでしょう。
ただ、要請文が求めているのは、ふだん使うものを多めに買って回すことで、特別な非常食をそろえることではありません。
1週間分の大半は、いつもの米や缶詰やレトルトで足ります。
細野大臣は、要請の説明動画で、障害のある人や高齢者など支援が必要な人に備蓄品を優先して回せるよう、自分で用意できる人には最低限の備えをしてほしい、という考えを話していたそうです。
国や自治体が持っている食料には、かぎりがあります。
その分を、自分ではそろえにくい人へ回すための呼びかけだと考えると、少し見え方が変わってきますね。
そうした人の中には、ふだんの食べ物がそのままでは食べられない人もいます。
緊急要請で1週間分備蓄要請と言われても・・・
化学調味料が食べられない
アレルギー多数ありの
私が備蓄出来る物はあるんだろうか— 蓮太郎 (@Cu1uYmNyI071828) 2026年11月2日
アレルギーのある人や赤ちゃん、かむ力が弱くなった高齢の家族の食事は、避難所で配られる食べ物では代わりがききにくいもの。
島根県がまとめたアレルギー疾患の災害への備えには、アレルギー対応食や乳児用ミルク、離乳食のような特殊な食品は、行政での備蓄も多くなく、物流が止まると一般の食品より手に入りにくくなると書かれていました。
そのため、こうした家族の分だけは、1週間より長い少なくとも2週間分を備えておくことがすすめられています。
食物アレルギーのある家族の分は、原材料の表示で原因になる食べ物が入っていないかを確かめ、ふだん食べているものを多めに置いておく形がいちばん確か。
赤ちゃんがいる家なら、お湯がなくても飲ませられる液体ミルクがあります。
メーカーの注意書きには、缶のまま飲ませないこと、直火や電子レンジで温めないことが書かれているので、哺乳びんか使い捨ての乳首も一緒に置いておきたいところです。
かむ力や飲み込む力が弱くなった家族には、やわらかさの区分がついた介護食を。
やわらかさは4つの区分に分かれていて、区分1の「容易にかめる」はいちばんかたさが残る段階。
家族がふだんの昼ごはんで食べられるかを、先に試しておけます。
ふだん食べているものを少しずつ多めに買える家は、それで1週間分を持っておく。
細野大臣が話していたのも、そうすれば避難所の食べ物を、自分ではそろえにくい家族のもとへ回しやすくなる、という順番でした。
緊急要請の「緊急」は、今週の棚に急げという意味ではないということ。
今週の買い物かごにボンベをひと箱足すくらいで、ちょうどいいのかもしれませんね。
Amazonのアソシエイトとして、風のまにまにライフは適格販売により収入を得ています。
この記事で参考にした情報
- 防災庁「事前防災徹底のための緊急要請」(令和8年11月2日、国民のみなさまへ・概要)
- J-CASTニュース「細野豪志防災担当相、防災『緊急要請』の理由を説明」(2026年10月30日)
- 農林水産省「令和6年度 食料・農業・農村白書」/坂本農林水産大臣記者会見概要(令和6年8月27日)
- 内閣府「防災に関する世論調査(令和7年8月調査)」家庭で準備する備蓄
- 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」と、大人1人の1週間分の家庭備蓄の例
- 東京都水道局の各営業所のお知らせ(水道水のくみ置き)
- 島根県「アレルギー疾患のための災害への備えと対応」
- 各商品の仕様は、Amazon・楽天市場の商品ページとメーカーの説明(2026年11月2日時点)
