応援している人の写真を買おうと、公式ショップのページを開く。

そこに名前そのものが見当たらなかったら、たいていの人は「もう戻ってこないんだ」と受け取りますよね。

2026年9月27日の朝にかけて、timelesz(タイムレス)のメンバー、猪俣周杜のファンのあいだに広まったのは、まさにその画面の話でした。

所属事務所のタレントの公式写真を扱う「ファミクラストア」のオンラインから、猪俣周杜の写真がすべて消えていたそうです。

 

ネットには「写真が無くなるってことはまだ発表がないだけで脱退、退所だね、きっと。」「脱退確定演出」といった声が並んでいます。

ただ、同じ事務所には、写真が消えたあとに何が起きたのかを最後まで見届けられる前例がひとつあって。

今回は、ファミクラから写真が消えることが本当に脱退の合図なのか、去年の草間リチャード敬太の件と並べて調べていきたいと思います。


集合写真まで消えたファミクラ

ファミクラストアというのは、旧ジャニーズ事務所のタレントが所属するSTARTO ENTERTAINMENT(スタート・エンターテイメント)の、公式写真やグッズを売っているお店のこと。

渋谷や名古屋などの店舗と、オンラインの両方があり、ファンにとっては推しの写真を手に入れるいちばん身近な場所です。

今回の「全削除」で消えたものを、ファンの報告からまとめると次の3つになります。

  • 「猪俣周杜」という名前そのもの
  • 本人の個人写真と、本人が写っている集合写真
  • timeleszのメンバー一覧の中の名前

timeleszは8人組で、個人写真だけでなく、8人で並んだ写真まで下げられているのが今回の特徴。

ほかの7人を応援している人も、推しが写った1枚を買えなくなっています。

以前は買えたフォトセットやアクリルスタンドの商品ページも、いまは開くと「見つかりません」と出る状態。

 

逮捕されたのは2026年9月19日のこと。

東京都江東区のコンビニの駐車場に止めた車の中で、知人女性の顔を殴ってけがをさせたとして、傷害の疑いが持たれています。

事務所は同じ19日に、当面のあいだ謹慎とし、活動を休止すると発表しました。

その後の報道では、25日に釈放され、警視庁は在宅のまま捜査を続ける方針だと伝えられています。

 

ファンが写真の全削除に気づいたのは、逮捕の直後ではなく釈放されたあとでした。

9月23日ごろには、渋谷の店舗で個人写真が全種類売り切れになっていたという目撃談も流れましたが、本当に売り切れたのか、店が下げたのかは分かっていません。

逮捕から数日のあいだは、「ファミクラいきます。もう全部買い足します。大好きだから。」と店舗へ向かうファンの投稿もありました。

写真を買い支えるのは、ファンにできる数少ない応援のひとつだったのかもしれません。

それだけに、名前ごと消えた画面を見て「いよいよか」と感じてしまうのも、無理はないと思います。


逮捕の翌朝に消えていたリチャの写真

では、同じことが前に起きたときはどうだったのでしょうか。

2025年10月4日の早朝、Aぇ! group(ええグループ)のメンバーだった草間リチャード敬太(ファンからはリチャと呼ばれています)が、東京・新宿区で公然わいせつの疑いで逮捕されました。

事務所はその日のうちに「草間の活動を休止させていただくことと致します」と発表しています。

そしてファミクラからは、翌朝までに写真が消えていました。

「別に辞めてないなら消さなくてもいいじゃん」という言葉に、当時のファンの戸惑いがそのまま出ていますよね。

 

同じころには、写真だけでなくアクリルスタンドやぬいぐるみも見当たらないという投稿や、5人の集合写真や2〜3人で写った写真も買えなくなったという投稿も出ていました。

消え方まで、今回とよく似ているんです。

この時点で決まっていたのは、活動を休むということだけ。

事務所の発表に出てきた言葉は「活動を休止」で、今回の猪俣周杜の件の「謹慎」「活動休止」と同じく、いったん止めるという段階の言葉です。

グループを抜けるとも、事務所を辞めるとも、まだ誰も言っていませんでした。

 

今回、ネットで「リチャは速攻削除されてたのに遅。」という声が出ているのは、この前例を覚えている人がいるからでしょう。

猪俣周杜の写真が逮捕のあとも店頭に並んでいた理由について、事務所は何も説明していません。

ただ、消えた時期が違っても、写真が下げられた段階で何かが決まっていたわけではない、という点は前例と変わらないはずです。


罰金が決まった日の脱退発表

草間リチャード敬太は、逮捕から2日後の10月6日に釈放されています。

11月13日に略式起訴され、11月20日、事務所は草間リチャード敬太が東京簡易裁判所から罰金10万円の略式命令を受けたことを報告しました。

略式起訴は、裁判を開かずに書類のやりとりだけで罰金を求める手続きで、それを受けて裁判所が出す罰金の言い渡しが略式命令です。

そして同じ日に、Aぇ! groupからの脱退も伝えられました。

「良かったんだこれで」という言葉には、罰金と脱退をひと続きの出来事として受け止めた気持ちがにじんでいます。

罰金の報告と脱退の発表が、同じ一日に並んでいる形。

写真が消えたのは逮捕の翌朝でも、グループを抜けることが発表されたのは、捜査の結論が出た日でした。

写真を下げるのは「いったん止める」という動きで、脱退かどうかを決める動きとは別の日に起きていたんです。

 

本人もこのとき、「一年ほど前から僕は心の病を患っており」と明かしたうえで、「このまま自分がいることでみんなの足を引っ張ってしまう、より多くの迷惑をかけてしまうという思いもあっての決断です」と説明していました。

同じ文章には「期待、信頼、それらを自分の手で傷つけてしまったことが、何よりも苦しく悔しくてたまりません」という言葉も添えられています。

脱退は、1か月以上かけて、本人も含めて出された結論でした。

 

しかも、抜けたのはグループだけ。

報道によると、事務所との契約はそのまま続けると伝えられていました。

脱退は「グループから抜けること」、退所は「事務所を辞めること」で、この2つは同じ意味ではありません。


10か月後、店に戻ってきた写真

2026年7月2日、事務所は草間リチャード敬太の活動再開を発表します。

発表文には「リチャードは心身ともに回復し、自分自身を見つめ直すことで芸能活動により一層精進してまいります」と書かれていたそうです。

同じ日から、グループとしてではなく、ひとりの名前でファンクラブにも加わりました。

そして8月、ファミクラストアのお知らせ欄に「草間リチャード敬太 新写真(アーティスト写真撮影オフショット2026)販売情報」が載ります。

オンラインでは8月25日から販売が始まり、いまも同じページで買える状態です。

ここまでの流れを日付で並べると、次のとおり。

  • 2025年10月4日 逮捕、活動休止の発表、翌朝までに写真が消える
  • 2025年10月6日 釈放
  • 2025年11月20日 罰金10万円の略式命令の報告と、グループ脱退の発表
  • 2026年7月2日 活動再開の発表
  • 2026年8月 新しい写真の販売が始まる

逮捕の翌朝に消えた写真が、10か月後に同じ店へ戻ってきたんです。

写真が消えた日、脱退が発表された日、写真が戻った日は、全部ばらばらの日だったんですよね。

写真が消えることは、少なくともこの前例では「二度と戻らない」という意味ではありませんでした。

 

とはいえ、ここを今回にそのまま当てはめることはできません。

草間リチャード敬太の件は公然わいせつで、けがをした人はいませんでした。

猪俣周杜の件は、顔を殴られてけがをした女性がいる傷害の疑いです。

時事通信は、捜査関係者の話として、その後に容疑を認め、女性との間で示談も成立したと伝えています。

示談というのは、被害を受けた人と話し合い、償いの内容で合意することです。

それでも、事件の中身が違う以上、同じ道をたどると考えるのは早すぎるでしょう。

前例から分かるのは、結末ではなく、物事が決まっていく順番までです。


写真より先に見たい事務所の言葉

では、今回の答えはいつ出るのでしょうか。

事務所は逮捕の日に、正式な処分は捜査当局の処分が確定した時点で決めるとしていました。

27日には、timeleszのメンバーの菊池風磨が、自身がTOKYO FMで持つラジオ番組『菊池風磨 hoursz』の冒頭で、この件に触れています。

「今までにないほどに残念で悲しく、言葉にすることができない感情です」

「釈放はされましたが、捜査当局の処分はまだ決まっていないと聞いております」

「我々でしかるべく決断をして、決まり次第すぐにでもお伝えできるよう努めます」

あわせて、「今回の件で被害を受けられた方がいらっしゃることが大変気がかりです」とも話し、会社やメンバーと「何度も何度も話し合い、この先を丁寧に決めていかなければならない」と続けていました。

言葉を選びながらも、まだ何も決めていないことを隠さずに伝えている印象です。

写真が消えたいまも、検察が起訴するのか、罰金で終えるのか、起訴しないのかは決まっていません。

容疑を認めたことや示談が成立したことは、検察がこのどれを選ぶかを決める材料のひとつになります。

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しかも今回は、身柄を押さえずに調べる在宅捜査に切り替わっています。

逮捕されたまま留め置かれる「勾留」のあいだなら、起訴するかどうかを最大20日で決める期限がありますが、在宅捜査にはその期限がありません。

その結論がいつ出るのかも、外からは見通せないということ。

そして前例と同じなら、グループとしての答えが出るのはその結論のあとになるでしょう。

 

推しの写真が店から消えたとき、そこで答えを読み取りたくなる気持ちは自然なことだと思います。

ただ、写真は事務所が「売るのを止めた」ことを教えてくれるだけで、その先までは語りません。

事務所の発表文に出てくる言葉は、それぞれ意味が違います。

  • 「活動休止」「謹慎」は、いったん止めるという意味
  • 「脱退」は、グループから抜けること
  • 「契約終了」「退所」は、事務所との関係が終わること

前例では、「脱退」の2文字が出てきたのは、罰金の略式命令が報告されたのと同じ日でした。

写真が消えた日と、何かが決まる日は、同じとは限りません。

いまはまだ検察の結論も、グループとしての決断も出ていないので、続報を待ちたいところですね。