「ギリギリまで粘って判断をという感じだったのですがなにかあってからでは遅いので」

2026年9月26日、Hey! Say! JUMPの山田涼介はインスタライブでこう話しました。

その夜バンコクで開くはずだった、ソロのアジアツアーの最終公演が、当日になって中止になったためです。

配信を見たファンからは、表情がずっと暗くて悔しそうだった、という声が上がっています。

 

ただ、会場のThunder Domeは屋根のある屋内の会場。

雨が客席に降るわけでもないのに、公演は止まってしまいました。

今回は、あの配信の表情がなぜ暗かったのかを、わかりやすく解説していきたいと思います。

屋内のドームが雨で止まった理由と、日本からバンコクまで足を運んでいた人がいま確かめておきたいことも、あわせて見ていきましょう。


アジアツアー最終日に起きたこと

中止になったのは、山田涼介のソロアジアツアー「Ryosuke Yamada ASIA TOUR 2026 Red.Y」のバンコク公演です。

ツアーは9月5日と6日の台北から始まり、13日のソウルを経て、26日のバンコクで締めくくる予定でした。

台北とソウルを回ってきたツアーの、最後の1公演が、今回のThunder Domeです。

報道によると、山田涼介にとっては初めてのソロでのアジアツアーだったとのこと。

 

雨の心配は、数日前から出ていました。

タイの気象局は9月22日の時点で、バンコクと周辺の県に24日から26日にかけて非常に強い雨が降ると予報していたそうです。

予報どおり、当日のバンコクは各地で大雨と冠水に見舞われました。

タイ内務省の防災局も、バンコクを流れる運河の水位が危険な水準まで上がったとして、洪水の警報を出しています。

地点によっては、24時間の雨量が210ミリに届いたところもあったと伝えられました。

 

そして当日の午後、現地で公演を開く主催元が中止を発表します。

山田涼介のソロ活動の公式アカウントも、日本語で同じ内容のお知らせを出しました。

チケットを買った人には、代金を全額払い戻すと主催元は発表しています。

この公演のチケットは、タイのチケット販売サイト「Thai Ticket Major」で売られていました。

その販売ページには、購入が済んだあとは、どんな場合でも交換や返金はできないという注意書きが載っています。

ふだんは返金しないはずのチケットが、今回は全額戻ってくる形です。

払い戻しの手続きとグッズの扱いは、近日中に別に案内するとのこと。

 

中止が決まったあとの配信で、山田涼介はこうも話しています。

「みんなが無事でいてくれることが僕、スタッフのみんなにとって大事なことでもある」

またいつか開きたいという思いも口にしていたと伝えられています。

最終日の、しかも当日の中止。

悔しくないはずがないですよね。


屋根のある会場が雨で止まった理由

それにしても、ドームなら雨は関係ないのではないか。

そう感じた人は多いと思います。

ステージの上に雨は降らないし、客席が濡れることもないはずです。

答えは、中止のお知らせの文面にそのまま書いてありました。

理由として並んでいたのは、この3つ。

  • 天候の状況
  • 浸水と道路の状況
  • 会場までの往復における安全な移動への懸念

公演を止めたのは、会場ではなく行き帰りの道だったんです。

 

Thunder Domeがあるのは、バンコクの北どなり、ノンタブリー県のムアントンタニというエリアになります。

公演の前日、9月25日の朝にも、タイの英字紙ネーションが、ムアントンタニの中を通るチェーンワッタナ通りなどの冠水を伝えていました。

小さな車では通りにくくなっていて、高速道路を使うよう呼びかけが出ていたそうです。

日本でも、台風の日に屋内のライブが中止になることがありますよね。

あれも理屈は同じで、会場が無事でも、電車や道が止まれば人は帰れません。

 

しかも今回は、現地時間の午後6時に始まる夜の公演でした。

終わるころには外は暗くなっていて、水が引いているかどうかは、終わってみるまで誰にも分かりません。

会場に入ることより、家やホテルへ帰ることのほうが危ない日もあります。

大勢の観客を、冠水した夜道へ一斉に送り出すわけにはいかなかった、と考えれば、筋は通るはずです。

観客の中には土地勘のない海外からの遠征組もいて、地元の人なら避けられる冠水した道も、はじめて来た人には見分けがつきません。

雨の夜は、タクシーそのものもつかまりにくくなりがちです。


ギリギリまで粘った判断

それでも、中止の発表が当日になったことに、戸惑った人もいたと思います。

主催元も、その点ははっきり謝っていました。

「公演の実施が可能かどうか最後の一刻まで慎重に判断を続けてまいりましたが、中止の決定と本発表が予定開始時間に近接して行われることに対し、心よりお詫び申し上げます」

雨は、止むかどうかが前もって分からないもの。

朝のうちに止めれば、夕方に雨が上がったとき「なぜ止めたのか」と言われます。

ぎりぎりまで待てば、今度は「なぜもっと早く言わないのか」と言われる。

どちらを選んでも、誰かががっかりする判断だったんですよね。

中止を発表したのは主催元ですが、本人も配信で、ギリギリまで粘って判断したと話していました。

 

ネットでも、悔しさを書きながら、判断そのものは受け止める声が並んでいます。

「悔しい気持ちはもちろんあるけど、山田くんがファンの安全を何よりも大切にしてくれたことが本当に嬉しいです」と書いていた人もいました。

「誰も悪くない」という言葉が、今回はいちばん素直な受け止め方なのかもしれません。

 

ただ、誰も悪くないからこそ、悔しさの持っていき場がないのもつらいところ。

初めてのソロアジアツアーで、最後の1公演だけが、自分の力の届かないところで消えてしまいました。

台北とソウルで積み上げてきたものを、最後の街でだけ見せられないまま。

表情が暗かったのは、当然のことだと思います。

会場に着いた瞬間に中止を知ったという人が、現地のファンから「また来てね」とお菓子やステッカーをもらって慰められた、と書いていました。

会えなかった一日にも、そういう小さな出会いは残るものなんですね。


遠征した人に戻るお金と戻らないお金

いちばん大変なのは、日本からバンコクまで来ていた人たちです。

飛行機に乗り、ホテルに着いて、あとは会場へ向かうだけというところで中止を知った人もいました。

中止を伝えたインスタライブのコメント欄には、飛行機代やホテル代も返してほしいという書き込みまであったそうです。

ネットではすぐに、「山田くんに『飛行機代ホテル代も返して下さい』はおかしいんじゃないの」「悔しいのはみんな一緒だろうが」という声が上がりました。

山田涼介の公式アカウントのお知らせも、払い戻しについては主催元からの案内を確認してほしいと書かれています。

主催元が全額払い戻すと発表したのは、チケットの代金です。

飛行機やホテルの代金については、発表の中に書かれていません。

 

日本では、自然災害で公演が中止になったときはチケット代の払い戻しが基本で、交通費の請求は難しいとされています(日本経済新聞、2020年2月)。

今回は海外の主催元なので、そのまま同じとは言えません。

それでも、チケット代のほかにかかったお金が戻ってくるとは、最初から考えないでおくのが無難でしょう。

そのうえで、いまのうちにやっておけることは3つです。

  • 電子チケットの画面や購入完了のメールを消さずに残しておく
  • 航空券やホテルの領収書を手元にまとめておく
  • 加入している海外旅行保険やカードの付帯保険の窓口に、公演の中止が対象になるかを聞いておく

保険で何が出るかは、契約ごとに違います。

対象にならないことも多いので、期待しすぎずに、まず聞いてみるくらいの気持ちで十分です。

 

もうひとつ、払い戻しには受付の期間が決まっていることがよくあります。

今回のチケットとは別の、日本のサービスの例ですが、ticket boardのよくある質問にも、払い戻しの期間を過ぎてからの申請は受け付けられない、とはっきり書かれていました。

今回の案内がいつ届くかはまだ分かりませんが、届いたら期限だけは先に確かめておくと安心ですね。

会場で買うつもりだったグッズも、扱いは別に案内すると主催元が書いています。

通販などの代わりの手段があるかどうかは、その案内を待つしかなさそうです。

 

そして忘れがちなのが、帰りの移動。

雨が公演の日だけで上がるとはかぎらず、空港までの道が混んだり、冠水で遠回りになったりすることもあります。

帰国の日は、航空会社のアプリで運航状況を見ながら、いつもより早めにホテルを出るくらいでちょうどいいはずです。

公演を止めた理由が〈行き帰りの安全〉だったのなら、その安全は帰国するまで続いている、と考えておきましょう。


中止のあとに流れた売ります投稿

中止が発表されたあとも、ネットには英語で「このバンコク公演のチケットを売ります」という投稿が、同じ文面のまま複数のアカウントから流れていました。

席の区分を並べたうえで、「外国人でも購入OK」と書き添えてあるものまであります。

現地の事情にくわしくない海外からのファンに向けた文面、と読むのが自然でしょう。

 

中止になった公演のチケットで、会場に入ることはもうできません。

払い戻しも、主催元の案内から受けるもの。

中止を知らない人に売るつもりなのか、最初からお金だけが目当てなのかは、外からは分かりません。

どちらにしても、個人から声をかけられたらお金を送らないのがいちばん安全です。

国民生活センターも2022年8月に、SNSで知り合った個人にライブのチケット代を振り込んだあと、連絡が取れなくなった例を挙げて注意を呼びかけていました。

チケットは公式の販売サイトから、というのがそこでのいちばんの助言です。

困ったときは、消費者ホットラインの188番へ電話すると、近くの消費生活センターを案内してもらえます。

 

悔しさが大きいときほど、次の公演の話や安い券の話に目が行きやすいもの。

そういうときに届く「売ります」こそ、一度立ち止まって見てほしいんです。

つらい一日だったはずなのに、この経験で強くなれた、と前を向く人がいるのには少し救われます。

 

バンコクの最終日は、雨に持っていかれてしまいました。

それでも、止めたのが帰り道の安全のためだったと知ると、あの暗い表情は、誰のせいにもできない悔しさの顔だったのだと思えてきます。

山田涼介がまた開きたいと話したバンコクのステージを、共に楽しみに待ちたいところですね。