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アメリカが中間選挙のあとにイランへの攻撃を再開するかもしれない、という報道が広がり、ネットには「11月4日」という日付まで出回っているところ。

「世界中が備蓄を推奨し始めた理由がこれか」と、戦争と備蓄の呼びかけを一本の線でつなぐ声も出てきました。

家族が本気で買い出しに行こうとしていて焦っている、という人まで。

戦争のニュースと「備えて」という呼びかけが同じ週に重なれば、怖くなるのは当たり前ですよね。

ただ、日本は今年の春、アメリカとイスラエルがイランを攻撃したあおりを一度受けています。

届いたのは、ガソリンの値上がりと、時間をおいてやってきた袋や小物の品薄でした。

今回は、日本が巻き込まれるとしたらどんな形になりそうかを、11月の報道と春の日本の経験から確かめ、いつものローリングストックに冬の備えを足す形でまとめていきたいと思います。


『11月4日に攻撃』はもう決まったのか

きっかけは、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルが10月28日に伝えた記事でした。

トランプ政権が湾岸の複数のアラブ諸国に、11月3日の中間選挙のあとにイランへの軍事作戦が再開される可能性に備えるよう伝えた、とのことです。

「11月4日」という日付は、アメリカのニュース専門局MSNOW(旧MSNBC)の報道から出てきました。

湾岸の政府高官の話として、早ければ選挙の翌日の4日にも攻撃がありうると伝え、攻撃は短く激しいものになる見通しだとしています。

 

2月末に始まった今年の攻撃は、停戦をはさみながら続き、アメリカがイランを最後に攻撃したのは9月1日でした。

トランプ大統領は中間選挙が終わるまで新しい攻撃は控えると約束していた、とイスラエルの新聞タイムズ・オブ・イスラエルは伝えています。

11月4日は、約束の区切りだった選挙が終わった翌日にあたるんです。

 

ただ、ホワイトハウスは「存在するかどうかも分からない軍事計画にはコメントしない」と答えるだけ。

産経新聞も、最終的な判断は中間選挙のあとにトランプ大統領が下す見通しだと伝えていて、攻撃そのものはまだ決まっていない段階です。

カタールがイランへ新しい和平案を示したとロイター通信が報じるなど、話し合いの動きも同時に続いています。

 

それでも「日本も巻き込まれるよな」と思うのは、無理もないこと。

報じられている計画に日本が名指しされているわけではありませんが、日本は石油の約95%を中東から輸入していて、その多くがイランの目の前のホルムズ海峡を通ってきます。

巻き込まれるとしたら、まずは石油を通じてということ。

高市首相は10月30日、原油はホルムズ海峡を通らない調達先を増やしていて、11月も例年並みの量を確保できる見通しだと投稿しました。

ホルムズ海峡を通らない原油の道が、春よりも増えています。

 

春の日本に値上がりと品薄が届いた順番

2026年2月28日の攻撃のあと、ホルムズ海峡は事実上通れなくなりました。

日本の海運大手3社も通航を取りやめ、ペルシャ湾の中では日本に関係する多くの船が足止めになったと報じられています。

 

最初に買い込まれたのは、トイレットペーパーでした。

3月中旬に家庭での買いだめが一気に広がり、日本製紙連合会によると、3月の衛生用紙の国内出荷は前年同月より12.6%増えたそうです。

けれど日本家庭紙工業会は3月18日、国内で流通するトイレットペーパーの97%は国内生産で、原料も古紙やパルプが中心だとして、供給に影響はないという声明を出しています。

不安なときに毎日使うものへ手が伸びるのは自然なことですが、紙は中東の情勢では足りなくなりにくいので、いまあわてて買い足さなくても大丈夫そうです。

続いて、ガソリン。

3月16日時点の全国平均は1リットル190円80銭で、前の週より29円も高い過去最高を記録しました。

同じ日の灯油は、18リットルで2,774円。

政府は3月19日から補助金を再開し、ガソリンを170円程度に抑えました。

3月の終わりには、こんな声も。

そして、少し間をおいて届いたのが、石油からできている小物と部品です。

4月13日には、TOTOがユニットバスなど一部の新規受注を止めています。

壁のフィルムを貼る接着剤や浴槽のコーティング材に使う溶剤の調達が難しくなったためで、溶剤の一部は原油から作るナフサ由来のものだったとのこと。

受注はほどなく段階的に再開されましたが、調査会社インテージがまとめた全国のスーパーやドラッグストアの販売データでは、このあと接着剤の売れ行きが前年より3割増えた週が続いています。

同じ4月の後半には、家庭用の手袋とラップの売れ行きも前年より大きく伸びていました。

そして5月15日、環境大臣が記者会見で、自治体の指定ごみ袋を必要以上に買わないよう呼びかけています。

攻撃が始まったのは2月の終わりで、ごみ袋の呼びかけが出たのは5月の半ばのことでした。


遅れて足りなくなったのは袋と小物

最初に買い込まれた紙と、あとで品薄になって困った袋とでは、時期も中身も別だったんです。

どうして、こんな時間差が出るのでしょうか。

原油は船で運ばれ、製油所で燃料になり、一部はナフサという原料を経てプラスチックや溶剤になります。

袋や部品の形で店に並ぶのは、さらにそのあと。

そのあいだは、それぞれの段階にある在庫でつなぐので、品切れは海峡が止まった日には起きず、在庫が減ってきたころに表に出てきます。

春は国も、民間と国の備蓄の原油を3月から放出して、その時間をつないでいました。

 

時間の長さは、1隻の船で見るとよく分かります。

3月の初めにサウジアラビアで原油を積んだタンカー「出光丸」は、ペルシャ湾の中で止まり、ホルムズ海峡を抜けたのは4月28日。

愛知県の沖に着いたのは5月25日だったそうです。

 

もっとも、ごみ袋の場合は、この時間差のうえに買いだめが重なっていました。

環境省によると、主なメーカーの4月の出荷量は前の年の1.1〜2.0倍あったのに、買われた量は多いところで3倍にふくらんでいたそうです。

作る側は増やしていたのに、それ以上の勢いで手が伸びた、ということ。

夏が近づいても、売り場で見つからない地域がありました。

北海道の旭川市が、指定ごみ袋の取扱店への配送を再開したのは8月17日のこと。

 

品薄の最中にまとめ買いをすると、それ自体が品薄を深めてしまいます。

足すなら、棚が落ち着いているいまのうちに、ふだん使う袋を1箱だけ。

品薄のあいだは、群馬県の前橋市のように透明か半透明の袋で出してよいとした自治体もありましたが、扱いは市町村ごとに違うので、そのときは自分の町のお知らせを確かめてくださいね。

ケミカルジャパン ゴミ袋 45L 半透明 100枚 HD-892
ケミカルジャパン ゴミ袋 45L 半透明 100枚 HD-892
厚さ0.028ミリの厚手。箱から1枚ずつ取り出せる

ケミカルジャパンのこのごみ袋は、45リットルの半透明で、シャカシャカした厚手のタイプ。

箱から1枚ずつ取り出せるとのことで、非常用トイレの袋や、ごみの仮置きにも回せます。

ふだん使うものを少し多めに置いて、使った分だけ買い足していくのがローリングストックで、これなら家の中の量はほとんど増えません。

始め方はこちらの記事にまとめています。

ローリングストックの始め方をテーマに、家族が食料・水・防災グッズ・ポータブル電源を整理しているアニメ風アイキャッチ画像。備蓄品を日常に取り入れながら、家族で災害や停電に備える様子が描かれている。
ローリングストックの始め方|食料から電源まで家族を守るセット ナフサ危機 「物がない」現場は悲鳴、政府対応は「場当たり的」 https://t.co/90HWmjHAuc — 毎日新聞...

 

そして、この袋の話はトイレにもつながる話。

断水したときに使う非常用トイレは、便器に袋をかぶせて、その中で凝固剤を使って固める仕組みです。

つまり、袋がなければ非常用トイレは使えません。

選ぶなら、凝固剤と一緒に袋まで入っているセットにしておくと、袋の心配もまとめて片づきます。

ブレイン BR-966 非常用トイレ 100回分
ブレイン BR-966 非常用トイレ 100回分
凝固剤100回分と排泄袋100枚。15年保存のアルミパック

ブレインのBR-966は、凝固剤が100回分と、排泄袋が100枚入ったセット。

メーカーの説明では日本製で、アルミのパックに入れて15年保存できるそうです。

トイレの回数は1日5回が目安とされていて、4人家族なら1日20回なので、100回分で5日分になります。

1週間分なら何回分が要るのかといった数え方は、11月2日に発足する防災庁の緊急要請を取り上げた記事にまとめました。

防災庁の緊急要請で何を備える?トイレから揃える1週間の備蓄※この記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれています。 「防災庁が発足する日に、全国民に緊急要請を出す」。 細野豪志防災担当大臣...

 

灯油が高い冬にプラスしたい3つ

冬に入るいま、暮らしにいちばん近いところで値段が気になるのは灯油でしょう。

灯油は春に一度跳ね上がり、補助金で下がったあとも、1年前よりは高いまま冬を迎えることに。

資源エネルギー庁の調査では、10月13日時点の灯油の店頭価格は18リットルあたり2,563円で、1年前より340円高くなっています。

長野市のガソリンスタンドでは、1リットル137円と、1年前の114円から20円以上上がっているそうです。

赤沢経済産業大臣は「一部の国民の間で、冬期の灯油の供給に不安が広がっているという承知をしておりまして、対策を強化することといたしました」と述べ、値上がりしている輸入灯油に新しい補助を設ける方針を示しました。

冬に灯油を使う家ほど、この話は他人事ではありません。

だから冬だけは、いつものローリングストックに暖房・水・電気の3つをプラスしておくと安心です。

暖房が灯油と電気だけだと、片方が値上がりや品薄で使いにくくなった日に家が冷えるんですよね。

 

とはいえ、灯油を何缶も買いだめしておくのは、置き場所も安全面も難しいもの。

代わりに、灯油の配達を待たなくても使える暖房をひとつ持っておく、という手があります。

イワタニ カセットガスファンヒーター 風暖 CB-GFH-5
イワタニ カセットガスファンヒーター 風暖 CB-GFH-5
電源コードも電池もいらないカセットガス式

イワタニの風暖は、カセットボンベ1本で動くファンヒーター。

燃える熱で自分で電気を作って風を送るので、電源コードも電池もいらないとのこと。

販売店の掲載によると、ボンベ1本で標準なら約100分燃え続けます。

ボンベの中身もLPガスなので、輸入に頼っている点は灯油と同じです。

ただ、買い置いたボンベは手元にあるぶんだけ確実に使えるので、寒さがいちばん厳しい朝晩だけつける補助の暖房として考えると無理がありません。

室内で使うときは、取扱説明書にしたがって換気をしながら使ってくださいね。

毛布や湯たんぽなど、電気のいらない温まり方はイギリスの備蓄リストの記事にまとめています。

イギリスの備蓄リストに『毛布と現金』がある理由|冬の停電の備え※この記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれています。 冬の夜に停電したら、まず何に困るでしょうか。 真っ暗なことより先に、部屋...

 

灯油の心配は、値段だけではありません。

灯油のファンヒーターの多くは電気でファンを回しているので、停電すると灯油があっても一緒に止まってしまいます。

冬は大雪や寒波で停電や断水が起きやすい季節なので、暖房のそばに水と電気の備えも置いておくと安心です。

 

断水は、寒さで水道管が凍ったときにも起きるもの。

そうなると給水所まで水をもらいに行くことになるので、運べる水のタンクがひとつあると助かります。

北陸土井工業 MDタンク 20L コック付
北陸土井工業 MDタンク 20L コック付
置いたまま蛇口のように使えるポリタンク

北陸土井工業のMDタンクは、20リットル入りのコック付きのポリタンク。

置いたまま蛇口のように使えるので、台所で手を洗ったり、鍋に水を注いだりがしやすい形です。

口が大きく、奥まで洗えるとのこと。

 

停電に備えるならポータブル電源ですが、値段に幅があるので、何に使いたいかで大きさを選びます。

見る数字は2つで、Whは電気をためておける量、Wは一度に使える力の大きさです。

EcoFlow RIVER 3 230Wh+60Wソーラーパネル セット
EcoFlow RIVER 3 230Wh+60Wソーラーパネル セット
スマホと明かりを守る小型のポータブル電源

EcoFlowのRIVER 3は、ためておける量が230Whで、コンセントで使える力は300Wまで。

60Wのソーラーパネルが付いたセットなので、停電が何日か続いても、晴れた日の昼に少しずつ充電できます。

スマホの充電と、LEDの明かりがあればいいという家なら、このくらいの大きさで足りるはずです。

EcoFlow DELTA 3 1500 ポータブル電源(1536Wh)
EcoFlow DELTA 3 1500 ポータブル電源(1536Wh)
電気毛布やパソコンも使いたい家向けの大容量

同じEcoFlowのDELTA 3 1500は、ためておける量が1536Wh、使える力は1500Wの大きいタイプ。

電気毛布を夜に使いたい家や、在宅で仕事をしていてパソコンを止められない家なら、このくらいの容量があると心強いはずです。

電気で動く医療機器を使う家族がいる場合は、必要な容量を主治医やメーカーに確かめてから選んでくださいね。

何時間もつかは、使う家電の消費電力と使う時間をかけ算すれば目安が出せます。

どれにも当てはまらないなら小さいほうで十分ですし、冬の車の立ち往生とモバイルバッテリーの備えはこちらの記事にまとめました。

『23カ国が備蓄指示』は本当?米軍の90日と冬に足す備え※この記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれています。 世界のあちこちの政府が、国民に水と食べ物を家に置いておくよう呼びかけている...

 

11月4日に何が起きるのかは、まだ決まっていません。

もし日本が巻き込まれるとしたら、春と同じように、まずはガソリンや灯油の値段と、時間をおいてやってくる品薄という形で届くはずです。

だから今日あわてて買い出しに走らなくても、いつものローリングストックに冬の3つを足していけば十分ですね。

 

この記事で参考にした情報

  • 産経新聞「トランプ政権が湾岸諸国に対イラン攻撃への準備を要請 米中間選挙後に最終判断か」(2026年10月)
  • The Times of Israel「Report: US warns Gulf allies of possible Iran strikes as early as November 4」(MSNOWの報道を紹介)
  • 秋田魁新報(共同通信)「日本船40隻超が待機余儀なく」(2026年3月2日)/「ガソリン最高値190円」(2026年3月18日)/「原油タンカー『出光丸』日本到着」(2026年5月25日)
  • Bloomberg「石油の備蓄放出進む、日本は米国に次ぐ規模」(2026年3月10日)
  • LOGISTICS TODAY「日本家庭紙工業会、トイレットペーパーの供給に影響なし」(2026年3月)/日本製紙連合会の3月の出荷統計
  • 東洋経済オンライン「ホルムズ危機下で『売れたもの』『売れなかった』商品トップ30」(インテージSRI+、2026年5月20日)
  • TOTOのユニットバス新規受注停止と再開に関する報道(2026年4月13日・15日)
  • 環境大臣の記者会見(2026年5月15日)に関する報道/前橋市・旭川市の指定ごみ袋の臨時対応
  • 資源エネルギー庁「石油製品価格調査」(2026年10月13日調査)/SBC信越放送「需要期に入った灯油 実は価格が高止まり…なぜ?」(2026年10月)
  • 内閣府(防災担当)「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」
  • 各商品の仕様は、Amazon・楽天市場の商品ページに記載されたメーカー・販売店の説明(2026年11月1日時点)

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