2024年12月4日、映画『はたらく細胞』のレッドカーペットで撮られた、11秒ほどの動画があります。

黒いドレスの永野芽郁が、となりに立つ芦田愛菜の腕のあたりを、指でつんつんとつつく場面です。

その動画がいま、「芦田愛菜ちゃん、永野芽郁ちゃんのツンツンを華麗にスルーしてて知性を感じる」という一文を添えて、ネットで大きく広がっています。

見た人からは「恐怖映像すぎる」という声まで上がっていて、話はすっかり怖い動画の扱いです。

ところが、この動画を最初に投稿した人が添えていたのは、まるで反対の言葉でした。

同じ動画なのに、2024年は「かわいい」で、2026年は「怖い」。

今回は、あの動画に実際に何が映っているのかと、恐怖映像とまで言われるようになった理由を、わかりやすく解説していきたいと思います。

恐怖映像と呼ばれた11秒の中身

動画を見て、思わず「え、いまの何?」と止まった人も多いはずです。

撮られたのは、2024年12月4日に都内で開かれた『細胞大集合プレミアレッドカーペット』というイベントで、永野芽郁と佐藤健がW主演を務めた映画の公開を前に、芦田愛菜たち出演者がそろって壇上に並んだ日でした。

動画をコマ送りで見ていくと、流れはこんな形。

  • 芦田愛菜が、自分のドレスの袖のあたりに目を落とし、手で生地にふれている
  • となりの永野芽郁が手を伸ばし、芦田愛菜の腕のあたりを指で差す
  • 芦田愛菜は顔を永野芽郁へ向けず、手元を見たまま
  • 最後に芦田愛菜は、笑顔で別の方向を向く

「なんでこのタイミングで?」と首をかしげたくなる場面も、順番に見ると、芦田愛菜が自分の袖を気にしていたすぐあとに、永野芽郁の手がそこへ伸びています。

しかも、芦田愛菜のうしろには男性の出演者も何人か並んでいました。

ただ、この短い動画からは、ふたりがそのとき何を話していたのかまでは分かりません。

 

見た人の読み方は、ここで二つに分かれました。

ひとつは、男性の出演者に囲まれた芦田愛菜への注目を、永野芽郁が奪いたかったのでは、と気持ちまで読み取る見方です。

もうひとつは、「ドレスの話してるからだろ」「指さして何か話してるように見える」という見方でした。

こちらは、芦田愛菜がつつかれる直前まで自分の袖を見ていた流れとは噛み合います。

その日は、出演者の衣装を細かく見て楽しんでいるファンもいたんですよね。

永野芽郁の黒いドレスの裾に入っていた白い柄を、白血球に見立てた投稿でした。

どちらの見方をした人も、見ているのはまったく同じ映像です。

「かわいい」が「怖い」に変わるまで

撮られた当時、あの動画は「かわいい」場面として回っていました。

ところが、見え方はその翌年から変わり始めます。

2025年4月、週刊文春が永野芽郁と俳優との不倫疑惑を報じました。

双方の事務所は疑惑を否定したものの、永野芽郁はCMやNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』を降板したと伝えられています。

 

では、なぜいまになって、2024年の動画がもう一度広がったのでしょうか。

2026年10月に入って、永野芽郁の仕事の知らせが続けて届いていました。

  • 10月8日、主演のNetflix映画『僕の狂ったフェミ彼女』の配信日が12月3日に決まったと発表
  • 10月9日、主演と初めてのプロデュースを務めるDMM TVのドラマ『ヒマチの嬢王』が、第39回東京国際映画祭に出品決定
  • その告知を本人もストーリーズで引用し、「お待ちしています」と投稿

『ヒマチの嬢王』は、永野芽郁が歌舞伎町の元No.1キャバ嬢を演じる配信ドラマで、10月27日には映画祭の会場で第1話がはじめて披露され、本人も舞台あいさつに立つ予定とのこと。

永野芽郁
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この出品の発表と同じ10月9日には、NHKが大みそかの紅白歌合戦の司会を発表し、芦田愛菜が初めて司会を務めることも決まっています。

同じ日に、ふたりの名前がそれぞれ別のニュースに並んでいたんですね。

「知性を感じる」という一文を添えた投稿が出たのは、その2日後、10月11日の夜でした。

ふたつの知らせと動画の広がりが関係しているのかどうかは、外からは分かりません。

ただ、ふたりの名前がそろってニュースに出た週に、2024年の動画がもう一度広がり始めたのは確かです。

同じ動画が怖く見えてしまうわけ

「怖い」と感じた人の気持ちは、よく分かります。

いま回っている投稿の引用欄には、会社の後輩にこれをされて毎回困っている、という声もありました。

つつかれるのが苦手な人にとって、あの指先は他人事ではないんですよね。

そのうえ2025年の報道を知ったあとでは、同じしぐさにも何か意味を探したくなるもの。

ドラマを最終回まで見てから第1話を見返すと、何気ないせりふまで違って聞こえてくるのと同じです。

あとから知ったことは、前に見た場面の見え方まで変えてしまいます。

 

けれど、2024年12月の動画と、2026年10月の動画は、まったく同じ映像です。

変わったのは、添えられた一文と、そのあとに知ったことでした。

最初の投稿は、つつく側もつつかれる側も、まとめて「かわいい」と書いています。

一方で、いま広がっている投稿は、同じふたりを正反対に描き分けました。

芦田愛菜は華麗にスルーした賢い人で、永野芽郁は距離感が近すぎる人、という分け方です。

実は、紅白の司会が発表された日のネットには、芦田愛菜の「知性と安定感」をたたえる声がすでに並んでいました。

動画を見て賢いと思った人ばかりではなく、もともと賢いと思っていた人にとって、ぴったりの場面が見つかった形でもあります。

 

けれど動画の中で、芦田愛菜が嫌がっていたのか、ただ手元のドレスに気を取られていたのかは、映像からは決めようがないんですよね。

芦田愛菜本人がこの動画について何か話したという報道も、いまのところ見当たりません。

会場にいた人が、その日に残していたのはこんな言葉でした。

ほめられている側の芦田愛菜もまた、知らないところで比べられているひとりなんです。

古い動画が流れてきたときの見分け方

あとから読み直される古い動画は、これからもタイムラインに流れてくるでしょう。

そのとき、まず見ておきたいのは日付。

再投稿された動画に付いている日付は、再投稿した日のもので、撮影された日ではありません。

今回の動画も、いま回っている投稿の日付は2026年10月11日ですが、撮られたのは2024年12月4日でした。

 

もうひとつの手がかりが、動画の左下に小さく出る「投稿者:」という表示です。

今回の動画にも、左下に元の投稿者の名前が出ていました。

そして、その名前から元の投稿をたどれば、撮られた日と、最初に添えられていた言葉が確かめられるんです。

元の投稿には、その日の空気がそのまま残っています。

当日の投稿は「今日の」という言葉から始まっていて、読めばその場にいた温度が伝わってきますね。

 

映っているのはその日の出来事そのままでも、添えられた一文は、その投稿をした人の見方です。

「恐怖映像」も「知性を感じる」も「かわいいかわいい」も、どれも映像の外にいる人が付けた言葉でした。

永野芽郁本人や事務所がこの動画について何か話したという報道も、いまのところ見当たらないまま。

怖いと感じた気持ちは、そのままでかまわないと思います。

ただ、同じ動画を「かわいい」と見ていた日があったことは、覚えておきたいですね。