『羽田のトイレ全滅』という言葉が、ネットで一気に広がっています。

止まったのは、京急の羽田空港第1・第2ターミナル駅の中のトイレです。

2026年10月27日、京急電鉄は公式サイトに「羽田空港第1・第2ターミナル駅 旅客用トイレの使用中止について」というお知らせを出しました。

これから羽田へ向かう予定がある人ほど、空港のトイレは使えるのか、どこで済ませればいいのか、気が気ではないですよね。

今回は、止まったのはどこのトイレなのか、困ったときはどこへ行けばいいのかを確かめたうえで、そもそも駅にトイレを置く決まりはあるのかを調べていきたいと思います。

「すべての旅客用トイレ」が止まった京急の駅

お知らせに書かれているのは、「現在、羽田空港第1・第2ターミナル駅では、駅構内のすべての旅客用トイレがご利用いただけない状況となっております」という一文と、不便をかけることへのお詫び、そして「使用再開につきましては、改めてお知らせいたします」という一言だけ。

ところが、いつから使えないのか、なぜ使えないのかは、どこにも書かれていないんです。

しかも、対象として名前が出ているのも国内線の第1・第2ターミナルにつながるこの駅だけで、国際線側の第3ターミナル駅や東京モノレールの駅がどうなっているかは、このお知らせからは分かりません。

その日の夕方には、このお知らせを引用した投稿がネットで回り始めていて、そのあとも同じ内容を伝える投稿が続きました。

ネットでは「サイバー攻撃?」「テロ予告でもあったんかな」「わざと使えなくしたなら許せない」と、いろいろな見方が飛び交っています。

ただ、この夜の時点で、そうした見方を裏づける発表や報道は見当たりません。

壊れたのか、点検なのか、誰かのいたずらなのかは、外からは判断のしようがないのが正直なところ。

 

「前もありましたよね…」という声も。

羽田では2025年11月28日にも、第2ターミナルの広い範囲でトイレの洗浄水が流れなくなっていました。

日本経済新聞によると、このときは144か所あるトイレのうち最大で7割ほどが使えなくなったそうです。

ターミナルのビルを管理する会社は、のちに「電気系統の故障により給水ポンプが停止した」と原因を明らかにしています。

もっとも、それは空港ビルの中の出来事で、今回の駅とは場所も持ち主も別。

今回も同じ理由だという発表は、いまのところ出ていません。

駆け込むなら改札の外のトイレ

「全滅」という言葉だけを見て、空港全体のことだと受け取った人もいました。

お知らせを出したのは京急で、対象として書かれているのも、あくまで「駅構内」のトイレです。

この駅は、2つのターミナルのあいだの地下にある京急の駅。

いっぽう、改札を出た先のターミナルのビルは、日本空港ビルデングという別の会社が管理しています。

改札の内側と外側で、トイレの持ち主が入れ替わるんですよね。

 

空港ビルのトイレまで止まったという知らせは、27日の夜の時点で出ていません。

ネットにも「京急の乗り場の手前の空港側のトイレは使用できました」と書いている人がいました。

駅の中で困ったら、いったん改札を出て、ターミナルのビルの中で探すのが近道になりそうです。

 

気をつけたいのは、これから電車に乗る側の人。

飛行機を降りて荷物を受け取り、改札に入ってから行きたくなると、もう一度改札の外へ出なければなりません。

到着ロビーを出る前に一度寄っておくだけで、改札の内側で焦る場面はかなり減らせるはずです。

大きな荷物を抱えた人や、小さな子ども連れの人も使う駅なので、なおさらでしょう。

駅の決まりに書かれていないトイレ

改札の外のトイレが使えるなら、ひとまずは何とかなりそうです。

そもそも駅には、トイレを置かなければならない決まりがあるのでしょうか。

 

鉄道の設備の基準は、国土交通省の「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」にまとめられています。

その中の「駅の設備」という条文には、こう書かれていました。

「駅には、旅客又は貨物の取扱量等に応じ、プラットホーム、貨物積卸場その他の旅客又は貨物の取扱いに必要な相当の設備を設けなければならない」

貨物列車の駅もまとめて決めた条文なので、名前が挙がっているのはプラットホームと貨物積卸場で、便所という言葉は出てきません。

同じ条文の2項には、「駅には、当該駅を利用する旅客にとって有用な情報を提供する設備を設けなければならない」ともあります。

乗り降りする場所と、案内を伝える設備は「設けなければならない」と書いてあるのに、トイレについては一言もありません。

この省令で「便所」が出てくるのは1か所だけ。

しかもそれは電車の客室についての決まりで、「必要に応じ便所を設けること」と書いた一行でした。

 

もう1つ、駅のバリアフリーを決めた国土交通省の省令(移動等円滑化のための基準を定めたもの)には、「便所」という言葉がはっきり出てきます。

ところが、その書き出しは「便所を設ける場合は」。

置くなら車いすの人や目の見えにくい人も使える形にしなさい、という決まりで、置くこと自体を求めた書き方にはなっていないんです。

条文が細かく決めているのは、入口の近くに男女の区別や中の造りを音や点字で知らせる設備を置くことなど、置いたあとの使いやすさでした。

少なくともこの2つの省令には、駅にトイレを置くよう求める一文は見当たりません。

つまり駅のトイレは、鉄道会社が乗る人のことを考えて置いている設備、と言ってよさそうです。

 

置くと決めたのが京急なら、いつ戻すのかを決めるのも京急自身。

だからこそ、あのお知らせの「改めてお知らせいたします」の一行が、いまのところいちばん確かな手がかりです。

置く人の判断でトイレが成り立っているのは、駅にかぎりません。

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羽田へ行く日に覚えておく3つ

羽田へ出かける予定があるなら、再開のお知らせが出るまでは、次の3つを覚えておくと迷わずに済みます。

  • 京急で着いたら、改札を出てターミナルのビルで探す
  • 帰りは、改札に入る前にターミナルで済ませておく
  • 出かける前に、京急のお知らせ欄で再開の知らせを確かめる

渋滞や電車の立ち往生のように、近くにトイレそのものが無い場面まで考えるなら、カバンに携帯トイレを入れておくのも1つの手。

携帯トイレというのは、袋の中で固める薬と一緒に使う、使い捨てのトイレのこと。

 

この日、トイレの話が気になった人には、もう1つ理由がありました。

同じ10月27日に、11月2日の防災庁の発足に合わせて、細野豪志防災担当大臣が全国民に災害への備えを呼びかける「緊急要請」を出すと話したというニュースが流れていたんです。

その中で大臣は、最低3日、できれば1週間ぶんの食べ物や水と並べて、トイレの備えも挙げていました。

2つのニュースを並べて、不安になったという声もあります。

駅のトイレが止まったことと、災害への備えは別の話です。

家の備えをどこから始めるかは、トイレを先に考えるところから整理できます。

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原因も再開の日も、いまは京急の次のお知らせ待ち。

それまでは、改札を出た先のターミナルにもトイレがあることだけ、覚えておきたいですね。