timeleszの最年少、篠塚大輝の株が、この1日で一気に上がっています。

きっかけは、2026年10月1日に東京・台場のフジテレビで開かれた、7人そろっての会見。

涙で言葉に詰まりながらも最後まで崩れずに話しきった姿に、「これがこの人の素なんじゃないか」という声が広がりました。

 

一方で、それならあのおじトドは何だったのか、と首をかしげる人もいます。

おじトドというのは、去年の秋に朝の生放送で披露して大炎上した、一発ギャグのことです。

同じ人なのに、まるで別人のように見える2つの場面。

今回は、篠塚大輝の会見で株が爆上がりした本当の理由を、おじトドの頃と比べながら、わかりやすく解説していきたいと思います。


会見で泣いた最年少の言葉

この会見は、同じグループにいた猪俣周杜が知人女性にけがをさせた疑いで逮捕され、9月30日付で事務所との契約を解除されたことを受けて開かれたものです。

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午後3時、7人はスーツ姿で並び、菊池風磨が代表してお詫びを述べたあと、全員で深く頭を下げました。

メンバーが一人ずつ思いを話すなかで、篠塚大輝はまず被害に遭った方へのお見舞いを述べ、続けてファンと関係者へのお詫びを口にしています。

そのうえで、自分たちの入り方について、こう話しました。

「猪俣、橋本、そして僕、篠塚は一般公募という形でオーディションを受け、人生の全てをかける覚悟を持ってこのtimeleszというグループに入りました」

同じ時期に入った3人は、同期として同じ夢を見続けるものだと思っていた、と続けたところで声が詰まります。

少し間をおいてから「失礼しました」と言って、話を立て直したそうです。

最後は「今僕たちができるのはこの現実を受け止め、一歩一歩、誠意を見せ続けること、それだけだと考えております」と結んでいました。

被害に遭った方、ファン、そして自分の気持ち、という順番がきちんと守られていて、どこにも言葉の乱れがありません。

同じ会見では、原嘉孝も途中で15秒ほど言葉に詰まり、目を赤くしながら話を続けたと伝えられています。

菊池風磨は、猪俣周杜からメンバーへの謝罪は考えてもらわなくて結構で、まずは被害者の方に向き合うことが最優先だ、という趣旨のことを話していました。

 

もうひとつ、見た目の変化に気づいた人もいます。

女性自身によると、これまでトレードマークだった金髪が、この日はトーンを落とした茶色になっていたとのこと。

直近のInstagramでは金髪だったので、会見に合わせて落としたのでは、と受け止めたファンも少なくなかったようです。

 

会見のあと、ネットにはこんな声も並びました。

過去の炎上を知っている人ほど、「あれ?」と見直した様子が伝わってきますね。

ただ、多くの人が引っかかったのも同じところでした。

こんなにきちんと話せる人が、なぜ去年はあんなことになったのか。


おじトドが生まれた朝の生放送

2025年11月18日、篠塚大輝はフジテレビの『めざましテレビ』に、その月のエンタメプレゼンターとして出ていました。

その日は担当の最終日で、番組の最後に、番組キャラクターのめざましくんから「最後に一発ギャグをお願い」と頼まれたそうです。

そこで披露したのが、童謡『大きな古時計』の替え歌でした。

「今は、もう、動かない。おじいさんに…トドメ~」と歌いながら、殴るようなしぐさまでつけて。

スタジオには微妙な空気が流れ、伊藤利尋アナが篠塚大輝を抱きかかえて「これで終わらせていいのか~!?」と叫び、笑いに変えようとしたそうです。

それでもネットには「笑えない」「全国の高齢者に失礼」といった声が集まりました。

 

しかもこのネタは、芸人の鼻矢印永井が以前から持っていたギャグだったとのこと。

本人も、すぐにこう反応していました。

このギャグ、実はその場の思いつきで出たものではありません。

番組の公式アカウントは前の日に、篠塚大輝が「自作の一発ギャグを披露したいって言ってたよ」と予告していました。

本人は、ネタを用意したうえであの場に立っていたんです。

 

その予告の投稿は放送のあとで削除され、フジテレビの広報は「さまざまなご意見をいただいておりますので、今後の番組制作にいかしてまいります」と答えています。

3日後の11月21日には、メンバー全員の直筆の署名が入ったお詫びが事務所の公式サイトに載りました。

報道の見出しにも取られたのは、メンバーそれぞれに落ち度と責任があると認める一文。

グループ全体の問題として受け止めた形でした。

この炎上を受けて、決まっていた新作のドラえもん映画の声の仕事を降りていたことも、のちに報じられています。

会見の言葉は準備する時間があったからできたのだろう、という見方もネットにはありました。

その見方も、番組の予告ひとつで少し揺らいでくる。

準備はしていたのに、崩れてしまったんですよね。


崩れた2回はどちらも笑いの場面

炎上は、このあとにもう一度起きました。

2026年2月24日に放送された冠番組『タイムレスマン』のサウナでのトーク企画で、篠塚大輝は大阪の友人の話をしています。

中高一貫の男子校で育ったこと、友人たちの女性の理想が高いこと、自分を当てにして芸能人と知り合いたいと連絡してくる友人がいること。

そして最終的に、学生時代の友人だけで70人ほどが東京で就職した、という話でした。

「俺のプレッシャーがやばい」と笑いに包まれたこのトークにも、「メディアでする話じゃなさすぎる」という批判が出たと報じられています。

 

おじトドのときも含めて、報道が拾った批判には「アイドルとしての自覚」や、テレビの場に慣れていない「素人感」を問う言葉が並んでいました。

どちらも、人柄そのものより、経験の浅さを問う言葉。

ただ、放送を見ていたファンの受け止めは、まったく別のものだったようです。

同じ話を聞いて、楽しく笑った人もいれば、眉をひそめた人もいました。

 

おじトドも、サウナのトークも、どちらも笑いを取りにいく場面なんですよね。

朝の情報番組のエンディングで一発ギャグを頼まれる。

冠番組で、面白い話を一本話す。

どちらも、何を言えば正解なのかが、どこにも書かれていない場面でした。

笑いの世界では、ウケるかどうかと、言っていいかどうかの線を、話す本人がその場で引かなくてはいけません。

しかも、その線は見ている人ごとに少しずつ位置がずれています。

同じトークで笑った人と怒った人が分かれたのも、線の位置が人によってちがうから。

そのうえ、線は時代によっても動いています。

おじトドの炎上を解説したITジャーナリストの篠原修司は、昔なら「ちょっと不謹慎だけど笑える」で受け流された表現でも、いまは許されないことが増えていると書いていました。

篠塚大輝が崩れたのは、2回とも線を自分で引く場面だったんです。


文字で出した言葉は崩れていなかった

では、笑いを取りにいかない場面ではどうだったのでしょうか。

2025年8月に『ザ!鉄腕!DASH!!』へ出たときは、これまで事務所のタレントが中心に出てきた番組に、オーディションで入ったばかりの新人が出ることへ、一部のファンから反発が出ました。

このとき本人は、自身のInstagramにこう書いています。

「今回の出演に関して、様々な意見があることは真摯に受け止めております」

「自分はまだまだ未熟で至らないところばかりですが、常に謙虚な気持ちと感謝の気持ちを持って、一つ一つの仕事に真剣に取り組んでいきます」

最後には、番組で自分の色を出して、見ている人に楽しんでもらえるよう精進します、という言葉も添えていました。

批判を受け止めたうえで、それでも見ている人に楽しんでもらいたいと書いているところに、この人らしさが出ている気がします。

おじトドのあとの11月21日にも、同じくInstagramで「この数日間、メンバーとも話し合いをし、自分自身とも向き合っておりました」とつづっていました。

 

そして今回の会見です。

お詫びや決意を伝える場面では、一度も言葉が崩れていません。

質疑応答での受け答えに目を留めた人もいました。

先輩の菊池風磨を「菊池」と呼んだのは、社外の人の前では身内を呼び捨てにする、という決まりどおり。

会社で働いたことがある人なら、新人のころに一度は教わる決まりですよね。

 

お詫びの場面には、こうした決まった形があります。

被害に遭った方へのお見舞いを先に置き、次に迷惑をかけた人へのお詫び、最後に自分の気持ちと今後のこと。

篠塚大輝は、答えの形が見えている場面では、その形をきちんと踏める人なんだと思います。

会見で株が上がったのは、その強さがいちばんよく見える場面に立っていたから。


笑いの線は場数でしか引けない

会見の篠塚大輝も、おじトドの篠塚大輝も、たぶん両方とも素なんです。

ちがっていたのは人柄ではなく、立っていた場面の種類でした。

 

篠塚大輝は、歌もダンスも芸能の仕事もしたことがないまま、オーディションを経て2025年2月に加入しています。

加入してからは周りに「努力おばけ」と呼ばれるほど練習を重ね、パフォーマンスはかなり上達したとも報じられてきました。

歌とダンスは、練習すればした分だけ目に見えて伸びていきます。

笑いの線引きは、それとは少し性質がちがっていて、人前で話す回数を重ねながら体で覚えていくしかないものなんですよね。

似たことは、芸能界の外にもよくあります。

報告書やお詫びのメールは完璧なのに、飲み会のひと言で場を凍らせてしまう新人は、職場でもときどき見かけるもの。

結婚式のスピーチは見事だったのに、二次会の余興ですべってしまう人もいます。

どちらの姿を見たかで、その人の評価は簡単にひっくり返ってしまうんです。

 

ネットには、先輩たちのにぎやかなノリに合わせて、強めの自分を演じていたのではないか、という見方もありました。

本当のところは、本人にしか分かりません。

ただ、新人が笑いの場で先輩の空気に合わせようとするのは、どこの職場でもよくあることです。

合わせ方を覚えている途中で転んだ、と考えれば、あの炎上も少しちがって見えてきます。

 

あの一発ギャグで嫌な思いをした人がいたことも、なかったことにはなりません。

笑いの場でどこに線を引くのかは、これからの篠塚大輝が見せていくしかないところです。

会見で見せた言葉と、これからの笑いが重なっていくのか、見守りたいところですね。